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ビジネス環境に優れた国ランキング上位15国。最もビジネスが成功するのは世界で最も幸せな国だった\

Erika Muranaka

2016/02/10(最終更新日:2016/02/10)


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ビジネス環境に優れた国ランキング上位15国。最もビジネスが成功するのは世界で最も幸せな国だった 1番目の画像
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 ビジネスの成功にはもちろん、企業努力が必要である。しかし、その努力を実らせ、ビジネスを成功させるにはビジネス環境が整っていることも重要な要素となる。
 
 経済誌・フォーブスによる、「ビジネス環境に優れた国ランキング」を参照しながら、ビジネスを成功させるのに釣り合ったビジネス環境にある国の特徴をそれぞれ見ていこう。

 ちなみに、フォーブスはビジネスを成功させるのに釣り合ったビジネス環境を測定するのに、財産権の保証、イノベーションの多寡、税率、テクノロジーの発展具合、汚職の有無、個人的自由、通商の自由、通貨の自由、官僚主義の度合い、投資家の保護、株価実績といった11ファクターを指標としている。

 それではビジネスを成功させるのに釣り合ったビジネス環境にある国をランキング順に紹介しよう。

ビジネス環境に優れた国ランキング(上位15国)

第1位 デンマーク:人口/560万人 GDP/3410億ドル

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 デンマークはビジネスを成功させるのに釣り合ったビジネス環境を測定するために、フォーブスが設定した11ファクターにおいて、官僚主義の度合いという指標の他は全てトップ20にランクインしている。

 デンマークは各種の幸福度調査においても、1位を獲得することが多く、世界一幸福な国といわれることもある。平等意識が高く、実際に仕事における給料の高低差も少ない。女性の社会進出もめざましく、女性差別をする会社は時代遅れとされる。

 個人の税金の負担はかなり大きく、貯蓄率は少ないが、社会福祉が充実しているため、老後に対する安心感があり、国民に不満意識はない。

 ビジネスでの成功を目指すも目指さないも個人の裁量に任せられていて、充実した社会福祉を背景に、仕事を頑張りすぎないという選択も許されている。もちろん個人がビジネスで成功するためのビジネス環境も整っていて、成人が比較的安い費用で学ぶことのできる教育機関も充実している。 

第2位 ニュージーランド:人口/450万人 GDP/2010億ドル

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 ニュージーランドは政情が安定し、規制が少なく、万が一の際も経営者の財産を守る仕組みがあるので、ビジネスを始めやすい国として有名である。ビジネスを始めるのにふさわしいビジネス環境が整っているので、国民の5人に1人が何らかの形で自営業に関わっている。

 ニュージーランドの都市部では、世界からの移民で経済活動は活発化し、住宅は新設され続け、人口も毎年増加している。南半球でもっとも活発な経済成長を続けているといわれるほどである。ビジネスを成功させるに釣り合うビジネス環境の中で、成功者が生まれると同時に、所得格差が広がっているという状況だ。

第3位 ノルウェー:人口/510万人 GDP/5000億ドル

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 ノルウェーは各種調査の民主主義指数や平和度指数でもトップ3に入ることが多い国である。税金や物価が高いものの、医療費や教育費が無料となっている。

 ビジネス環境としては規制が少なく、市場競争が徹底していること。社会福祉制度が充実していることを背景に、起業しやすいビジネス環境にあるといわれる。

第4位 アイルランド:人口/460万人 GDP/2460億ドル

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 アイルランドは2010年、経済破綻直前まで景気が悪化していたが、EUの支援を受け、現在飛躍的に回復している。ビジネスを成功させるに釣り合ったビジネス環境として、税制、投資家の優遇といったファクターが挙げられる。実際、2012年にはTwitterやFacebookといったIT大手企業が、首都ダブリンにオフィスを新設している。

第5位 スウェーデン:人口/970万人 GDP/5700億ドル

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 スウェーデンもデンマークと同様に社会福祉制度が充実していて、各種の幸福度調査において上位にランクインする国である。スウェーデンでは自立した個人を尊ぶ文化が伝統的にあって、要介護の高齢者も在宅で介護となり、寝たきり老人がほとんどいない国だといわれている。

 スウェーデンのビジネスにおいてはプロセスより結果が重視される。組織的にもフラットで意思決定が迅速になされる。スピード感あるビジネス環境となっているのである。そして個々人が、独立した個人事業主といったような意識でいるのも特徴的なビジネス環境だ。

第6位 フィンランド:人口/540万人 GDP/2760億ドル

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 フィンランドは、ワーク・ライフ・バランス先進国として有名である。男女平等で育児における役割分担は半分ずつ、女性の社会進出もめざましい。そんなフィンランドのビジネス環境の特徴は能率主義である。家族や趣味の時間を大切にしているので、ビジネスにおいてはとにかく短時間で成果を上げることを目指すビジネス環境が醸成されている。

第7位 カナダ:人口/3550万人 GDP/1兆8000億ドル

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 カナダは広大な国土をもつ世界的な資源国である。資源価格がカナダ経済に与える影響は大きく、国境の多くをアメリカと接しているため、アメリカ経済の影響も大きい国だ。

 カナダはビジネスを成功させるビジネス環境を整えるため、世界の起業家を支援するためのビザプログラムを実施している。世界の起業家とカナダの民間組織をつなげやすくするビジネス環境を創造することを目的としているのである。

第8位 シンガポール:人口/550万人 GDP/3800億ドル

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 ASEANの主要国であるシンガポールは2010年には驚異的な経済成長を遂げた。シンガポール政府は金融、情報通信、バイオテクノロジーなどの高付加価値企業が進出するためのビジネス環境整備を進め、それらのビジネスを歓迎する姿勢を明確にしている。

第9位 オランダ:人口/1690万人 GDP/8660億ドル

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 オランダは古くから貿易国として栄えてきた伝統文化を引き継ぎ、海外からの投資や進出を優遇する税制を制定し、ビジネス環境を整えている。特徴的なのは事前税務裁定制度で、事前に課税算出方法を確定できるので、EUの他の国々と比べてきわめて有利なビジネス環境にあるといわれている。

第10位 イギリス:人口/6450万人 GDP/2兆9000億ドル 

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 イギリスの首都ロンドンは、ニューヨークに並ぶ、世界で最も規模の大きい金融の中心地だ。いわずと知れた経済大国である。アメリカに並ぶビジネスの中心地の一つといっていいだろう。

 以下に11位〜15位までの国のデータを記載しておく。

第11位 香港:人口/730万人  GDP/2900億ドル
第12位 スイス:人口/810万人  GDP/7120億ドル
第13位 アイスランド:人口/33万人  GDP/160億ドル
第14位 オーストラリア:人口/2360万人  GDP/1兆4000億ドル
第15位 ベルギー:人口/1120万人  GDP/5350億ドル


 フォーブスによる、「ビジネス環境に優れた国ランキング」から上位15の国を紹介した。ビジネスを成功させるには、それに釣り合ったビジネス環境が必要であるが、多くの国が、充実した社会福祉制度、市場競争の自由度の高さ、海外企業に対する税制などの優遇といった特徴をもっていることが分かる。

 ビジネスを成功させるには、その国に進出しやすいこと、その国で運営しやすいこと、万が一の場合における保険があることが、ビジネス環境として求められるのだろう。多くの国が税制を優遇したり、規制をなくしたりしていることで、起業を促すビジネス環境となっていることも、ランクインした国の共通点として挙げられる。

 ビジネスパーソンであれば知っておきたい、「ビジネス環境に優れた国ランキング」。毎年の動向をチェックしておこう。


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