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大手日本企業の突き抜けた人材から学ぶ、イノベーション事例3選:『突き抜けた人材“異能ベーター”』

Erika Muranaka

2016/02/12(最終更新日:2020/12/28)


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イノベーションの事例を知り、イノベーションを起こす参考にしたい人もいるのではないでしょうか。

本記事では、本書『突き抜けた人材“異能ベーター”』から3つのイノベーション事例を取り上げてご紹介します。

イノベーションの事例を見ながら、どのように自分の起こしたいイノベーションに利用できるのか考えてみてはいかがでしょうか。

本記事の内容をざっくり説明
  • 『突き抜けた人材“異能ベーター”』のハイライト
  • 「異能ベーター」によるイノベーション事例3つ

 

『突き抜けた人材“異能ベーター”』のハイライト

まずは、『突き抜けた人材“異能ベーター”』のハイライトをご紹介します。

・社内業務を変革する「異能ベーター」は既存の物差しでは評価されづらく、社内で埋もれる可能性がある。「異端児」が能力を存分に発揮し、企業内で正当な評価を受けられる風土を作ることが大切だ。

・イノベーションを起こすには、現場のニーズと分析のシーズ(種)をマッチングさせ、ビジネスになるまで後押しする存在が必要だ。

・イノベーションを社内に波及させるには、いきなり独創的な改革に着手するのではなく、小さな改善を積み重ねて、現場の人からの信頼獲得が重要である。

出典:『突き抜けた人材“異能ベーター”』著者 川又英紀、山端宏実、加藤慶信 編集 日経情報ストラテジー
 
本書の事例ではイノベーションの成功裏には「異能ベーター」の存在があったことが描かれています。それぞれのイノベーションの事例から、異能ベーターの活躍をみていきましょう。
 

「異能ベーター」によるイノベーション事例3つ

『突き抜けた人材“異能ベーター”』から3つのイノベーション事例を紹介します。

過去の事例からイノベーションを学びましょう。

 

イノベーション事例1.ネスレ日本  津田匡保氏

1つ目のイノベーション事例として、ネスレ日本が力を入れている新事業、ネスカフェアンバサダーを紹介します。このイノベーションの事例で活躍しているのが、ネスレ日本株式会社 コンシューマーコミュニティ開発グループ マーケティング部「部長・津田匡保氏」という人物です。

ネスカフェアンバサダーとは、職場でネスカフェを広めてくれる大使=アンバサダーにコーヒーマシンを無料提供するかわりに、専用カートリッジを継続購入してもらい、 コーヒーを飲んだ同僚から1杯の代金を徴収するという仕組みです。

津田氏は自動的にカートリッジが届くネット通販を始め、アンバサダーの声にひたすら応え続け、定期購入の離脱者ゼロという結果を生みました。夏になるとコーヒーの需要が減るという事実もアンバサダーに正直に伝えて、代わりにペットボトルのアイスコーヒーをすすめるキャンペーンを始めました。するとボトルコーヒーの販売が急増しました。

実はこのイノベーション事例における津田氏は、マシンの販売担当からこの新事業へと異例の社内転職を遂げています。ネスカフェアンバサダーの成功は、アンバサダーに寄り添った津田氏のアイデアが生きています。このイノベーションの成功事例から、画期的なアイデアをもたらす「異能ベーター」の存在が重要だと分かるのではないでしょうか。

 

イノベーション事例2.トヨタ自動車 喜多賢二氏

2つ目のイノベーション事例として、トヨタ自動車の農業支援を紹介します。

このイノベーションの事例で活躍しているのが同社「新事業企画部 企画総括グループ 主任の喜多賢二氏」です。トヨタ自動車が自動車のテレマティクスサービスで培ったIT技術を農業の現場に持ち込み、農業支援を情報サービス事業のひとつに育てようとしていました。

農業を理解するために喜多氏は汗をかいて農業を体験し、3年間の現場経験を経て農作業の流れは行程として捉えられるということを学びました。田んぼでスマートフォンを使ってもらうために、入力のメリットを根気よく説明しながら現場検証を続けました。そして1年間で資材費を25%、労務費を5%削減するという結果を得たのです。

これも津田氏と同じように、現場の声に寄り添った喜多氏が活躍することで成功したイノベーション事例です。

 

イノベーション事例3.DeNA(ディー・エヌ・エー) 南場智子氏、深澤優壽氏

3つ目のイノベーション事例として、DeNA(ディー・エヌ・エー)の南場智子氏、深澤優壽氏のイノベーションについてご紹介します。

DeNA(ディー・エヌ・エー)のファウンダーであり取締役である南場智子氏とDeNAライフサイエンス代表取締役社長の深澤優壽氏です。遺伝子検査サービスがDeNAのイノベーション事例です。南場氏は癌を患った夫の看病を経験し、病気にかかる可能性を早く知っていることができたらという強い思いをもってこの新事業に乗り出りだしました。

事業を牽引するリーダーに、すごい勢いで物事に集中できるという特性を持った深澤氏を抜擢しました。当初は乗り気でなかった深澤氏も南場氏の思いに触れ、腹を決め、その能力を惜しみなく発揮し、2014年に遺伝子検査サービスが実現しました。

このイノベーション事例では強い思いをもった「異能ベーター」が存在しています。しかし2人は強い思いで突っ走っただけでなく、他の2つのイノベーション事例と同じように、ユーザーに寄り添いながら判定結果の伝え方に工夫をこらして、サービスの実現までには積み重ねた努力をしました。

他の2のイノベーション事例においても、その積み重ねられた努力は強い思いがあったからこそのものなのだろうと思わされるイノベーション事例です。

 

「異能ベーダー」になる方法を模索しよう

本記事のまとめ
  • 画期的なアイデアをもたらす「異能ベーター」の存在が重要
  • 現場を体験し、現場の声に寄り添う
  • ユーザーに寄り添いながら、伝え方に工夫をこらす

本記事では、『突き抜けた人材“異能ベーター”』から3つのイノベーション事例をご紹介しました。

イノベーションには、たゆまぬ努力とユーザーや現場を考える必要があります。自分の起こしたいイノベーションには、それらの要素を考慮に入れられているのか考えてみましょう。

本記事を参考に、異能ベーターになってみてはいかがでしょうか。
 

 

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