1. 人の心を動かす「異動」の挨拶・スピーチの技法とは? “異動は、人間関係構築の入口と出口である” 

人の心を動かす「異動」の挨拶・スピーチの技法とは? “異動は、人間関係構築の入口と出口である” 

出典:gakuu.com
 会社の人事異動は、慣れ親しんだ環境に別れを告げて、新しい環境へ身を移し、新たな人間関係を構築するチャンスだ。一流のビジネスマンなら、お世話になった人達への別れの挨拶やスピーチを疎かにすることはない。また、新しい環境へ異動した時の挨拶やスピーチも、相手に好印象を与えて、絶好の再スタートを切りたいものだ。

 しかし、いざ異動が決まった時、お世話になった人達への挨拶やスピーチの内容を考えてみると、様々な感情がこみ上げてきて、どんな風にまとめたらいいのか分からなくなることがある。また、新しい環境への異動の挨拶やスピーチの内容も、相手に好印象を持ってもらうためにはどうしたらいいのか、頭を悩ませているビジネスマンも少なくはない。

 そこで今回は、異動時の慣れ親しんだ環境への別れの挨拶・スピーチと、異動先での挨拶・スピーチの技法を学び、周囲の人達の心をがっちり掴み、一流ビジネスマンに相応しい人間関係の構築をスタートさせることとしよう。

慣れ親しんだ環境との別れの挨拶・スピーチの技法

出典:theodysseyonline.com

①ビジネスマンの常識「異動の挨拶状を書く」

 異動は、お世話になった人達との別れと共に、新しい人間関係を構築する機会である。そこで、お世話になった人達に向けて挨拶状を送ることは、もはや社会人として常識だ。しかし、異動の挨拶状を書くことは常識でありながら、異動の挨拶状に書くべき内容はどのようなものが適切なのか、自信を持って答えられる人はどれくらいいるのだろうか。

 異動時の挨拶状を書く時に重要なのは2つ。1つ目は、お礼と挨拶の言葉を書く。2つ目は、今後の抱負や目標を書くことだ。この2つ目の今後の抱負や目標を書くことで、向上心を表すことができ、ビジネスマンとして好印象を得られやすい。重要な2つの要所をクリアしたら、異動後1カ月から2カ月の間に挨拶状を出すのがマナーだ。

 以下、挨拶状の例文である。

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拝啓   時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
                             
さて、私こと○○は、このたびの異動により○○勤務を命ぜられ過日着任いたしました。 ○○在勤中は公私にわたり格別なご厚情を賜り、ありがとうございました。厚くお礼申し上げます。 新任地におきましても精励いたす所存でございます。 今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます まずは略儀ながらお礼かたがたご挨拶申し上げます。敬具
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②人間味溢れる異動のスピーチをせよ

 異動時、送別会などの場で、新しい環境へと送り出してくれる人達に向けたスピーチは、形式的なものではなく、人間味のある内容を話した方が好印象だ。慣れ親しんだ環境での、同僚1人ひとりとの思い出を語りつつ、感謝の言葉をスピーチするのだ。しかし、長い時間をかけすぎても、ダラダラとした雰囲気になってしまうので、事前にスピーチの内容をまとめておこう。思い出を語りつつ、コンパクトなスピーチの例は以下の通りである。

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「本日は、私のためにこのような会を開いていただきまして、本当にありがとうございます。◯月◯日づけで◯支社へ異動になりました。◯◯さんをはじめ、皆様には大変お世話になりました。5年間の◯◯支店での就業は、皆様のサポートがあったからこそです」

「特に◯◯さんと大きなプロジェクトチームを組めたことは、私の最大の誇りです。時には励ましあい、切磋琢磨しながら成功させた仕事は、新転地においても強みになるでしょう。◯◯支店の皆様、これからも健康に留意し、良い仕事をしてください。今後の皆様のご健闘をお祈り申し上げます。今日はこのような会を開いていただき本当にありがとうございました」
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 異動による別れを惜しんでしまうあまり、異動に対して悲観的な言葉を発してしまいやすいが、控えた方がいい。送り出す人達には、異動を前向きに捉えている姿勢を見せ、異動先ではどのような仕事をするのかなど、異動先での抱負や目標を伝えるといいだろう。異動先への仕事について語ることで、相手により強い印象を与えることができるのだ。悲しい別れのスピーチにならないように、心掛けよう。

新しい環境への異動の挨拶・スピーチの技法

出典:www.jrmyprtr.com
 新しい環境への異動のきっかけが、その環境にいた人が異動もしくは辞職したことであることがしばしばある。つまり、前任者の存在がある。前任者の意思を継いで、周囲の期待や信頼を得るために努力することを伝えてみよう。異動は、人事部が自分は新しい環境に適切だと判断した上での処置であることを認識し、自信を持った挨拶・スピーチをしよう。以下、例文である。
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「本日はこのような会を開いていただき、本当にありがとうございます。私こと○○は前任者の△△課長の退職に伴い、○月○日付けにて当部署○○に異動となり、本日着任いたしました」

「入社して○○部に配属、その後○○支店で○年スタッフとしての仕事をしてまいりましたが、このたび初めてこちらで営業の仕事につくことになりました」

「前△△課長のような活躍ができるかは分かりませんが、新入社員のような初心に戻って営業を一から学ぶ覚悟でまいりました。慣れない仕事でご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、やる気だけは人一倍あります。一生懸命頑張りますので、どうかご指導のほどよろしくお願い申し上げます」
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 異動先で、自分が地位の高い役職に就く場合、「どのような上司になるのだろうか」と、異動先の人達は警戒心を持っていることがある。異動時の挨拶やスピーチの場でその警戒心を解くには、親しみやすさをアピールする必要性がある。つまり、自分に対して意見を言うことを歓迎するといった旨のスピーチをしよう。もちろん、親しみやすさをアピールするため、笑顔でスピーチすることも重要だ。


 異動の場に限らず、別れと出会いの挨拶やスピーチは重要なものだ。しかし、とりわけビジネスにおいては、人間関係の構築が重要となる。人間関係構築の基礎である挨拶は、できるようにするべきだろう。また、自分の部署へ異動してくる人の挨拶やスピーチも、自分が異動の挨拶やスピーチをする時に気を付けるポイントを気にしながら、聞いてみるとよい。今後、一緒に仕事をしていく上で、どのように人間関係を構築していくべきか考える上で、良い参考になるだろう。

 異動は今までと違う仕事を任されたりと、今までの知識やノウハウを活かせないこともあり、あまり好ましくないことかもしれない。しかし、新たな人間関係の構築など、視野を広げてみると、異動がチャンスに見えてくる。異動時の挨拶やスピーチの場合に限らず、異動を前向きに捉えた方が、実際に自分にとって良い機会となるだろう。

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