1. “ハゲタカ”の凄腕ディールメーカーが語る、一流ビジネスマンの思考方法とは:『一流の決断力』

“ハゲタカ”の凄腕ディールメーカーが語る、一流ビジネスマンの思考方法とは:『一流の決断力』

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 ビジネスの場では、あらゆる問題を処理するために、正解は何かと思考する場面が多く存在する。正解を導き出す方法が分からず、思考に時間をかけてしまい、仕事の効率は悪くなってしまうことも珍しくない。しかし、上司という立場になっても、決断するまでの思考に長時間かけていると、部下からの評価は下がってしまい、部下に慕われなくなってしまうだろう。

 凄腕ディールメーカーとして知られる植田 兼司氏は、東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)で、25年間国内外の資産運用を仕事とし、その後、「ハゲタカ」という名で知られた米系投資ファンドのリップルウッド・ジャパンに移った。リップルウッド・ジャパンでは、8年間マネージング・ディレクター・代表取締役として、数々の企業の合併や買収取引を手掛けた。植田氏の部下には、極めて優秀であったが、優秀な部下達を引っ張っていくことができた植田氏もまた、素晴らしい上司であったことは言うまでもない。

 そこで今回は、植田 兼司氏の『一流の決断力 伝説のディール・メーカーが教える「粘る力」と「割り切る技術」』から、植田氏が実体験から得た思考方法を学んでいくとしよう。植田氏の思考方法を用いれば、良き上司だけでなく、一流のビジネスマンになることができるだろう。

成果を生み出す思考方法

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 植田氏は、リップルウッドでの他企業との取引交渉をまとめていく過程で、他企業のトップである取引交渉相手が不満を爆発させて、泣きついてくるという経験を何度もした。その経験から、植田氏は優秀なリーダーになる方法は、「粘る力」(不屈の精神)と「割り切る技術」(冷静な観察眼と勇気)の2つを得ることだと確信した。この2つを基礎に、思考し、リーダーとして決断していくのだ。

 ビジネスの交渉を優位に進めていく思考方法として、相手の目線に立つということは重要である。つまり、自分がどう思考するかではなく、相手がどう思考するかに着目して、決断するという方法である。実際に、植田氏はある企業の買収取引の際に、取引相手の思考を「植田氏に売りたい」という思考にさせるため、何度もその企業を通い、心を掴んで買収に成功した。相手の目線を冷静に思考する方法が、成果を生んだのだ。

 リーダーの役割は、あらゆる選択肢から最適なものを選択するために、思考することであるが、思考に思考を重ねても1つに絞り切れない時がある。結果的に、長い時間を浪費してしまうことが多い。しかし、思考に思考を重ねても答えが出ない場合、どちらの選択でも良いのだ。つまり、思考し尽くした上での決断であれば、ミスは起きないということである。逆に、思考せずに決断した方が、ミスの危険性は高いのだ。

間違った日本人の思考方法

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 ビジネスにおけるリスクとは、予測値からのブレのことを指す。経営において、リスクの本質を思考して理解し、リスクに対するヘッジを行うことが求められる。しかし、日本人はこの思考をする際に、予想に期待が混同してしまいがちだ。冷静な思考をできず、経営における重要な判断を間違いかねない。つまり、真のリスク管理方法とは、周囲に流されることも、予想と期待を混同させることもなく、冷静な判断をするという思考方法なのだ。

 例えば、多くの日本人は、相場が下がってくると怖くなって売ろうとする順張りという方法をとってしまいがちだが、これは日本人の周囲に合わせるという思考に根付いたものである。しかし、人々が買い上げて相場が高くなったところで売り、相場が下がって誰も買わなくなった閑散局面で買う、逆張りという方法を選択することが本来、投資においては当然とも言える方法なのだ。周囲に合わせる思考ではダメなのだ。

 逆に、イギリス人は、金融マーケットにおいても上手に逆張りという方法を選択する。多くの人と逆の方法を選択するのは、勇気がいることだが、ビジネスにおける勝機は、勇気ある者に訪れるのだ。人と違う方法を選ぼうとする姿勢が成果を生むことができるのだ。

一流ビジネスマンの思考方法

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 植田氏のような決断力を得る方法は、自分の仕事に全精力を注ぎこむことが前提だ。自分の思考し尽くした提案が認められなかったら、なぜ認められなかったのか思考に思考を積み重ねるのだ。若い頃からリスクにチャレンジして、思考に思考を重ねて、結果にこだわる姿勢を持ち続けることが重要なのだ。

 リーダーに必要な「粘る力」と「割り切る技術」という一見、矛盾しているように思えるこの2つの思考方法のバランスが、最適な決断を生み出す。つまり、矛盾しているからこそ、思考に思考を積み重ねることが自然とできるのである。その過程から生み出された決断はミスを起こす危険性が低いのだ。

 将棋の羽生名人の言葉である、「同じ戦法をとり続けるのは安全なやり方に見えるが、長期的には最もリスキーなやり方なのだ」とあるように、リスクを恐れずに新しい方法を選択した者が進歩するのだ。つまり、新しい環境に身を置くことで、新しい才能を引き出す可能性が高くなる。だから、現状に満足する思考では、一流ビジネスマンにはなれないのだ。


 多くのスキルが求められるビジネスにおいて、何よりも思考能力は重要である。たとえ、知識やノウハウが蓄積されていようとも、的確な方法を選択をすることができるかどうかは別問題だ。日本人の思考として、周囲に倣おうとする傾向があるが、この傾向に逆らうことで、ビジネスチャンスが巡ってくる可能性も高まるだろう。視野を広げて、新しいことに挑戦してみてはいかがだろうか。

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