1. 人の本心を聞き出すコツが分かる。コミュニケーション力を向上させる『モデレーター 聞き出す技術』

人の本心を聞き出すコツが分かる。コミュニケーション力を向上させる『モデレーター 聞き出す技術』

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 自分にはコミュニケーション力がない。コミュニケーション力をなんとか向上させることはできないか。そんなお悩みをお持ちのビジネスパーソンは少なくないだろう。

 ビジネスシーンではコミュニケーション力が問われることが多々ある。営業、商談、会議、コミュニケーション力が足りなければ、仕事を成功させるのが難しくなる場面も少なくない。コミュニケーション力が足りないことで歯がゆい思いをしたことのあるビジネスパーソンは多いはずである。

 そんなビジネスパーソンに紹介したい本がある。『モデレーター 聞き出す技術』である。コミュニケーション力を向上させるためのコツとして、この本には人の本心を聞き出すコツがまとめられている。コミュニケーション力を向上させたいと願うビジネスパーソンにうってつけの本となっているのだ。

 ここではそのコミュニケーション力を向上させるためのコツとなる聞き出す技術とは一体どんなものなのか、いくつか紹介しよう。その中で、人の本心を聞き出すコツがコミュニケーション力にどれほど直結するものなのかも理解してもらえることと思う。

そもそもコミュニケーション力ってなんだ?

 コミュニケーション力を向上させるために、人の本心を聞き出すコツを紹介しようと冒頭で述べたが、そもそもコミュニケーション力とは何かということを少し考えておきたい。

 ビジネスシーンにおいて、自分にコミュニケーション力がもっとあればと感じる場面は少なくない人も、一体何ができないがためにコミュニケーション力があればと思うのだろうか。コミュニケーション力とは言葉の意味だけで考えるなら、意思疎通の力である。自分の意思を伝え、相手の意思をくむ力がコミュニケーション力だ。

 相手の意思をくむ部分が弱くてコミュニケーション力が足りないのなら、人の本心を聞き出すコツを学ぶことでコミュニケーション力は向上するかもしれない。だけど、自分は自分の意思を伝えるのが苦手なんだから、聞き出すコツを学んだって自分はコミュニケーション力を向上させることにつながらない、と思った君。実はそんな君にこそコミュニケーション力を向上させるために、人の本心を聞き出すコツを紹介したい。

 自分の意思を伝えるのが苦手だと考えている君、伝え方ばかりが問題なのではないのだ。相手のことを理解し、相手に心を開いてもらうことができれば、少しくらい伝え方に拙い部分があっても自分の意思を相手はくんでくれるのである。

 人の本心を聞き出すコツには、問い方だけでなく、コミュニケーションにおける相手との関係づくりのコツが含まれている。今から具体的に紹介していくので、コミュニケーション力を向上させたい君は実践してみよう。

コミュニケーション力を向上させる、人の本心を聞き出すコツ

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コミュニケーション力の土台、相手が本心を話したくなる空気づくり 

 コミュニケーション力は、言葉のやり取りの前から必要になってくるものだ。コミュニケーション力の高い人は、出会った瞬間から相手に配慮をしているのである。挨拶をするときは必ず目を合わせ、打ち解けた雰囲気をつくるウォームアップの時間を大切にする。

 やり取りがはじまったら、言葉だけでなく、身振り手振り、視線、表情、体の向きなど全身を使って相手の話を聞いているということを表現するのがコツだ。自分のスタンスは消して相手に同化し、相手の発言に対して大きなリアクションをとると、本心を引き出しやすくなる。

コミュニケーション力の基礎、本心を聞き出すための5つのコツ

コミュニケーション力の基礎 ①話し始め

 まずやり取りの始めは、どんなことを話しても大丈夫だという空気をつくるために、話題を限定せずに、漠然と「どうですか?」といった聞き出し方をするのがコツとなる。

コミュニケーション力の基礎 ②相手が話し出したら

 相手が話し出したら、一区切りつくまで黙って待とう。意見を求められても、普段感じていることをいきなりスラスラ話すのは難しいことなのだ。焦らず相手の話の流れを待つのがコツだ。

コミュニケーション力の基礎 ③キーワード

 相手のこだわりが感じられるキーワードが出てきたら、まずはオウム返しをするのがコツだ。相手は自分の言ったことが受け入れられたと感じ、自由な発想で発言を続けることができる。

コミュニケーション力の基礎 ④材料探し

 相手の話があちこちにとんだとしても、材料探しの時間だと考えよう。聞き出したいこととズレていても、思う存分話してもらおうという気持ちでいるのがコツだ。その中からテーマに結びつくヒントが表れることも多々あるのだ。

コミュニケーション力の基礎 ⑤相手がノってきたら

 相手がノってきたら囃子に徹するのがコツだ。まるで初めて聞いたかのように大きなリアクションをとると相手は気分よく話し続けられる。

コミュニケーション力をさらに向上させる、ワンランク上のコツ

 コミュニケーション力の基礎となる、相手の本心を聞き出すための5つのコツを紹介したが、コミュニケーションをさらに向上させるために、ワンランク上のコツを5つ紹介しておきたい。

ワンランク上のコミュニケーション力 ①先入観を捨てる

 人の発言をそのまま受け取って分かった気になっていると、間違うことがある。「ガムを噛んで集中したい」という発言の「集中」はどのような集中か、リフレッシュ的なものなのか、リラックス的なものなのか、同じ言葉でも人によってその嗜好やリアリティが違うことがある。

 1つの言葉に対し、連想するワードを限界まで考え抜き、マインドマップをつくれるくらいになれば、多様な視点を持てるようになる。自分の先入観だけをもって言葉の意味を受け取らず、相手の視点になってみることがコツとなる。これができるようになれば、コミュニケーション力も格段に向上するだろう。

ワンランク上のコミュニケーション力 ②精神的価値を引き出す

 コミュニケーション力を格段に向上させるためには、相手から深い話を聞き出すことが重要となってくる。そのためには、相手の話す内容が、機能的価値を述べているのか、情緒的価値を述べているのかを見極める。「嬉しい」「悲しい」など相手が情緒的価値を語り始めたら、情緒の上位概念となる安心、幸せといった精神的価値の話を引き出していくことがコミュニケーション力を向上させるコツとなる。

ワンランク上のコミュニケーション力 ③深く聞き出したいとき

 それでは、そのように深いところまで聞き出したいとき、深く聞き出すためのコツがある。相手の話を聞き、情報を分析し、さらに質問をするという3つのプロセスを繰り返す中で、広がるような質問の仕方をするのがコツとなる。5W1Hだけでなく、「どんな気持ちになれるか」「どんないいことがあるか」といったような質問である。

ワンランク上のコミュニケーション力 ④もう一握りしたいとき

 相手の言葉の定義が曖昧なとき、コミュニケーション力の高い人は「それはいい意味? 悪い意味?」といったように相手の意図をきちんと確認する。率直な感想が聞きたいときは「ワクワクみたいな言葉で表現すると?」といったように擬音語、擬態語で表現してもらうのもコツとなる。

 相手の意図をもう一握り理解したいときに、具体的な表現をしてもらえるような質問ができるようになれば、コミュニケーション力は格段に向上したといえるだろう。

ワンランク上のコミュニケーション力 ⑤リアルな発言を求める

 ワンランク上のコミュニケーション力を目指すなら、相手がキレイな表現ばかりをしているときには注意しよう。「自分としてはどう?」「それは実現できると思う?」と相手を現実に引き戻す質問をすることで、相手のリアルな発言を求めるようにするのがコツだ。


 以上『モデレーター 聞き出す技術』からコミュニケーション力を向上させるのに役立つ、相手の本心を聞き出すコツをいくつか紹介した。本書はマーケティング調査専門のインタビュアー=モデレーターである著者がプロとしての聞き出すコツをまとめた一冊だ。

 コミュニケーション力に自信がない人はもちろん、そうでない人にとってもさらなるコミュニーション力を養うために十分に役立つ一冊となっている。ビジネスシーンではコミュニケーション力がものいう場面が多くある。仕事における専門的スキルや知識が足りない場面でも、コミュニケーション力さえあれば乗り切れることも少なくないはずだ。

 コミュニケーション力というと、範囲が広すぎて、それを磨こうにもどうしていいか分からなかった人もいるはずだ。本書を読めば、本心を聞き出すという具体的なコツを習得することができ、それがコミュニケーション力の向上のコツでもあるということが分かってくる。コミュニケーション力を向上させるために、ぜひ一度手に取って欲しい本である。


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