1. 【高齢者の貧困率ランキング】世界で4番目に高齢者に優しくない国・日本。その理由は?

【高齢者の貧困率ランキング】世界で4番目に高齢者に優しくない国・日本。その理由は?

by pedrosimoes7
 総務省の発表(平成25年9月15日の推計)は、日本における65歳以上の高齢者の人口は3186万人で、総人口に占める割合は25.0%となり、人口、割合共に過去最高となったと発表した。4人に1人が高齢者という現状を見ていると、日本の高齢化は歯止めが利かないことが分かる。

 今記事を読んでいるあなたも今はまだ若いかもしれないが、当事者となる日はそう遠くない。すると当然考えるのが、「自分が高齢者になったときに、日本は安心できる国なのだろうか」

 今回はOECDのレポートを基に、「高齢者の貧困率が高い国ランキング」を発表しようかと思う。高齢化が深刻な日本は、果たして世界的に高齢者保障の整った国なのだろうか。

高齢者の貧困率が高い国ランキング

高齢者の貧困率が高い国ランキング:第1位 「韓国」

by mariosp
 世界で最も高齢者の貧困率が高かった国は、日本のご近所さんでお馴染みの「韓国」である。韓国の高齢者の貧困率は49.6%に達しており、高齢者の約半数が貧困に陥っている。

 その最大の理由は「年金制度」にある。韓国では「国民年金」の加入率が非常に低く、韓国統計庁によると、15年5月時点で勤労者の国民年金加入率は68.9%で、残りの31.1%は年金未加入者である。さらに、低所得者層の加入率(月収10万円以下)の加入率は15.0%と異常に低く、年金格差が生じていることが分かる。また韓国は1988年に年金制度を導入したばかりの年金の歴史が浅い国もあり、積立金が多くないことも理由に挙げられる。このような年金制度の問題から、韓国は高齢者の貧困率が最も高い国として評価されたようだ。ちなみに年金制度の評価に関しても、世界主要国25カ国の中で24位と低い評価を受けている。(「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」)

高齢者の貧困率が高い国ランキング:第2位  「オーストラリア」

by Huhnbeauftragter
 続く第2位にランクインしたのは、 「オーストラリア」である。オーストラリアといえば、オペラハウスなどの世界遺産を多く抱え、自然に恵まれている豊かな国というイメージを持っているかと思う。しかしこれらのイメージとはかけ離れ、オーストラリアの高齢者の貧困率は35.5%と高い。筆者としては意外の結果であった。

 実はオーストラリアは、高齢者問わず国全体の貧困が問題視されている。福祉団体協議団体Australian Council of Social Service(ACOSS、オーストラリア社会福祉協議会)の報告書によると、国民の8人に1人が貧困水準以下の生活を強いられている。またオーストラリアは物価が非常に高く、失業者や年金に頼らざるをえない高齢者にとっては生活するのも困難という現状だ。

高齢者の貧困率が高い国ランキング:第3位  「アメリカ」

by wwarby
 高齢者の貧困率が高い国の第3位は「アメリカ」。アメリカの高齢者の貧困率は、21.5%である。

 アメリカはリーマンショック以降、「ゼロ金利政策」などの金利政策導入を行い、国全体の経済状況を良くしようという動きがあったので、この結果は意外と感じた人も多いかもしれない。しかしながらアメリカ国内では、富裕層と貧困層に2極化が進行し、その経済格差は広がる一方である。富裕層が先導する自治体は経済的に豊かになっている一方で、富裕層がいない自治体においては歳入が減り、公共サービスの削減が続いている。こういった深刻な経済格差が、高齢者の高い貧困率という結果になったのだろう。

高齢者の貧困率が高い国ランキング:第4位  「日本」

by TAKUMA KIMURA
 そして高齢者の貧困率が高い国ランキング第4位に入ってしまったのが、 我が国「日本」である。日本の高齢者の貧困率は、19.4%。 褒められるようなランキングであれば上位の結果は嬉しいものの、高齢者の貧困率の高い国で上位ランクインを果たしたところで全く嬉しくない。

 さて、日本の高齢者の貧困率が高い一番の原因は、韓国同様「年金制度」である。韓国の年金制度の評価は世界主要国25カ国の中で24番目と先述したが、日本の年金制度の評価は23位(マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング)。韓国の年金制度の問題は他人事ではなく、日本の年金制度も脆弱なのである。さらにこの評価を事細かに見てみよう。

日本:総合指数(44.1)、十分性(48.8)、持続性(26.5)、健全性(61.2)

 この数値の中でとりわけ注目してほしいのが、持続性26.5という数値である。これは諸外国と比較としても非常に低い数値であり、評価も最低レベルの「E」となっている。その理由は、少子高齢化に伴い公的年金の期待支給期間(平均余命と年金支給開始年齢の差)が長いからである。さらに少子高齢化が深刻化する日本において、公的期待支給期間は今後ますます長くなることが予想される。

高齢者の貧困率が高い国ランキング:第5位  「トルコ」

by D-Stanley
 高齢者の貧困率が高い国ランキング第5位は、「トルコ」である。トルコの高齢者の貧困率は18.4%。最近ではテロ事件の多発によって、何かと注目を浴びることが多くなったトルコだが、高齢者の貧困率の高さにも注目を浴びている。

 トルコでは公的社会保障が受けられない移民などが多く存在している。そのため貧困層の拡大は広がっており、とりわけ障害を持った人や高齢者などの社会的弱者に対しては、排除しようとする動きも見られている。トルコは現状、福祉国家とはほど遠い国である。


 ここまで「高齢者の貧困率が高い国ランキング」を発表してきたが、オーストラリアやアメリカなど、中には上位にランクインするのが意外だった国もあっただろう。しかしここで発表した国々は紛れもなく、高齢者にとっては住みづらい国なのである。4人に1人が高齢者になる日本が世界で4番目に住みづらい国というのは恥以外に何ものでもない。

 現在、日本においては「消費税引き上げ」や「軽減税率の導入」などの政策問題が取り上げられているが、今回のランキングを踏まえ、高齢者の国である日本において本当に優しい政策なのかどうか、今一度検討してほしい。また「政策などのニュースは自分とはほど遠い世界だ」と投げ出すのではなく、将来的に自分や次世代にも関わる重要なことだと自覚し、積極的に関心を持っていただきたい。

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