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一流仕事人の“気配り”を学ぶ『仕事ができる人はなぜハンカチを2枚持っているのか?』

Erika Muranaka

2016/01/28(最終更新日:2016/01/28)


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一流仕事人の“気配り”を学ぶ『仕事ができる人はなぜハンカチを2枚持っているのか?』 1番目の画像
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 仕事ができるようになるにはどうすればいいか、考えたことがあるだろうか? 『仕事ができる人はなぜハンカチを2枚持っているのか?』の著者はその極意は気配りにあると考えている。

 気配りは相手に好印象を抱かせ、人付き合いをうまくいかせるためだけのものではない。気配りをすることで、ビジネスパーソンとしてのランクを上げることができると著者は言う。なぜなら気配りによって他者を大切にし、他者を輝かせることで、自分自身が輝くことになるからだ。

 ビジネスパーソンとして清潔感を保とう、ごちそうになったお礼は2回しよう、挨拶は相手の目を見てしっかりしよう、こういった具体的なマナーとしての作法はよく耳にするし、実践している人も多い。しかしそれが形だけになってはいないだろうか。

 なぜマナーを守ることは気配りにつながるのだろうか。いや、気配りの心をもってマナーを守らなければ、ワンランク上の自己演出で輝くことなどできないだろう。

 『仕事ができる人はなぜハンカチを2枚持っているのか?』には、気配りのできるビジネスパーソンとして守るべきマナーが書かれているが、それだけで終わらない。そのマナーをどのような気配りの心を持って実践すべきかが書かれている。

 本書からその気配りの心、気配りをもって行うマナー作法をいくつか紹介してみよう。

ものへの気配り

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ものへの気配り:いつもハンカチを2枚持ち歩け

 著者はまず、気配りの実践の1つとしてハンカチを2枚持つことを勧めている。本書のタイトルにもなっているが、なぜハンカチを2枚なのか。それは常に他者のために1枚もっておこうという気配りなのである。

 ハンカチを2枚持っておくことで、人にハンカチを差し出す場面に出くわしたとき、自分が使ったヨレヨレのハンカチではなく、キレイなハンカチを渡すことができる。

 人にハンカチを差し出す場面に出くわすことは、そうそうないかもしれない。それでも、そんなときのための入念な準備をすることが気配りとなる。常に自分以外の他者に対する気配りを忘れないでいること。それこそが気配りなのだ。

ものへの気配り:傘を開いて渡す優しさをもて

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 相手の先の行動を読んで、ものを扱う。これも気配りである。少し面倒なことを相手にしてもらえると嬉しい気持ちになる。大雨の日の買い物帰り、両手に荷物。そんなときにお店の出口で傘を開いて渡してもらえたら、どんなにありがたいか。

 缶飲料の中にはプルタブが開けにくいものがある。女性は爪が長かったり、力が足りなかったりで開けにくさを感じることが多い。これをさっと開けて渡す気配りができれば、スマートである。

ものへの気配り:長財布でお金を大切に扱え

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 成功者・お金持ちと呼ばれる人たちは長財布を好んで使うようだ。ここにも実は気配りがひそんでいる。長財布はお金をキレイに持ち運ぶことができる。相手に渡すお金をキレイな状態にしておきたい。お金を大切にすることの中に、他者への気配りを忘れていないのである。

見た目への気配り

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見た目への気配り:ビジネスにおける服装は名刺代わりと心得よ

 自分の個性やこだわりを服装で主張すべきだと考える人もいるが、著者はビジネスにおいて服装は名刺代わりだと主張する。服装において何より大切なのは相手への気配りで、相手の頭にある職種のイメージ、ステータスが表現されていればいいのである。

見た目への気配り:清潔であることより清潔感を出せ

 清潔であることより清潔感が大事だというのも、自分がどうであるかということより、相手がどう思うかということを大切にするという気配りである。相手のよく目につくポイントは「元」だといわれている。目元、耳元、口元、首元、胸元、手元、足元だ。今のあなたはどうだろうか。チェックしてみてほしい。

見た目への気配り:横姿をチェックせよ

 相手からどう見えるかを大切にしなければいけないということは、自分がいつも見ている視点からだけのチェックでは足りないということである。実際、著者がビジネスセミナーで横姿を鏡で受講者に見てもらったところ、たいていの人がその場で姿勢を正すという。

 相手が自分を鏡で正面から見るように、まっすぐ見ている場面は意外と少ない。相手にどう映るかの気配りをするのであれば、横姿のチェックをおすすめする。

行動への気配り

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行動への気配り:締め切りの数日前に提出せよ

 仕事ができる人は締め切りを必ず守る。それもぴったりではなく、かなり早くに仕上げてくる。仕事の完璧さとスピードであれば、スピードを重視する。なぜなら、仕事のクオリティは自分が決めるものではないからだ。

 提出した先の相手がそのクオリィティを判断する。95%の完成度でギリギリに出されるのと75%の完成度でかなり早くに出されるのであれば、後者の方がありがたいことが多い。早めに出せば、意見をもらって手直しすることも、ブラッシュアップすることもできる。

 ほとんどの仕事は見せてそれきりというものではない。相手に対する気配りがあれば、締め切りより早く仕事を仕上げるのは当然のことなのである。

行動への気配り:挨拶は顔を見せてから頭を下げよ

 相手に挨拶をするときは、相手の顔を見てから落ち着いてすることだ。挨拶はマナーとして、ほとんどの人がしていることだ。しかしその挨拶を何のためにしているのか。マナーを守っているということを示すため、自分のためだけにしてしまっていないだろうか。

 仕事ができる人は気配りを忘れない。挨拶一つでも同じである。挨拶をすることで相手の心地よい一日の始まり、一日の終わりを演出するのだ。挨拶をただのマナーという形で終わらせてはいないだろうか。マナーというものも、本来は他者が心地よく過ごせるための作法である。気配りを忘れてしまったら、それはただの形式となる。 

行動への気配り:目上の人の前を通るときは身をかがめよ

 目上の人が横を通るときに軽く会釈をするか、身をかがめて通ることで品位が感じられる。映画館で人の前を通るときや、電車で奥の席に向かうときなどにも、こういった相手への気配りが感じられる仕草を見かけると、人として立派に見える。

 気配りとは相手のために自分が動き、奉仕することを厭わない姿勢である。その気配りの心を常にもっていれば、それは立ち振る舞いにも表れてくるのである。


 いかがだっただろうか。マナーとして知っていたこともあるかもしれないが、著者がなにより大切に考えているのは、そこにある他者に対する気配りである。重要なのは人の気持ちを考え、人が気持ちよく過ごせるようにする気配りだ。

 そのために、人を輝かせるような演出をする。キレイなハンカチを渡すことであなたは特別なのだ、あなたは大切にされて然るべき存在なのだというメッセージを伝える。その気配りによって自分も輝くのである。

 仕事ができるようになるために、気配りのできるワンランク上のビジネスパーソンを目指そう。そのためにぜひ本書を一読してほしい。



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