1. 癌を乗り越えて映画監督に。闘病生活から少年が紡ぎ出した「生きるため」のポジティブな言葉

癌を乗り越えて映画監督に。闘病生活から少年が紡ぎ出した「生きるため」のポジティブな言葉

出典:www.flickr.com
 アルベルト・エスピノーザは、スペインで現在最も注目されている映画監督である。彼は、14歳のときに癌を発症。10年間にわたる闘病生活を送った。癌を完治させた後、自身の経験に基づいたドラマや劇を精力的に発表している。

 アルベルト・エスピノーザが癌との闘病生活の中でポジティブに生きていくために発見した言葉は、少年の素直さと壮絶な経験に裏打ちされた重みがある。その中から私たちが生きていくうえでもポジティブになれる言葉を6つ、彼のエピソードとともに紹介しよう。

ポジティブに生きるための6つの哲学的言葉

①何かを失ったときにポジティブになれる言葉「失うのはいいことだ」

 癌で片脚を切断することになったアルベルト少年をポジティブにした主治医の言葉がある。それは脚のさよならパーティーを開くといいという提案だった。
 
  アルベルト少年はその提案を実行する。いろんな人を脚のさよならパーティに招いた。最初は雰囲気が重かったが、そのうち和んできてみんなが脚にまつわるエピソードを話したり、脚に触ったりした。そして最後に著者は二本脚で踊る最後のダンスをした。

 パーティの翌日脚は切断されたが、アルベルト少年は悲しくなかった。そして脚を失ったのではない、切断を獲得したんだとポジティブに考えるようになった。

 何かを失ったとき、「これは失ったんじゃない、喪失を獲得したんだ」と自分に言い聞かせる。そして喪に服すこと。じっくり時間をかけて、喪失によって得られるものを探すことでポジティブになれるとアルベルト少年の言葉は教えてくれている。

②問題に向き合うときにポジティブになれる言葉「30分後、問題解決力は高まる」

 闘病中、アルベルト少年は、よく病院にCTスキャンやX線検査の結果を取りに行った。検査結果が入った封筒には、がんの転移について書かれているのかもしれないので、ものの2分と経たないうちに封筒を開けずにはいられなくなっていた。しかし、アルベルト少年は、そのやり方はまずいと思うようになった。
 
 のべ50通もの封筒を受けとったころ、人生を変えるかもしれない情報にポジティブに向き合う完璧な方法を見出した。それは、30分間待って封筒のことを考えずに過ごし、どこか静かな場所で封を開けるというものだった。

 体と心を落ち着かせるために必要なのが、この30分という時間だ。重要な情報を受け取るとすぐに知りたいという衝動が体に居座って、そのせいで判断力を失う。でも30分後にはポジティブに起きたことを認識し、解決しようとする力が作用し始める

 この方法は良い知らせにも悪い知らせにも、軽率な反応をするのを防いでくれる。 大事な情報に向き合うときは30分待ってみることで、ポジティブに反応することができる。

③人生を振り返るときにポジティブになれる言葉「人生をつづったカルテをもとう」

 アルベルト少年はポジティブに生きていくために、人生のカルテをもつことをが必要だと気付いた。カルテを作る手順は、ファイルを用意し、毎日3〜4つずつ、その日に自分が幸せに感じたことを言葉にして書き留めるというものだ。日付と時間と場所と理由を記し、内容は幸せ以外のことでもいいが、ポジティブなことを選ぶ。
 
 そこに書かれている言葉、起こったことすべては人生そのものだ。折にふれてページを開けばポジティブになれる。何か問題が起こったら、カルテと向き合うことで解決策に出会えることもあるのだ。

④過去にとらわれたときにポジティブになれる言葉「変わっていく自分を恐れない」

 アルベルト少年のこの言葉の意味は、昔の自分も変わっていく自分と共にポジティブに認めようということだ。私たちは今の自分は昔の自分よりもっと賢く、昔の自分は未熟だったと考えがちだ。しかし今の自分と同じくらい、いやそれ以上にポジティブに過去の自分自身を信頼してみよう。

 そうすれば、もし過去の自分が判断を誤っていたとしても腹は立たないだろう。それは自分自身が決めたことで、熟慮した結果だからだ。昔の自分を今の自分が裁いていいはずがない。ポジティブに昔も今もありのままの自分を受け入れよう。アルベルト少年のこの言葉はそれを伝えている。

⑤怒り心頭なときにポジティブになれる言葉「怒った自分に耳を傾けよう」

 時々アルベルト少年と仲間たちは、病院でボイスレコーダーに向かって叫んでいた。それは研修医のアイデアだった。 ボイスレコーダーに腹の立つことをすべてぶちまけた。録音が終わると研修医は彼らの前でレコーダーを再生してくれた。これが痛快だった。叫ぶ自分、怒る自分は奇人そのものだった。

 すると、さっきまでこだわっていたことがどうでもよくなる。ポジティブになれるのだ。怒りのエコーには怒りを大したことではないと思わせる力、怒鳴ったりわめいたりすることがバカバカしいと教えてくれる力がある。

 ポジティブに生きるために、自分の叫ぶ言葉に耳を傾けてみるとスッキリして、ほかの人を怒鳴りつけたりすることはなくなるとアルベルト少年の言葉は教えてくれる。

⑥死の恐怖に向き合うときにポジティブになれる言葉「終わりを考えることは人生を考えること」

 人生には必ず終わりがある。死によって終わりが訪れる。それこそが、がんから学んだことだとアルベルト少年は言葉にしている。こうすればポジティブになって、死の恐怖はなくなるといったようなお手軽な言葉は存在しない。あるのは、こうしてみては?といういくつかのアドバイスと方法論だけだ。

 死について周囲とよく話し合うことは大切だ。言葉にすることなしに、死の恐怖はぬぐえない。自分の死について思いを巡らすのは欠かせないことだ。終わりを考えることは人生を考えること。この世で何をしたいかが具体的に見えてくることなのである。


 以上、紹介したポジティブになれる言葉や考え方は、アルベルト少年が14歳のときから10年間、病室で癌と闘う中、人生について深く考え、感じる中で発見していったものである。アルベルト少年がこれらのポジティブになれる言葉を発見したのは、10代、20代の経験がもとになっている。
 
 そのため、ここに紹介したポジティブになれる言葉はこねくりまわされた難しいものではなく、人生で幸せになるための素朴で本質的な言葉になっているといえる。ぜひ、これらのポジティブになれる言葉から学べることを実践してみてほしい。

U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう
この記事を報告する