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チームマネジメントを学び、明日からの仕事を変えよ。ドラッカーも唱えた「トップ・チームの作り方」

堀英俊

2015/12/07(最終更新日:2015/12/07)


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チームマネジメントを学び、明日からの仕事を変えよ。ドラッカーも唱えた「トップ・チームの作り方」 1番目の画像
出典:www.blinkist.com
   チームという単語を簡単に口にしてしまうが、マネジメントしているそのチームは真のチームと呼べるだろうか。集団行動=チームではない。多くの“チーム”と呼ばれる集団は、単なるグループでの集団行動をしてしまっているだけのケースが多いのではないか。では真のチームをマネジメントするには、どうすれば良いのだろうか。

 そもそもチームマネジメントとは何だろう。なぜチームという形が必要なのだろうか。ドラッガー「チームは道具である」「組織はうまくいけばいくほどチームを作る必要がある」という発言をしている。つまり、個人の成果には限界があり、その限界をチームであれば突破できるということを示唆している。そういったチームで仕事をする利点を導くことがチームマネジメントである。

 上記の条件を考えた際に、「共同作業」と「相互コミットメント」が、真のチームをマネジメントする上でのポイントになるだろう。なぜなら、個人で仕事をする上で存在しない過程であるからだ。

 共同作業とは単なる協力や協調という枠を超え、より革新的かつ生産的な成果をあげることである。相互コミットメントとは、チームの成果に対して各自が責任を持ちながら、チームにいる自分以外のメンバーにも同様に責任を求めることである。

 そういった真のチームを作るためのチームマネジメントのポイントを5つ紹介する。

マネジメント術⑴ :チームとしての目的と目標を共有する

 まず、真のチームマネジメントをする上で一番に行わなければならないのは、チームとしての目的と具体的な目標の設定、そしてその共有だ。

 チームマネジメントにおいて、チームのメンバーがそれぞれに目的と目標を持たせるだけでは成果にはつながり難い。チームとしての共通の目的と目標がなければ、それは単なる個人の集合体であり、あくまで個人の成果の枠を超えない。例えば、チームとしての目標を達成できていようがいまいが、個人の目標が達成できているから満足といったケースが起きてしまう。
 
 このように、チームマネジメントをしていくにあたって、メンバー個人の役割を割り振る以前に、チームとしての目的、目標を共有し、達成できなければ、それは連帯責任であるという意識を持たせることが重要なのである。

マネジメント術⑵:多様性の重視

 次に、チームマネジメントを行っていく際に気を使うべきことは、メンバーに対して多様性を求めることである。

 メンバーが同質性を持ってしまったならば、議論は生まれない。日本において、”場の空気を読む”ということは良しとされるケースが多いが、チームで仕事をするといった際には不要である。それでは個人の考えに変化は生まれない。決定までは素早く進むことができるだろうが、それでは、単なるグループ作業ということになるだろう。それで良いのであれば、チームマネジメントをする必要はない。

 チームマネジメントする時、チームで個人の成果のを超える革新的な成果をあげようとするならば、メンバーには多様性を重視させた方が、多様な意見やアイデアが出やすくなり、チームとしての共同作業の意義が生まれ、より革新的な成果につながるだろう。

マネジメント術⑶:情報の共有

チームマネジメントを学び、明日からの仕事を変えよ。ドラッカーも唱えた「トップ・チームの作り方」 2番目の画像
出典:evenesis.com
 続いてチームマネジメントを行う上で欠かせないのが、情報の共有である。先に述べた目的と目標の共有ができていても情報の共有をしていないケースが多い。

 確かに、チーム内でそれぞれの役割があり、必要な情報はそれぞれメンバーごとに異なるだろう。しかし、情報が共有できていなければ、他人に意見や助言を求めることもできず、個人作業となってしまい、「相互コミットメント」という形にも至らない。
 
情報が共有できていれば、チーム内の他のメンバーから適切な意見や助言を受けやすくなり、チームでの仕事のメリットも受けやすい。このようにチームマネジメントしていく中で、情報を共有するということで、チームマネジメントする上で重要なチームとして、チームの責任で仕事をしている意識を持たせる「相互コミットメント」、個人を超えた革新的な成果につながるの「共同作業」となるのである。

マネジメント術⑷:メンバーに議論を積極的にさせる。

 チームマネジメント2つ目のポイントで、多様性を重視することを挙げた。その上で起こってくるのが意見の対立だ、その場合は積極的に議論を推奨すべきである。

 この議論の中で、個人を超えたチームの革新的な考えが生まれる。意見のぶつかり合いの中で、単なる二者択一になるのではなく、両立できる部分が見つかる場合がある。また仮に二者択一になったとしても様々な観点からの意見であれば、個人では発見できないよりベターな選択をすることができるのだ。

 そのため、チームマネジメントをしていくにあたっては、チーム内の意見の対立は悪だという考えは捨てて頂きたい。積極的に議論させ、チームとしての革新的な成果につなげてほしい。

マネジメント⑸:細かい期限の設定

 5つ目に、チームマネジメントで上記の4つのことについて意識して、チーム仕事をしていくにあたって注意しなければならないのが期限だ。多様性を重視し、議論が多く行っていくのは、当然個人で行う仕事よりも時間がかかる。期限がある仕事であれば、それが革新的な成果につながりうるものであっても、期限を過ぎてしまってはナンセンス。

 そこで、チームマネジメントを行う際に、チームとしての目標、目的を達成する上で、絶対的な期限を決め、さらにそこから逆算して細かな期限を設定すべきである。いかに議論が続きそうでも、チームリーダーがそれぞれ期限内でそれまでの議論を踏まえてベターな選択をしなければならない。

 議論は推奨するが期限を必ず守ること、また、期限を超えたあとは過去の議論を振り返らないといったようなルールを序盤で設定するのが良いだろう。それぞれのフェーズで、議論する時間をしっかり確保できる期限設定をすることが期限内でチームとして成果を出すためのマネジメントポイントだ。


 いかがだろう、チームマネジメントをする上で、また、所属するチームにおいて、上記の5つのポイントがおさえられているだろうか。欠けていればそれはチームして仕事をしているのではなく、グループ作業になってしまっているかもしれない。

 今後チームマネジメントする立場になった際は、上記の5つのポイントを意識して、メンバーがチームの意識や責任を共有すれば、個人を超えた革新的な成果につながるだろう。

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