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ホリエモンとCA藤田晋が漫画アプリの未来を大激論!――「無料サービスでは、上手くいかない!」

野口直希

2015/12/21(最終更新日:2015/12/21)


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   ホリエモンこと堀江貴文が、自身のメルマガに寄せられた質問に答えるYouTube番組「ホリエモンチャンネル」。「堀江貴文のQ&A vol.577〜無料マンガアプリは厳しい!?〜」では、ホリエモンと株式会社サイバーエージェント(CA)代表取締役社長 藤田晋氏が、いま話題の漫画アプリ業界について大激論を交わした。

  今回取り上げた質問は、「最近comico、マンガボックス、マンガ読破、­GANMA等、無料でマンガを読めるアプリが急増していますが、彼らは一体どのように­マネタイズしてるのでしょうか。単行本を売る等、結局既存の出版社とやっていることも変­わらないと思うのですが、堀江さんならアプリならではのイノベーションやマネタイズをどのように展開しますか?」という質問。

ホリエモン「漫画アプリの強みは、作者とファンをつなげやすいこと!」

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  ホリエモンは、「アプリならではといえば、紙では制限があるカラー化ができるね。あと、漫画家にファンを紐付ける試みも可能。人気漫画家でファンのピラミッドを作り、上に行くに従って課金額が増える感じ。例えば実際に会えるとか原画をもらえるなど、サロン的な動きも可能だと思う。

 今は出版社が全然データを紐付けていないし、雑誌が売れなくなっているので、人気マンガの新刊発売を知るすべがないよね。そのような取り組みは、現在立ち上げ中の『マンガ新聞』という会社でやっていきます」と回答。
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  ホリエモンの回答では、漫画アプリの強みは紙面では制約がかかるカラーなどの表現が可能なことと、作者とファンをつなげる施策がやりやすいことの2つが挙げられている。マネタイズで有効なのは、後者の施策だろう。

 例えば、最近知名度を上げているオンラインサロン「Synapse」のように漫画家ごとにファンコミュニティを作るのも有効な方法。月額でファンから会員費を徴収すれば、ダイレクトに漫画家の活動を応援することができる。

 この会員費を月額500円コースと5000円コースなどいくつかのランクを設定し、ランクによってもらえる特典が変化するというのが、ホリエモンがいう「ファンのピラミッド構造」だ。これなら漫画家をどの程度応援するかをファン自身が決定することができ、漫画家には原稿料以外の定期収入が入り執筆を続けやすくなる。

 既存の漫画アプリでは、アプリ上での感想の投稿やいいねボタンのような機能で作家を応援することができる。これを進化させて、ファンと作家のやり取りをさらに密にしてマネタイズにもつなげるのがホリエモンのアイデアだ。

無料アプリではマネタイズは難しい!?

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 一方でホリエモンは、「comicoやマンガボックスは、まだまだマネタイズがうまくいってないんじゃない?」と既存の無料漫画アプリの未来はあまり明るくないと考えている。

 無料をアピールすることでユーザーの規模を大きくしてから、広告などでマネタイズするのが無料漫画アプリの当初の狙いだったはず。藤田氏は、「アプリが乱立しすぎちゃったせいで(ユーザーが分散しているので)個別にマネタイズしないと厳しそうだよね」と現状を分析している。

 ホリエモンは、ゲームアプリと同じで漫画アプリもユーザーを無料から有料に導かなければいけないが、現在はそれが成功していないと考える。たしかに、「有料会員なら先読みができる」と謳っても多くのユーザーは一週間くらい我慢しようと考えてしまうだろう。
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 ここで藤田氏は、実はCAも漫画業界に参入していると話す。CAの100%子会社 株式会社Book Tableが手掛けるスマホ専用女性向けマンガサイト「読書のお時間です」は、藤田氏によれば月間1億5000万円近くを売り上げ、月間黒字化も達成している

 CAの意外な成功に、ホリエモンも「知らなかった」と驚きを隠せない様子。「読書のお時間です」は作品の途中までは無料だが、それ以降からは有料が必要になる従来の課金形式。この経験から藤田氏は、「適切な規模で課金させて、適切な規模で利益を出すことはできるはず」と考えている。
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 これとは違って、基本無料を謳う現在の無料漫画アプリはかなりのユーザーを獲得して、さらにそれを何らかのマネタイズに接続させなければならない。先程も見たように、この移行は難しいというのが二人の見解だ。

 アプリならではのマンガサービスはまだまだ発展途上で、マネタイズの可能性もいくつか見えてきた。無料にしてユーザーを囲むという単純なフリーミアムアプリの手法を脱していくのが、これからの流れなのかもしれない。

 ホリエモンと藤田晋が漫画アプリの未来をを語った「堀江貴文のQ&A vol.577〜無料マンガアプリは厳しい!?〜」。動画が見たい方はこちらからどうぞ!



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