1. 日本人よ、これが韓国式の働き方だ。サムスンが持つ“企業としての強さ”:『韓国エリートの仕事術』

日本人よ、これが韓国式の働き方だ。サムスンが持つ“企業としての強さ”:『韓国エリートの仕事術』

by Jami3.org
 「サムスン」。韓国企業の中で最も有名な大企業であろうサムスンは、製品の安さとユーザー納得のハイ・クオリティーで、アジアを代表する企業ともなっている。なぜサムスンは世界で戦うことのできる企業に成長したのだろうか? サムスンで仕事をするエリートと、日本のエリートの違いは一体何であろうか?

 本書『サムスンで働いてわかった 韓国エリートの仕事術』は、日立製作所に10年半勤務したのちに、約13年間サムスンで働いた著者が感じた「日本企業と韓国企業の違い」を分かりやすく解説したものである。今や日本のライバルで、何かと接点のある韓国企業を理解するにはもってこいの一冊だ。

 今回は、サムスンで働くエリートと日本のエリートとの違い、そして、サムスンのめまぐるしい成長の理由(ワケ)をかいつまんで紹介したい。

サムスンのエリートは“国際化”重視

by KniBaron
 日本企業と韓国企業(サムスン)の大きな違いは、やはり国際化に対する意識である。韓国はもともと市場は小さいため、輸出に依存しなければならないという現実がある。人口も日本の半分であり、韓国が日本より国際化を意識することは当たり前なのである。

 国際化を常に意識しなければならないサムスンでは、TOEICのスコアもエンジニアは700点以上、技術職以外は800点以上とハイスコアを要求される。出世をするにはどの部署であっても、TOEICスコアは必要不可欠な要素なのだ。

 また、サムスンは社内で国際人材の育成を行っている。「人力開発院」という部署を設置し、次世代のリーダーを開発する教育が盛んだ。このように、英語を話せる人材を集めていったり、育てていったりすることでサムスンは国際市場での生き残りを図っていると言える。

サムスンのエリートは“ストレッチゴール”を設ける

 著者曰く、サムスンでは仕事における「計画」や「目標」の持つ意味が日本とは異なるそうだ。「どう考えてもこの仕事をこの通りに進めることは無理だろう」というような目標が常に掲げられ、サムスンでこれは“ストレッチゴール”と呼ばれている

 ここでそんな“ストレッチゴール”というものについて説明しよう。ストレッチゴールとは、現状の技術だけでは解決し得ない課題(仕事)に対し、新たな技術を導入することを前提とした目標設定の方法のことだ。

 この“ストレッチゴール”を採用しているサムスンでは、目標が高くなることは自然であり、未達であることも自然であるのだ。もし実現可能な範囲で目標設定をすると、上司に目標の再設定を要求されてしまう。

 サムスンは、“ストレッチゴール”を採用しているため、目標というものがフレキシブルであり、「できると思ったらやってみて、違ったらそのときに直せば良い」と考えているようだ。これもまた日本企業との違いと言えるだろう。

サムスンのエリートは戦い続ける

 著者は、サムスンで働いて最も印象が残ったことのひとつに、「同じ研究が3つの部署で行なわれている」ことを挙げている。同じ研究を複数の部署で行うことは一見効率が悪く、資金の無駄遣いのように見えてしまうが、実はそうではない。

 同じ研究が複数の部署でなされていたら、当然社内で部署同士の競争が起きる。競争が起こると、もちろん研究のペースが上がる。研究のペースが上がると、技術レベルも徐々に上がってくる。技術レベルが上がったところで、他の部署と統合し、マンパワーを集結させる。

 社員にとっては厳しい環境かもしれないが、韓国人は競争を好む傾向があるため、その傾向が社内にも色濃く反映されているといえよう。サムスンのエリートはサムスン社内の競争をし、その結果サムスンは韓国国内で勝ち残り、世界で勝ち残ることができるのだ。


 サムスンという企業の成長の裏には、サムスンで働くエリートが成長した環境、つまり韓国という国の文化が根付いていると言えよう。

 とはいえ、これからの世界規模の競争化経済において、文化がどうのこうの、なんて言い訳は通用しない。そんなことを言っていては、日本の大企業もあっという間に世界経済から取り残されてしまうだろう。国際社会で勝ち続ける企業になる・在り続けるには、日本の企業もサムスンのような企業体制を取り入れるべきなのかもしれない。

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