1. ビジネスで“使えるMBA”とは?――マンガでわかる『MBAの超基本』

ビジネスで“使えるMBA”とは?――マンガでわかる『MBAの超基本』

 MBA(経営学修士号)と言えば、キャリアアップを目指すビジネスパーソンが真っ先に思い浮かべる言葉ではないだろうか。「やりたい仕事ができる部門に異動したい」「もっと責任あるポジションで仕事をしたい」「仕事の効率を上げ、今以上に仕事もプライベートも楽しみたい」といった思いを抱いてMBAの取得を検討している方も多いだろう。

 書店に足を運んでみると、MBA関連の書籍は増え続けているし、国内最大のグロービス経営大学院の入学者数は右肩上がりに伸び続けている。MBA人気は、こうした数字にも表れているようだ。しかし実際のところ、「MBAでどのようなことを学び、仕事にどのように活かすことができるのか」、イマイチ具体的なイメージが沸かないという人も多いのではないだろうか。

 今回はそんな人のために、『マンガ 日本最大のビジネススクールで教えているMBAの超基本』という書籍を参考に、MBAで学べる内容を紹介しよう。

 ちなみにこの本は、タイトルにある通りMBAの授業の様子や学生生活をマンガで描いているため、イメージが沸きやすくオススメだ。加えて本書は、著者の母校であるグロービス経営大学院が監修しており、ビジネスにすぐに活かせるスキルも数多く紹介されている。

「クリティカル・シンキング(論理思考力)」を鍛えることからMBAでの学びは始まる

クリティカル・シンキングという科目は、「ビジネスにおける頭の使い方の当たり前の原則」というのを、反復トレーニングすることを通じて、それが「無意識にできるようになる」ことを目指します。

出典:Amazon.co.jp: マンガ 日本最大のビジネススクールで教えているMBA ...
 MBAプログラムで学んでいくうえで必要不可欠なスキルとなるのが、「クリティカル・シンキング」。一般的に日本人が苦手とする論理思考力を高める科目だ。「クリティカル・シンキング」とは、直訳すると「批判的思考」になるが、「批判的」という言葉の意味合いは、他者を批判することにあるのではない。グロービス経営大学院では自分の思考に対して批判的な目を持ち、考えの偏りや考慮すべきことの抜け漏れをできる限り減らしていくための思考法と位置付けている。「クリティカル・シンキング」を実践できるようにならなければ、この先に待ち構えている様々な科目の授業のスピードや議論についていくことは難しい。そういった意味で、グロービスでは、数多くある科目の中で最初に受講することを推奨している科目となっている。

 最初に受講することを推奨している理由は他にもある。それは、多くのビジネスパーソンの問題解決や意思決定、コミュニケーションが勘や経験則に頼り切っているからだ。決して勘や経験則が役に立たないわけではないが、これらを頼りにしていると、環境変化やこれまで直面したことのない問題に適応できず、客観性の低い独りよがりな決断を下してしまうことが起こってしまう。こうした課題を乗り越えるために、まずは「クリティカル・シンキング」を学ぶことをすすめているのだ。

 それゆえ、「クリティカル・シンキング」を受講した社会人たちは、「ビジネスパーソンとしての新たな幕開け」といったことを口にするらしい。かなりインパクトがある科目のようだ。


 さて、ここからは、MBAプログラムで学ぶ内容のほんの一部を紹介していこう。

“フワッ”とした言葉に騙されるな!  「ビッグワード」を避ける

本当に大事なことは、(中略)「自分が伝えたいことを、誰にでも分かる平易な日本語で表現できること」であり、その結果として「相手から共感を得ることができるようになること」です。

出典:Amazon.co.jp: マンガ 日本最大のビジネススクールで教えているMBA ...
 ビジョン、コミット、バリュー……会社に入ってからというもの、これらのような横文字を聞く機会は多い。「会社が掲げているビジョンに対して、もっと自らのバリューをコミットさせていこう!」なんて言われた日には、頭の中が「???」というひとも多いだろう。

 これらの横文字は、グロービスでは「ビッグワード」と呼ばれ、話を抽象的にしてしまうという理由からなるべく使用しないほうがよいと言われている。ビッグワードを用いてしまうと、自分が伝えたい内容と相手が受け取った内容とに齟齬が生じてしまう可能性が高まることは想像がつくだろう。

 もし自分の頭の中にビッグワードが出てきた際には、いったん立ち止まって、その言葉をどういった意味合いで用いようとしているのかを考え、具体化しよう。これを実践するだけで、あなたのコミュニケーション能力はぐっと上がるはずだ。

「もっと」「しばらく」「できるだけ」も禁止!

 ビッグワードが必ず横文字なのかと言われると、そういうわけでもない。日ごろ当たり前のように用いられる形容詞「もっと」や「しばらく」などもビッグワードに該当する。「もっと頑張ります!」と意気込まれていても、費やす時間を増やすのか、それとも作業効率を上げるのか、今よりも「もっと頑張る」手段は様々だからだ。「しばらく時間をください」も、今日中なのか、明日中なのか、今週中なのか、今月中なのか。人によって受け取り方は変わってくるだろう。

 もしあなたがこれらの言葉を聞いたときは、「その言葉の意味合いは何ですか?」と具体的な内容を確認しよう

おカネの価値は時間で変わる?  「時間価値」という考え方を知る

もし皆さんが経営者や役員に対して何らかの意思決定を求めるような機会が出てきた場合、このカネ系に関する知識の欠如は致命的になります。なぜならば、経営層が何かを意思決定する場合、カネに関することを無視して意思決定することはないからです。

出典:Amazon.co.jp: マンガ 日本最大のビジネススクールで教えているMBA ...
 多くのビジネスパーソンは、会計やファイナンスの分野に苦手意識を持っているだろう。特にファイナンス領域は、知識がまったくない人も多いのでは。こうしたおカネにまつわる考え方は、多くの社会人にとっては日ごろ使うことがほとんどないこともあり、「私には必要ない」と感じている人も少なくない。しかし、いざ経営層に意思決定を求める立場になった際には、会計やファイナンスの観点がなければ、説得力ある提案はできないだろう。

 ところで、おカネの価値は「時間」で変わるという考え方をご存知だろうか。為替や株のような値動きという意味ではない。

 少し考えてみてほしい。あなたは以下の2つの選択肢のどちらを選ぶだろうか。

①100万円を今日もらう
②100万円を1年後にもらう

 おそらく、なんとなく①を選ぶ人が大半だろう。しかし、それがなぜかを分かりやすく説明ができる人は少ない。MBAプログラムで必ず学ぶファイナンスの世界では、「今日の100円は、明日の100円より価値がある」という考え方がある。そう、①が賢い選択であることに間違いはないのだ。ではなぜ、①のほうが価値のある選択だと言えるのだろうか。

 この判断の背後に「時間価値」という考え方が用いられているのだ。今100万円をもらったとして、それを利率10%の銀行に預けておく。すると、もともと100万円だったものが1年後には110万円に増えている。少し極端ではあるが、これが「時間価値」の考え方である。

 苦手意識のあるおカネ系の科目も、日頃用いている考え方とは異なるため、ファイナンスの面白さに目覚める人も少なくないようだ。

グラフを読めるビジネスパーソンたれ!  数字の読み方を学ぶ

ビジネススクールで学ぶ大きなことの一つに、数字を通じてビジネスに対する理解を深める力を身につける、そして数字を活用する力を身につけるということがあります。(中略)数字をうまく使うことができれば、言いたいことの説得力が上がります。聞き手の理解を促進することもできるはずです。

出典:Amazon.co.jp: マンガ 日本最大のビジネススクールで教えているMBA ...
  上の図を見てみよう。大抵の人は赤い丸で括られた部分を「外れ値」として、「商品の値段」と「商品の質」には相関関係にあると考えるだろう。しかし、ここで思考を止めていては、ビジネスパーソンとしてのバリューは上がらない。相関があるということは、誰でも思いつくことだからだ。

 MBAプログラムには「定量分析」や「統計学」といった数値分析の科目が存在するが、こうした科目を学ぶと、今回のような「外れ値」をすぐに無視するのではなく、「これは何を意味しているのだろう」と考えるようになる。今回の例だと、値段が安いにも関わらず、質の高い商品があることを示しているから、例えば「なぜこういった商品の実現ができたのか?」と疑問が浮かび、これらの商品を詳しく調査したくなるだろう。

 MBAプラグラムで学ぶ価値は何か。それは、隣にいる同僚とは違った視点で物事を考えることができるようになることとも言えるだろう。


 MBAに対して、自分には遠い存在と思っていた方も、ここまで読んで、身近な存在だと感じていただけたのではないだろうか。

 ここで、かんべ氏がMBA入学時を振り返ったときの言葉を紹介しよう。

「あの時の決断は、本当に自分の人生を変えました」

 MBAの超基本を知って、もっと深く「経営」を学んでみたいと感じた方は、ビジネススクールに通うことを検討してみてはいかがだろうか。あなたが活躍するビジネスパーソンになりたいのであれば、実践性を何よりも重視するグロービスで学ぶことが、あなたの人生を変えるひとつのきっかけとなるかもしれない。


U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう
この記事を報告する