1. 革新の90%はHowの革新! Googleも舌を巻いた『LINEを生んだNAVERの企業哲学』

革新の90%はHowの革新! Googleも舌を巻いた『LINEを生んだNAVERの企業哲学』

by microsiervos
 無料通話・メールアプリ「LINE」。このアプリは今やスマートフォン利用者には、欠かせないコミュニケーションツールになっている。この現象は日本だけでなく、全世界で起きているようだ。2年前の2013年には、LINEの利用者数が全世界で1億人を突破するというリリースを出しており、2015年7月には4.9億人を突破している。

 LINEの親会社は韓国のNext Human Network(以下NHN。ネイバーコムという会社を母体としている)であり、NHN JapanがLINEを開発、リリースした。またLINEのサービスの成長に伴い、ゲーム事業はNHN Japanが担い、プラットホーム事業はLINE株式会社が担当することとなった。本書は、韓国NHNの側から、LINEの大成功に至るまでの企業の成長を分析している。

 今回はNHNにおける、社内の迅速な意思決定と組織づくりにフォーカスを当てて紹介したい。

LINE成功の秘密その1:平等な組織作り

 Apple社のスティーブ・ジョブズ氏は、ある意味独裁的で孤高のカリスマというイメージで、数々の商品を成功に導いた。一方、LINEの成功は誰かのカリスマ性に依存しているわけではない。それはNHNの創業者、イ・へジン自身がこう述べているからだ。「メンバーを力で圧倒するような経営者が賞賛されるのは間違っている。メンバーのみんなが出した結論、みんなの合意を尊重できる人物が優れた経営者なのだ。」

 この言葉は、イ・へジン自身の性格からくるものでもあるだろうが、彼自身の経験からも来ている。かつてあるベンチャー企業との合併をした際に、事案の重要性を勘案して、社内メンバーと一切事前協議を行わなかったことがあるそうだ。結局その合併は社内の反対で交渉決裂。彼は組織的合意形成の重要性を痛感した。

 そのような失敗のおかげで、現在のNHNは責務の重さによって肩書きを分けてはいるが、実際には対等な関係であるということを大切にしている。イ・ヘジン氏は、社内の合意が成功の要素であると理解し、何よりも大切にするのだ。

LINE成功の秘密その2:戦略委員会を設置

 LINEの親会社NHNは、意思決定システムに戦略委員会の「集団ディスカッション方式」を採用している。韓国人で構成される取締役会とは別に、戦略委員会には日本、中国、アメリカ法人の代表が加わり、さらに人事なども巻き込んで取締役会より先に戦略を事前決定するのだ。

 戦略委員会は、最低でも四半期に一度はグローバル戦略会議を開き、自由闊達に議論を行っている。この会議は方法も形式も決まっていないが、最重要な案件と必ず出席が必要なメンバーのスケジュールは考慮して日程が組まれている。

 日本法人の事業戦略の重要事案もこの戦略委員会で行われており、NHNの成功には欠かせない意思決定機関なのだ。

LINE成功の秘密その3:意思決定のスピード力

 ベンチャー企業は基本的に、意思決定のスピードが早いと言われているが、NHNもまたそうである。戦略委員会を先ほど紹介したが、そのような集団での意思決定体制を維持できるのは、各担当者を専門家として扱い、信頼をおいているからである。

 NHN側曰く、「各自の個性と長所を生かし、各部門の責任者に権限を持たせて、会社の未来とビジョンを共有しようというのがNHN共同経営大勢の核心だ」そうだ。

 このように、今やアジアを代表する大企業に成長した今でも、個人を大切にし意見を尊重する姿勢「ベンチャーの精神」が根付いているのがNHNなのだ。


 韓国は、今やIT大国となっているが、その分競合も多い。実際、LINEはカカオトークほど韓国では普及していない。日本では圧倒的なシェアを伸ばしているがが、韓国と海外ではまだ成長の余地が残されている。

 このように問題は山積みではあるものの、日本に「LINE」というコミュニケーションツールを根付かせた企業の秘密をもっと知りたい方は、ぜひ本書『LINEを生んだNAVERの企業哲学』を手に取ってみてはいかがだろうか。

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