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大人の男の嗜み「ドン・ペリニヨン」とは:〈ドンペリニヨン 2005〉でドンペリの魅力を刮目せよ

大倉怜士

2015/11/07(最終更新日:2015/11/07)


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by dalecruse
 大人の男だけに許されたシャンパーニュ「ドン・ペリニヨン(Dom Pérignon)」。俗にドンペリとも呼ばれるシャンパーニュの一種。夜の世界・キャバクラとセットで考えられがちなドンペリだが、このシャンパーニュは「ただただ高い」というだけではない。ドンペリとは長い歴史の中で生まれた史上最高のシャンパーニュなのだ。

 大人の嗜みと目されるドンペリだが、皆様は「ドンペリとは」という問いに正確な答えを出せるだろうか? ドンペリを嗜む者には、ドンペリの本当の価値を知っていてほしい。まだ、ドンペリの味を知らぬ者には、ドンペリの真価を知ってほしい。

大人の男の嗜み「ドン・ペリニヨン」とは。

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by karitsu
 大人の嗜み「ドン・ペリニヨン」。まずは、「ドンペリとは」という疑問に対して、デキる大人の男なら知っておきたい情報をピックアップしてお伝えしていこう。

 ドン・ペリニヨンとは、フランスのモエ・エ・シャンドン(Moët et Chandon)社によって生産されるシャンパンの銘柄。俗にドンペリとも呼ばれる。モエ・エシャンドン社はフランス最大級のシャンパン製造会社で、その創業は18世紀半ば、1743年にまで遡る。時のフランス国王はルイ15世。国内ではルソーやヴォルテール、モンテスキューなどが啓蒙思想を謳っていたころの話だ。

 そんなご時世にフランスで創業したモエ・エ・シャンドン社。創業にすると今年で272年にもなる。今では1500エーカーものぶどう畑を所有し、毎年200万ケース以上のシャンパンを出荷するという一大シャンパン企業となっている。

 しかし、今はこのモエ・エ・シャンドンがドンペリの父と勘違いされがちになっているが、その認識実は誤り。ドンペリとは一人の男によって生み出されたシャンパーニュなのだ。その人物こそが「ドン・ペリニヨン」という修道士その人なのだ。

ドンペリの父「ドン・ペリニヨン」

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by ltdan
 数あるカトリック協会の中でも、最古と謳われる協会をご存知だろうか。それがベネディクト協会という協会で、日本人にはあまり馴染みがないだろうが、今でも活動を続けている最古のカトリック教会だ。創設は6世紀にまで遡る529年。

 そんなベネディクト協会の修道士。それこそがドン・ペリニヨンその人であり、ドンペリという名前の由来そのものであり、ドンペリの父でもある。「修道士がドンペリの父ってどうなのよ……」という疑問は拭えないが、彼も立派な修道士のひとり。

 彼は世界最大のシャンパン産地であるフランスのシャンパーニュ地方の生まれ。その事実が彼をシャンパン作りへと突き動かし、シャンパンの完成に生涯を捧げ、ひいてはドンペリという世界最高峰のシャンパンが生まれることに繋がった……、

 という説明。実は間違いなのだ。確かにシャンパーニュ地方は「今では」シャンパンの生産地だ。だが、ドン・ペリニヨンが生まれた時、(現在のような)シャンパンはまだ完成の呻きをあげておらず、実はドン・ペリニヨンはドンペリの父であるよりも、シャンパンの父だったのだ。

ドン・ペリニヨンの真実

 つまり、現在のようなシャンパンの形を作った張本人。それがドン・ペリニヨンという修道士であり、今この世界に存在するシャンパンの源泉に流れるのは彼の血、ということになる。

 ちなみに、「ドン・ペリニヨンを作ったのはドン・ペリニヨンという修道士だったんだよ〜」なんて知恵自慢を女性相手に言ってはいけない。それは間違いだからだ。ドン・ペリニヨンという男は、あくまでシャンパンの父であり、実のところ彼はドン・ペリニヨンというシャンパンを作った人物ではないのだ。

 ドン・ペリニヨンという名前は、この修道士が亡くなった後に、彼の功績を讃える形で名付けられたものに過ぎない。ドン・ペリニヨンの他界後、彼が一生を捧げたオーヴィレール修道院とブドウ畑をモエ・エ・シャンドン社が所有し、同社がドン・ペリニヨンの商標権を獲得することになる。そして、1921年のヴィンテージを1936年に"ドン・ペリニヨン"として世に出したのが、本当のドンペリの誕生なのだ。

 ということで、ドンペリの中に流れているのは確かにドン・ペリニヨンという修道士の血だが、「ドン・ペリニヨン」と命名したのは彼ではない。ドンペリとは、世界で一番最初にシャンパンを作った男を讃える形で生まれたシャンパンなのだ。

〈ドン・ペリニヨン 2005〉で見るドンペリの真価

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by FlackJacket2010
 正確には、1936年に誕生したシャンパーニュ「ドン・ペリニヨン」。その味わいに関しては、もちろん個人差がある。そして、その味わいというものは筆舌に尽くし難いというのが正直なところ。

 かつてフレンチのグランメゾンでメートル・ドテルを務めた経歴を持つ広見護氏は、経済誌・Forbesの記事中で〈ドン・ペリニヨン 2005〉というヴィンテージ・シャンパーニュとパドロン・ファミリーリザーブNo.50というシガーに関して、このように述べている。

 この店でドン ペリニヨン ヴィンテージ 2005のグラス1杯の価格は5,500円であり、パドロン・ファミリーリザーブNo.50の価格は1本5,000円である。

 札束を丸めて燃やしているようなものだと思う人もいるだろうが、私はどちらもちっとも高いとは感じなかった。すべてがパーフェクトで、内容を考えたら安い買い物だ。
 
 偽物だらけの世の中で本物と対峙するとき、シャンパーニュであれ、葉巻であれ、その一本から何か真実のようなものが見えてくる気がする。

 つまるところ、シャンパーニュを飲んでいる間は、フランスのシャンパーニュ地方へ1時間の小旅行をしたようなものだ。

出典:酒の百科事典 ドン ペリニヨン ヴィンテージ2005 | Forbes JAPAN ...

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by Schlüsselbein2007
 人は常に自分が「本物の現実」と向き合ってると思っている。しかし、それは本当に「本当の」現実なのだろうか。現実といえど、所詮は人間の主観が混じった思考の捉え方に過ぎない。目の前の現実は事象としてそこにあるものの、それを「どう理解するか」という点は、その主観者であるあなたの思考に依存する。

 それに対して、時間は嘘をつかない。ひとりの男が盲目になりながらも、障害をかけて追求し、完成させたシャンパン。その後も彼の思いに打たれた人達が更なる発展を遂げたシャンパーニュ「ドン・ペリニヨン」。培ってきた歴史が、そのドンペリというシャンパンの中には刻み込まれている。本当の現実を思い返させてくれる本当の時間というものは、ドン・ペリニヨン ヴィンテージ 2005と共にある。ぜひ、その真価、ご自身の舌で、目で、鼻で、脳で感じてみて欲しい。


 大人の男だけに許されたシャンパーニュ「ドン・ペリニヨン」。夜の街で飲む高いだけのお酒という認識は、もう既に皆様の頭の中にはないはず。ドン・ペリニオンとは大人の男「だからこそ」楽しんで欲しい至高のシャンパーニュなのだ。

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