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「ビジネス小説」から始める、この世の理(ことわり)。手始めにおすすめしたい6冊のビジネス小説

蓮見彩

2015/11/23(最終更新日:2015/11/23)


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 ビジネスの知識を深めようとビジネス誌やビジネス本に手をつけたはいいものの、難しすぎて思考停止状態。そんな人には、比較的に読むハードルの低いビジネス小説から手をつけることを勧める。

 「ビジネス小説」は、自分とはかけ離れている職種の裏話が分かりやすく、かつ面白く描かれているので、難しいビジネス用語や内容をすんなり落とし込んで理解を深められるのだ。

 今回は、社会人には是非とも読んでいただきたいビジネス小説をご紹介しようと思う。永久保存版として使っていただければ幸いだ。

おすすめビジネス小説①『華麗なる一族』

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出典: Amazon.co.jp
 最初におすすめするビジネス小説は、木村拓哉主演のドラマとしても話題を読んだ山崎豊子の『華麗なる一族』。

 銀行の財閥や銀行の権力構造を鋭くついた不朽の名作と言える。上・中・下と巻数が多いので相当な気合いを持たないと読めないと感じるかもしれないが、一度見たら『華麗なる一族』の奥深さにどっぷりはまってしまうので心配ご無用。

本のあらすじ

業界ランク第10位の阪神銀行頭取、万俵大介は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するため必死である。長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を喰う企みを画策するが、その裏で、阪神特殊鋼の専務である長男鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。不気味で巨大な権力機構〈銀行〉を徹底的に取材した力作。

出典:山崎豊子『華麗なる一族〔上〕』|新潮社

おすすめビジネス小説②『オレたちバブル入行組』

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 次にご紹介するビジネス小説は、今や超売れっ子作家の池井戸潤氏の作品『オレたちバブル入行組』。「やられたら倍返しだ!」のフレーズで話題となったドラマ『半沢直樹』シリーズの第1作であることでも有名だ。

 池井戸潤氏自身、三菱銀行に勤務していた経歴の持ち主であり、当時の経験や知識を存分に小説の中に組み込んでいる。この小説以外の作品も、銀行を題材にした小説が多いので、銀行ビジネスの裏側が知りたい人には併せて読むことを勧める。

本のあらすじ

不遇の中間管理職よ、顔を上げよ!
崩壊した銀行神話。給料は下がり、ポストも減り、逆境にさらされるバブル入行組の男たちの意地と挑戦を鮮やかに描く痛快エンターテインメント小説

出典:『オレたちバブル入行組』池井戸 潤 | 電子書籍 - 文藝春秋BOOKS

おすすめビジネス小説③『海賊と呼ばれた男』

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 次にご紹介するビジネス本は、本屋大賞1位にも輝いた『海賊と呼ばれた男』。一時どこの書店の店頭にも並べられていたほど、人気を博した作品ではあるが、実は読んだことがないという人も多い。

 あらすじにもある通り、これは出光興産の創業者・出光佐三をモデルとしたノンフィクション小説だ。作者の百田尚樹氏が、モデルとなった一人の男の生き様に惚れ込んで執筆した思入れがあるそうで、文章から直に伝わる破壊力は凄まじい。

本のあらすじ

一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。

出典:『海賊とよばれた男(上)』(百田尚樹):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部



おすすめビジネス小説④『トップ・レフト―ウォール街の鷲を撃て』

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 次にご紹介するビジネス小説は、知る人ぞ知る名作『トップ・レフト―ウォール街の鷲を撃て』。

 「邦銀VS.米国投資銀行」をテーマにした想像を絶するスケールの壮大さに、手を震わせながら読むこと必至である。また著者は、海外で大学院を卒業し、ロンドン銀行で努めた異例の経歴を持っているため、本著の中では普段知れないような国内外でのビジネスシーンを勉強できる。

本のあらすじ

欲望と失意が渦巻く国際金融ビジネス。じり貧の大手都銀ロンドン支店次長の今西に、巨大融資案件が持ちかけられた。資金の使途は日系自動車会社のイラン工場建設。日・欧・アラブの銀行団を率いてディール獲得を目指す今西の前に、かつての同僚で米国投資銀行龍花(たつはな)が立ちはだかる。そこに世界を揺るがす敵対的買収(TOB)が。栄光の主幹事(トップ・レフト)の座を射止めるのは誰か!?

出典:https://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=4396330596

おすすめビジネス小説⑤『ハゲタカ』

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 次にご紹介したいビジネス小説は、映画・ドラマで大人気『ハゲタカ』シリーズである。

 周囲からのどんな妨害や反発にも屈しない主人公・鷲津政彦のハードボイルドな生き方に、同じ男性も惚れ込むこと間違いない。続編に『レッドゾーン』や『グリード』があるので、一度読んでみて夢中になってしまったという人は、併せて読み進めてみてほしい。

本のあらすじ

ニューヨークの投資ファンド運営会社社長・鷲津政彦は、バブル崩壊後、不景気に苦しむ日本に戻り、瀕死状態の企業を次々と買収する。敵対するファンドによる妨害や、買収先の社員からの反発を受けながらも、鷲津は斬新な再生プランを披露し、業績を上げていく。企業買収、再生の真実を克明に描いた問題作。

出典:『ハゲタカ(上)』(真山仁):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部

おすすめのビジネス小説⑥ 『虚像の政商』

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 最後にご紹介したいビジネス小説は、ビジネス小説の大定番『虚像の政商』である。

 作者の高杉良氏はビジネス小説の大御所と言っても過言ではないほど、多くの著名人から支持を得ている。ジャーナリストの田原総一朗氏も高杉良一氏の大ファンであり、日産自動車の会長をモデルとしたビジネス小説『覇権への疾走』を絶賛していた。年配層に人気があるので、読んでおくと上司や社長に「勉強家」と感心されるかもしれない。

本のあらすじ

加藤愛一郎。大泉純太郎内閣における公的立場を利用し、規制緩和の旗印の下、自社への利益誘導体制を確立、ワールドファイナンスを総資産10兆円の金融コングロマリットへと育て上げた男――。政財界で暗躍し、強欲の限りを尽くしたワンマン社長は、いかにして日本経済を破壊したのか。改革の熱狂に沸いた民意の裏側、その許されざる所業を描く、著者渾身の経済小説。

出典:高杉良『虚像の政商〔上〕』|新潮社



 ここでご紹介したビジネス小説は、どれも楽しみながらビジネスの教養を深められるので、難しい経済誌を読めない人にほど手に取っていただきたい。読んでみたら次はあなたが誰かにおすすめする番だ。

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