1. 日本人の美徳は無用! 競争社会で勝ち残る思考法とは?:『ロジカルシンキングのノウハウ・ドゥハウ』

日本人の美徳は無用! 競争社会で勝ち残る思考法とは?:『ロジカルシンキングのノウハウ・ドゥハウ』

出典:pixabay.com
 本書『ロジカルシンキングのノウハウ・ドゥハウ』の著者曰く、「日本人は論理的な人種でない」という。なぜなら、人と人との和を重んじるからだ。しかし、相手の心の中を慮るという日本人の美徳は、競争社会ではうまく作用しないときの方が多い。

 ロジカルシンキングに、「頭のいい人がする難しい思考法」というイメージを持っている人は多い。そもそもロジカルシンキングとは、結論、論理性、シナリオ性、コンセプトの明確性を大切にするものだ。端的に言うと、すべてを出来るだけわかりやすくすることがロジカルシンキングなのである。

 一般的に、「頭の良い人」「できる人」には共通した特徴がある。複雑な問題を、シンプルに考えることができるのだ。思いつくままに考えるのではない。順序立てて、場合分けして考えることができる。

 何かを考える際に、時や場面で思考法を変えることも、「頭が良い人」「できる人」になることへの近道である。それには、ロジカルシンキングの思考法を知らなくてはならない。今回は、ロジカルシンキングを構成する3つの思考法を紹介しよう。

ゼロベース思考で革新的なアイデアを生み出そう

 前述の通り、著者はロジカルシンキングには主に3つの思考法があると述べる。その1つ目が、ゼロベース思考である。

 ゼロベース思考はその名の通り、全く新しいアイデアを生み出すことだ。固定概念を取り払ったり、視点を変えたり、問題を違う角度から考える。

 ロジカルシンキングの3つの思考法の中で、ゼロベース思考を採用するときは、考えに考え抜いた場合や困難な問題にぶつかった際などが良いと著者は述べる。ただ、その問題の本質や原因を把握することは怠ってはいけない。問題がハッキリしていないのに、短絡的に解決策を出すことはゼロベース思考を阻害する要因となるだろう。

 なんらかの問題に意識を集中する作業をした後に、視野をパッと広く持ち、違った角度から問題を眺めることが必要なのだ。ふとしたときに思いついたビジネスが成功するのも、この思考と似たものがある。

フレームワークで思考をスピードアップさせよう

 「フレームワーク(枠組み)思考」は、今回紹介するロジカルシンキングの3つの思考法中で最もポピュラーなものであろう。「枠組み」とは物事のあらまし、大筋、アウトラインのことを意味する。この思考方法を用いると、物事をモレなく考えて、
より大きな視点で物事を捉えることできるようになる
のだ。

 しかし、フレームワークと言っても漠然としている。例を挙げると、企業の魅力や健全性を考えるとき、使われるフレームワークは「経営全般」「製品・サービス」「革新性」「長期投資価値」「ファイナンス」「人材確保と維持」「CSR」「資産活用」「国際ビジネス」などがある。

 著者曰く、フレームワークには大きく分けて2つ種類がある。1つ目は、目的に応じてどのような視点で情報を収集、分析すべきか示してくれる分析のフレームワークである。

 2つ目は、提案や報告をどのようにまとめ構成すれば効果的に伝えられるかを示してくれる表現のフレームワークである。

 「フレームワークは作れば作るほど磨かれる」と著者は述べる。どんどん社内でも優良なフレームワークを共有して使っていくべきだ。

ひたすら議論し、意思決定するオプション思考

 意思決定を迫られた際に、必要な意見とはどのような意見だろうか? どのような要素を持っている意見が、必要とされる意見かというと、「できるだけ客観的で、かつ信頼の置ける」意見である。

 そのような意見を引き出すのが、ロジカルシンキングの3つ目の思考法、オプション思考である。オプション思考とは、結論を複数案だして徹底的に議論する方法である。選択肢を増やして戦わせることは、トップの話し合いだけではなく、業務レベルの問題解決でも応用できるのだ。

 選択肢も、ただ戦わせるのでは意味がない。なぜ自分がその選択肢を推すのかを論理的に述べるべきである。このように議論して、即行動ができるようなメカニズムが組織には必要である

 このように、3つの思考法を適宜状況に応じて利用することで、思考や議論のスピードが速くなり、会議が円滑に進行するだろう。


 「ロジカルシンキング」という単語は聞いたことがあっても、ロジカルシンキングとは何かわからない人に、「今更聞けない」単語について明確に答えを出してくれるのが本書『ロジカルシンキングのノウハウ・ドゥハウ』である。本書は具体的な例や、図を用いてわかりやすくロジカルシンキングとは何かを紐解いてくれる。

 「論理的思考はわかりやすさ」であると主張する、本書『ロジカルシンキングのノウハウ・ドゥハウ』はやわらかくて強い「地頭」を鍛えるためにも、社会人として必須の一冊であること間違いない。

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