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「時間がない」は「お金がない」と同じ。負の連鎖を持つ人の共通点:『いつも「時間がない」あなたに』

Naoya Shishido

2016/03/23(最終更新日:2016/03/23)


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出典:www.centrictv.com
 給料が入るとすぐに欲しかった物を衝動買いしてしまう、ダイエットをしようと決意してもすぐに挫折してしまう。これらの困った習慣や悪癖に思い当たる節がある人も多いのではないかと思う。

 実は、これらの「困った習慣や悪癖は、性格ではなく心理的作用」ということが行動経済学の研究で判明している。

 今回は、2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン氏も大絶賛した行動経済学の本『いつも「時間がない」あなたに』の中から、困った習慣や悪癖を改善するためのある糸口を紹介していく。

周囲が見えなくなる「トンネリング」とは?

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出典:peacefulprosperity.com
 「一つの物事に集中している」という状況は一見聞こえが良いが、裏を返せば他のことに注意散漫になっていることを意味している。このように、一方に集中して他方に気が回らない様子を、出口しか見えないことからトンネルに例えて「トンネリング」と言う。

 一旦トンネリング状態に突入してしまうと、今集中している目先の事柄にしか頭が回らないために、処理能力の低下が起こり、結果的に新たな問題や仕事の効率低下を招く危険性がある。悪癖を治すためには、目の前の事柄に集中している状況は危険であるということをまずは認識して欲しい。

トンネリングの恐ろしさ “貧乏から抜け出せない負の連鎖”

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 トンネリングに陥っている人は、今自分が抱えている問題から抜け出しづらい傾向にある。その一例が「貧困」。家が貧しくて自分が生活していくことに頭がいっぱいな人は、目の前にある生きるための「お金」に重点が置かれている。それに伴い、「少し体調が悪くても病院に行かずに、病気が悪化する」、「目の前の借金を返済するために、別の貸金業者でお金を借りて多重債務者になる」などの負の連鎖が起こり、一向に貧困から抜け出せない。また心にも余裕がないため、周囲の知人や自分の子どもに強く当たってしまう、物事を悲観的に考えてしまうなど、精神にまで異常をきたしてしまうようになる。

トンネリングから抜け出すための解決策

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 トンネリングから抜け出すための一番の解決策は、「余裕を作ること」である。「余裕を作るというのは容易にできない」という声もあがるだろうが、何も難しいことではない。余裕とは物事の途中から突発的に生まれるものではなく、事前の計画段階で作るものである。

 筆者もよく使う手段なのだが、例えば5時までかかりそうな仕事があるとする。普通であれば、「5時に終わります」と伝えると思うのだが、これだと5時までに終わらせなければならないという時間のプレッシャーから、トンネリングに陥りかねない。そこで、あえて一時間の余裕を見込んで、「6時に仕事が終わりそうです」と伝えてみる。これによって精神的にも時間的にも余裕が生まれ、トンネリングを回避できるというわけだ。


 「トンネリング」を初めて耳にした人も多いと思うが、「一つに集中してしまい、他の事に頭が回らない」という状況はよくあること。あなたが抱える困った習慣や悪癖もトンネリングが原因で起きている可能性が極めて高い。だからこそ、『いつも「時間がない」あなたに』を読み、負の連鎖を断ち切って欲しい。

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