1. うまい儲け話なんてない! 学校では決して教えてくれない「財テク」の教科書:『投資戦略の発想法』

うまい儲け話なんてない! 学校では決して教えてくれない「財テク」の教科書:『投資戦略の発想法』

by reynermedia
 もうだまされるのはやめよう。著者の木村剛氏が、本書『投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう』で最初に述べている言葉である。

 木村剛氏は東京大学経済学部を卒業した後、日本銀行に入行し、KPMGフィナンシャルサービスコンサルティングを設立。さらに元金融庁の顧問でもあった人物であり、金融のプロといって良い人物だ。

 近年、ますます株式投資やFXに関する「財テク」を特集する雑誌や本が増え続けている。これらは甘い言葉で個人投資家達を誘惑し、すぐにお金が貯まるのではという錯覚すら与えてしまう。

 しかし実際、アマチュアの個人投資家が小手先の財テクだけで確実な成功を収めることは不可能である。お金がなければ身を守ることも出来ないこの世の中で、自分と自分の愛する人々を守るために投資戦略の中核にいなければならない。

 アマチュアの個人投資家が投資ブームに踊らされて損をしないために。本書『投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう』では、著者が絶対に負けない投資戦略や財産防衛術を紹介している。今回はその内の一部をかいつまんで取り上げたい。

うまい儲け話なんて絶対に存在しない!

 木村氏は、金融業者サイドが大々的に仕掛けた投資ブームに個人投資家が煽られていると主張している。確かに最近では小学生の子供でさえ、個人投資家となり株の取引をしているという話を耳にする。資産運用の選択は大幅に増えたが、それに伴って詐欺商品をつかまされてしまうというリスクにさらされるようにもなってしまった。

 このように、だます人とだまされる個人投資家の被害者数を増やしたものが「金融ビッグバン」であると木村氏は語る。そして騙されても、被害者は無前提に保護されるのではなく、被害は基本的に投資家の自己責任である。

 そこでまず頭に入れておくべきなのが、高利回りをうたう金融商品はあやしいということである。確実に金持ちになるためにはそのような商品の誘惑に負けず、だまされないことから始まるということである。簡単で単純な教えかもしれないが、これができていなければ何も始まらない。市場で常に損をするのは、短期間で手っ取り早く儲けようとしている個人投資家なのである。

個人投資家の財産形成は「自己投資」から始まる

 普通のビジネスマンであれば、仕事からの収入が財産形成の中核であることは間違いない。財産形成は、株式売買ではなく仕事からの収入に大きく依存した形で行われるからである。資産運用はあくまで副業であり、仕事で成功することが一番重要である。

 そのため仕事が苦手だから株式売買でもうけようという発想は、完全に間違っており、その場合は自分のキャリアを根本から考え直す必要があるのである。今自分が専門としている分野で一流のプロを目指すことが金持ちへの道であるといえる。

 もしまだ仕事の方の評価が十分でないのであれば、給料を上げるために本などで専門知識を蓄えるべきであり、そのための自己投資は決して惜しむべきではない。まずは自分を磨くことを忘れずに、生活していけば良いのである。仕事に集中せず、毎時間不安を抱きながらパソコンに張り付いて株価をチェックして生活するのは、アマチュアの個人投資家として間違っているのである。

個人投資家には「チャート」でなく「強い意志」が必要

 株式で儲けるための鍵は強い意志にある。個人投資家はチャートを意識する必要は全くないのである。個人投資家は楽観的に長期的なスタンスで株を買うべきであり、チャートにこだわって買う必要は全くない。

 個人投資家が専門家に、「どの株がよいか」と判断を仰ぐのも遠慮したほうが良い。確実な噂であっても売買は見送るべきである。なぜならば、投資専門家はなるべく多くの個別株について予測するようにしており、予測がいくつか当たるとその予測しかしていなかったようなそぶりを見せるからである。そのため、自分の仕事を信じて、自分の見方に従って、よく知っている業界の株を買うことが安全な方法なのである。

 つまり、デイトレーディングは個人投資家にとって最も愚かな投資方法であり、タイミングを捉えて株を売買しても決して成功しない。

 この本で一貫して木村氏が主張していることは、強い意志を持ち、なるべくお金を使わないようにすることが金持ちへの着実な道であるということである


 実際、本書『投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう』ではほとんど難解な数字も出てこず、グラフを見て投資の可否を判断するなどテクニカルな解説もない。自分の意志をどこまでコントロールできるかが今後の生活の明暗を分けるということである。必要以上に市場を追いかけて経済に悩むことなく、長期にわたって戦っていくことが健全な投資であるといえよう。

 本当にお金を貯めたいのであれば、金融業界が創り出した「投資ブーム」に踊らされてはならない。投資を始めようとしている人は、まず一旦自分の仕事と向き合い、きちんと自分がその分野のプロとして自信を持っているか自問自答してみてはいかがだろうか。

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