1. 「不稼働率」を下げ「稼働率」を上げろ!:タイムズがカーシェア市場で黒字を出す理由

「不稼働率」を下げ「稼働率」を上げろ!:タイムズがカーシェア市場で黒字を出す理由

by TAKA@P.P.R.S
 コインパーキングと言えば、おそらくほとんどの人が黄色い看板が目印の「タイムズ」を一番に想起するだろう。今や、タイムズのコインパーキングは、全国に存在するコンビニエンスストア「ローソン」の店舗数12,078を大きく上回る16,279ヶ所(2015年6月時点)に存在している。

 そんなタイムズだが、ここ最近、ある事業で業績を飛躍的に伸ばしている。それは「カーシェアリング事業(通称:カーシェア)」である。2009年にカーシェアを始めてから、タイムズはわずか6年で会員数50万人を突破、業界シェア70%にまで登りつめた。実は、カーシェア事業で営業黒字を出しているのはタイムズだけなのだとか。

 いくらカーシェアが新しい産業とは言え、タイムズがここまで圧倒的なシェアを誇ることは非常に驚きである。では、なぜタイムズはカーシェア事業でここまで大きな成功を収めることができたのか。

タイムズ成功の理由①:圧倒的なコインパーキング数

出典:hiroto-osaka.blogspot.jp
 タイムズがカーシェアで成功した最大の理由、それは何といっても「コインパーキング」の数が圧倒的に多いことが挙げられる。タイムズのコインパーキングは、実にコインパーキング業界全体の8割以上を占めている(2014年時点)。そのため、カーシェアする車の「置き場所」に関して他社を圧倒する力を持っていたのだ。

 元々の業務形態である「コインパーキング」がカーシェア事業にぴったりと合ったのが、タイムズのカーシェアを飛躍的に成長させる大きな要因となった。

カーシェアに必要なのは「より近い場所」

 カーシェアとレンタカーが大きく違うのは、使用目的である。レンタカーは旅行や出張など長期で借りるのに対し、カーシェアは送迎や買い物など、15分単位での短い利用を目的としている。そのため、レンタカーとは違い、カーシェアは「身近」にあることが非常に要となるのだ。

 コインパーキングの数が多いということは、それだけ「身近」にコインパーキングが存在する確率が高いということである。タイムズが持つ圧倒的なコインパーキング数は、カーシェアという業界においてそれだけで大きな強みとなるのだ。

タイムズのコインパーキングは「広告塔」にもなる

 タイムズのコインパーキングの数が多いことのメリットは、単純に「身近にある可能性が高い」ということだけにとどまらない。

 たとえば、車を走らせているとき。恐らく、1kmも走っていればタイムズのコインパーキングと出会うだろう。そして、そこには大抵「カーシェアリング」と書かれたのぼりが立っているはずだ。こうして、運転手はタイムズでカーシェアを行っているということを認知する。

 このように、タイムズのコインパーキングは時として「広告塔」の役割を果たすこともある。タイムズのカーシェアと2位のオリックスカーシェアとでは、認知度に非常に大きな開きが存在しているのだ。

タイムズ成功の理由②:車の高い「稼働率」

出典:blog.classy-house.co.jp
 当たり前のことだが、カーシェアで得られる利益は、車が利用されている時間に比例する。車が利用されている時間が短ければ、当然ながら利益も落ちる。したがって、カーシェアで成功するためには、できるだけ車を「稼働させ続ける」必要がある。

 タイムズでは、稼働率を高く保つために、曜日と車種、利用者(個人か法人か)と車種といった具合に、その日その時に合わせた配車を行うようにしている。そしてこれをスムーズに行うべく、タイムズでは徹底したデータの活用が行われている。

「不稼働率」が低いから「稼働率」が高い

 稼働率を上げるために、より選ばれるような車を置いておくのは当然である。タイムズが高い稼働率を誇っているのは、何もこれだけの理由にとどまらない。

 タイムズのカーシェアでは、「不稼働率」を下げるための取り組みも行われている。不稼働率、すなわち車が「動いていない」割合のことである。タイムズは、この中の車が「動けない」割合を削減したのである

 整備不良を無くすのはもちろんのこと、かすり傷程度の事故は修理工場に運ぶのではなく現地で修理させるなどと、できるだけ現場に立つ車が少なくならないように努力を重ねた。その結果、車が後ろに下げられてしまうことが非常に少なく、「借りたいときにいつでも借りられる」ような状況を見事に作り出した。


 タイムズのカーシェアは、カーシェア業界において揺るぎないトップをひた走っている。タイムズが業績を伸ばし続けている陰には、数で他社を圧倒し、リソースを最大限に使用する姿があったのだ。

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