1. キャリアプランを形成できないあなたに“転職のススメ”:「シゴトでココロおどらせているか?」

キャリアプランを形成できないあなたに“転職のススメ”:「シゴトでココロおどらせているか?」

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 転職というと、基本的には採用は何らかのニーズによるものや、空いたポジションの充足のために実施されることが多く、なかなか転職を成功させるのは難しいイメージもある。しかし、昨今はビジネスモデルの移り変わりが早くなり、既存の人材だけでは対応できなくなることが増えたため、転職で新しいチャンスを掴んでキャリアアップしていく人も多くなってきているのも事実だ。
 
 現在の転職市場で求められているのは、まずはプロジェクトマネジメントや企業経営のキャリアがある、経営能力の持ち主だろう。そして次に、高度な専門性を持ち、企業が展開しようとしている新しいビジネスや技術に対応できるような高度なキャリアを持った転職者。特にWebアプリの開発能力を持つエンジニアや、基幹系システムに携わるエンジニアの数は圧倒的に足らない。そして最後に。グローバルビジネスのキャリアを持つ転職者。主に海外駐在キャリアや、海外企業との交渉キャリアのある転職者が求められている。

転職成功例:転職して年収30%増加のキャリアアップ

 大手メーカーの部長職から中堅メーカーの執行役員に転職したA氏(仮名、52歳)は、上記のような専門性とマネジメント力、グローバル対応力をもってして、転職で年収が30%増加したという。では、その転職成功体験談を見ていこう。

A氏は転職以前、海外現地法人のトップであり、当時チャレンジしていたミッションは、業績が低迷する経営の立て直しだった。しかし、リーマンショックが直撃し、その影響をもろに受け売上高が4割も減少し、経営的に窮地に立たされる中現地法人を存続すべきかという判断を迫られていた。

 その後A氏は、事業全体の将来ビジョンを検討した結果、ここが今後重要な役割を持つ拠点になるだろうと判断し、異文化の中構造改革に取り組み、3年で売上が以前と同レベルまで回復し、さらには過去最高利益も更新するといった成果を収めた。

 こうした大きな成果を出したにも関わらずA氏が転職を行った理由は、本社に戻ったあと、海外で経験した以上の修羅場で得た成長以上に自分がこれ以上成長する見込みが立てられなかったからだ。

 そして複数のオファーの中からA氏が転職先に選んだのは、経営再建に取り組んでいる中堅メーカーだった。A氏は入社前に工場見学をし、そのとき自分がやれることがたくさんあり、自分の経験を活かしながら経営スキルを磨くという観点から見ると非常に期待の持てる会社であると感じたのだ。

 再建中の会社であるがゆえに、新しい自身の目標であった「経営のプロになる」には格好のポジションであったわけである。自分のキャリアから次のビジョンを見出して、素直にそれに取り組めることは転職の成功要因かと思われる。

転職失敗例:転職がキャリアプランを狂わせることも……

 転職に失敗してしまえば、処遇が以前より悪くなったり、結局退職することになり無駄なキャリアが一つ増えてしまったり、キャリアプランにも大きな歪みが生じてしまう。そこで、具体的な個人例は挙げにくいものの、転職する際に失敗してしまう人にはいくつかの傾向があるため、それに気を付けるという意味で転職に失敗する傾向を見ていこう。

 一つ目は、自分本位にスキルアップを望む転職者。例えば「英語圏に身をおいて、英語を使えるようになりたいので応募しました」という転職者。「英語を使えるようになりたい」。自分の望みだけで応募してくる転職者を企業が採用するだろうか。現時点で語学力は足りないながら、別のスキルが評価されて採用され、猛勉強して語学力を上げていくケースはもちろんある。しかし、企業に貢献できる「別のスキル」も無いのに、こんなことを言ってもあまり相手にしてもらえない。

 また自分本位な転職者では、自分本位に報酬アップを求めるケースもある。例えば、転職先の希望報酬を聞かれた際に「年収1500万円を求めます。なぜなら今の会社の同期は年収1500万円なのに、自分は1200万円だからです。」という理由で報酬アップを求める転職者。同期入社の中で自分だけ年収が低いということは、会社からの評価がその転職者だけ低いということなので、決して報酬アップを求める理由にはならない。自分が発揮できるパフォーマンスを客観的かつ謙虚な姿勢でみつめる相場観もなく、市場における自分のポジションや価値といったものを見出す視野を備えていなければ転職は厳しいものとなる。

 二つ目は、自分の力を過信してる転職者である。過度に過去の経歴や業績に自信をもち、自己に対する評価が異様に高い転職者だ。「自分の人間力で何でも解決できる」「相手に会いさえすれば何とかできる」と思い込んでいるようでは、企業の求める人物像に近付くのは難しい。ありのままの自分を見てもらうことは大切であるが、転職活動では相手に合わせて自分を見せていくことも必要な努力だ。よほど自分に自信があったとしても、
自己中心的な考えを拭えないままでの転職活動は自ずとうまくいかないものである。

転職をキャリアプランにいれるボーダー

 転職による最もわかりやすい利点は、今までと違った環境に身を置くことで得られる待遇改善、活躍の機会の拡張、目の前の課題解決、キャリアップなどの可能性の大きさだ。例えば、自身のやりたいことが、この先もできない状況にある場合や、このままではやりたいことに対するキャリアが身に付かないと感じる場合。または業界自体が縮小傾向にあり、生活が危ぶまれるように思われる場合や、いわゆるパワハラ、セクハラの状況にある場合。そしてライフイベント(結婚、出産、介護、など)の発生に伴う場合。さらには転職によって、自らのキャリアアップが実現できる(ことが期待できる)場合、これらの場合は転職した方が良いと言えるだろう。

 しかし、転職の理由がいかなる理由であっても、退職自体に迷いがあるならば、転職をあえておすすめすることはできない。転職に明確な目的や強い意思がない状況ならば、在籍したままのほうが自身のキャリアとしてもリスクが少ないといえるだろう。そのため、やりたいことが不明瞭で、単に労働条件に対する不満しかない場合や、自らの努力不足が原因である場合、目の前の課題からの「逃げ」な転職の場合。また、転職しようとしている会社が明らかに格下、もしくは待遇が下がる場合。こうした場合はあまり転職に踏み切るのはおすすめできない。


 結局のところ、やはり現職のままではダメだと気付いた時、次の自分のキャリアをどう描くかなのである。ダメと思ったのは何故なのかを突き詰め、自分のやりたいこと、自分のスキル、そして次のビジョン。こうしたものを考えたうえで、そこで転職というワードが出てきたときに、将来の自分のキャリアプランをどう設計するかを考えて、そこで常にプラスな上昇志向で取り組むことが出来れば、そこで転職の成功確率はぐんと上がるかと思われる。

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