1. トップ1%だけが知っている一流になるための3つルール:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』

トップ1%だけが知っている一流になるための3つルール:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』

by CthulhuWho1 (Will Hart)
「スキルを身につけるのは、自分の志を達成するためです。スキルアップそのものが目標になってはいけないのです」

 ハーバード大学経営大学院(ハーバード・ビジネス・スクール)のロバート・スティーブン・カプラン教授はこう言っている。事実、ハーバードではいわゆる“仕事術”を一切、教えない。

 「プレゼンテーション資料のフォントはそろえる」「メールの文章は簡潔に」「会議ではホワイトボードの前に立つ」――。こうしたスキルをどこまで極めても、ハーバードが育てようとする「一流のリーダー」にはなれないからだ。

 では、ハーバードでは何を教えているのか。ハーバード・ビジネス・スクールは、社会へ出てリーダーを目指す学生に向けて、徹底してリーダーとしての思考様式と行動様式を学ばせている。

 もちろん誰もがリーダーになれるわけではない。しかし、ハーバード・ビジネス・スクールでは、すべての学生に対し「ビジネスパーソンである一人ひとりがリーダーに必要な思考や行動力を持つべきである」と教えるのである。人を惹きつけ導くというリーダーの資質は、ビジネスだけでなく人生においても正しく物事を判断し行動することを可能にするのだ。

 単なる仕事術ではなく、一人の人間としてどうあるべきかを学ぶ。そのためにハーバードビジネススクールが行う授業は、学校というノンリスクな環境で学生に多くの失敗や挫折経験を与え、自ら壁に立ち向かい解決策を生み出せる人材を育てるというものだ。

 今回紹介するのは、そのようなハーバード・ビジネス・スクールが実際に行っている講義内容をまとめた『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』という一冊である。

優れたリーダーは、未来の自分に投資する

 まず初めに、著者はハーバード・ビジネス・スクールで行われている「お金の使い方」に関する授業を本書で取り上げている。教授たちは学生に対し二つのことを教えている。一つ目は、進んで寄付をするということである。欧米では、ノブレス・オブリージュと呼ばれる「社会的に恵まれた人は、社会貢献をする義務がある」という考えが浸透している。また成功するリーダーほど、若い頃から寄付を行っているのである。若い頃から寄付を行うことで、「将来、自分も社会貢献できるぐらい優れた人材になる」という目標の意識づけになるのだ。

 二つ目は、貯金をするということである。教授たちは、学生に「働き始めたら貯金をしなさい」と教える。ある程度の蓄えを持っておくことで、仕事が自分の価値観とずれていたり、他にやりたいことを見つけたりした際に、今いる環境から卒業するのが容易になるのだ。また好きなことや得意なことを仕事にすることで、続けても苦にならず、他人より早く成果を出すことができるとも教授たちは教えている。様々な仕事の中から好きな仕事や得意な仕事に就くために、すぐに行動が起こせる程度の蓄えを若いときからしておく必要があるのだ。

 この授業を通して、ハーバード・ビジネス・スクールの教授たちは「お金の使い方で、優れたリーダーかどうかは分かる」と教え、仕事においても生活においても賢く自分に投資するということを学生に学ばせているのである。

優れたリーダーの何事にも囚われない判断力

 ハーバード・ビジネス・スクールでは、優れたリーダーになるためには常に物事を疑って見ることが大事であると教える。これは、なんでもかんでも批判的に見ろというわけではなく、社会の変化や時代の流れの中で過去や常識に囚われず、しっかりと物事を見定めるべきだということである。世間的には常識とされていることであっても、状況によっては違う場合もある。

 ハーバード・ビジネス・スクールでは、目の前の物事に対し「何かおかしい」と感じる局面で有効なLCA分析(Leadership and Corporate Accountability・リーダーシップと企業倫理)という方法を学生に教え、リーダーシップと企業倫理を軸においた判断を学生に徹底して行わせているのである。LCA分析とは、物事を以下の3つの視点で判断するものだ。

経済の視点

 会社の利益になるかどうかという分析

法律の視点

 法律を順守しているかという分析

倫理の視点

 人の道を外れていないかという分析

 この分析は、重要な決断や取捨選択をする前に物事の全体像を掴み、多角的に問題点を洗い出すのに役立つのである。優れたリーダーには、常に物事を冷静に判断し決断を下すことが求められる。そのため、こうした思考スタイルを持つことが必要になってくるのだ。

優れたリーダーは、失敗からすぐに立ち直る

 ビジネスでは失敗との向き合い方が重要である。多くのビジネスパーソンは、リスクを避けることばかりを考え行動するため、いざ失敗すると自信を失いやすい。しかし、優れたリーダーは、失敗が起きた際の気持ちの切り替えと次の行動への転換が早い。もちろん失敗しないことがベストではあるが、何が起こるか分からない社会のなかで失敗を出さないというのは難しいことである。

 一流と呼ばれる企業の経営者たちは経験上、失敗しないと成功が得られないことを知っている。そのため多くの企業では、進んで挑戦し、失敗しても即座に立ち直って行動できる人材が求められやすいのだ。そうした人材を育てるためにハーバード・ビジネス・スクールでは、フィードバックや模擬起業の授業を行い、自分の考えや行動に対し厳しい批評や反論を受け、失敗や挫折経験を積むという機会を学生に与えている。このような環境で、学生たちは失敗の原因と対策を考える訓練を行い、失敗から立ち直る力を鍛えていくのである。

 時代が変わっても、失敗から立ち直る力がある人はビジネスにおいて重宝される人材だ。そのため、ハーバード・ビジネス・スクールでは「失敗との向き合い方を知っている人は、失敗の原因を自分や他人のせいにすることはない。原因を冷静に判断し、周りと協力して、すぐに対処することができる」と学生たちに教え、一人ひとりがそうした人材になるべきであるとしている。


 たとえリーダーではなくても、優れたリーダーと同じ思考や行動が出来る人は仕事も生活も充実させ、自分の成功を生み出すことができるのだ。ぜひこの本を読んで、自らが優れたリーダーになるために必要なものや足り無いものは何かを学び、これからの成長に役立ててほしい。

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