1. 年商20億を稼ぐカフェのカリスマ・大谷秀政の飽くなき挑戦:5%の客を相手にする「個店主義」を貫く

年商20億を稼ぐカフェのカリスマ・大谷秀政の飽くなき挑戦:5%の客を相手にする「個店主義」を貫く

出典:www.flickr.com

 日本で有名なカフェと言えば、スタバ・タリーズ・ドトール・エクセルシオールあたりがおそらく共通の認識だろう。全国に存在しているだけあって、オーソドックスなカフェチェーンとしての地位は非常に高い。

 しかし、全ての人がそういった「単調な」カフェを求めているというわけではない。中には、少しオトナな、一風変わったカフェに足を運びたいという人もいる。

 「宇田川カフェグループ」は、そういった少し「ニッチ」な顧客をターゲットに迎え入れているカフェとして有名だ。経営している株式会社エル・ディー・アンド・ケーは宇田川カフェをはじめとして、国内外合わせて16のカフェ・バーを展開している。社長である大谷秀政の戦略によって、現在では年商20億円以上を稼ぐようになった

 今回は、2015年8月22日放送のテレビ東京『Crossroad』に合わせて、大谷秀政がなぜ「個性的カフェ」で成功することが出来たのか、理由を紹介していく。

大谷秀政「渋谷の“5%”を相手にして、商売を展開する」

出典:in-shoku.info
 渋谷駅には毎日、35万人以上の人がやってくる。その中の大多数にアプローチをかけるということはもちろん大切だ。しかし、多くにアプローチをかけたところで、その中で足を運んでくれる人は中々いないものだ。

 大谷秀政は、渋谷を利用する人の“5%”が反応するようなカフェを作ることが大事だ、と考えている。その方が、相手に対して尖ったメッセージングを投げかけることが出来るからだ。大谷秀政の経営するカフェはどれも、あえて路地裏、あえて暗め、あえて古めかしいというようなものばかりだ。しかし、この「他にはない風合い」が渋谷を利用する“5%”に刺さるのだと大谷秀政は言う。

 35万人のうちの5%なのだから、17,500人には刺さるようなビジネスを大谷秀政は展開しているのだ。ターゲットの母数としては十分すぎるくらいである。大谷秀政がこの方法を採用したことで、現在宇田川カフェは年間の来客数が延べ10万人超えを維持できている。

大谷秀政「本当に自分がやりたいと思ったお店をやるべきである」

徹底的に自分の好きなお店、理想のお店、愛することのできるお店をつくるべきです。
そして、そのお店で夢中になって働くのです。

出典:大谷秀政(2012)『自分らしく生きるために、「カフェ」を始めたい人への77の言葉。』

 大谷秀政は、いくら細かい層にアプローチすることがいいことだと言っても、その対象に自分が入っていなければ長続きはしないと考えている。なぜなら、自分自身が惹かれていないような店を作ったところで、それに対して共感する人は多くないからだ。自分が惹かれるような店を作ることで、自分と近い感性を持った人に受け入れられ、それが集まってやがて「人気」となっていくと大谷秀政は考える。

 そのため、大谷秀政が店を構える際、妥協は一切許さないのだとか。経済的に厳しかったとしても、多少無理をしてでも自分のこだわりを突き通すこと。それがやがて、共感する人たちの「人気」となって帰ってくるのだ。

LD&K、実は本業はレコード会社だった

個人的には、本業とか、副業とか、職業とか、仕事とか、趣味とか、
今更、正直なところもうどうでもよくて、
結果好きなことやって生きていられる、カンケーないよねって感じ。

出典:大谷秀政(2011)『宇田川カフェ本』

 ここまでの話では、LD&Kがさも「コーヒーチェーン」であるかのように扱ってきた。別に間違いではないのだが、実は本業は「レコード会社」であった。所属しているアーティストとしてガガガSPやかりゆし58などの名前を挙げれば、LD&Kがレコード会社としていかに「ちゃんとしているか」がわかると思う。

 しかし、現在では副業で始めたカフェ事業が収益を伸ばし、今や4割近くを占めているのだとか。社員からは大谷秀政の趣味と思われるようなほど、カフェには大谷秀政自身の「好き嫌い」が反映している。しかし、これだけ立派に一つの事業として成立するのだから、やはり好きなことだけをやっていくのも一つのあり方なのかもしれない。


 大谷秀政が常々言うこと、それは「好きなことだけやって生きていきたい」だ。100%かどうかは本人に聞いてみないとわからないが、今の大谷秀政は「好きなことだけやって生きてい」る状態に限りなく近い。自分が好きなことを売り出せば、自分と感性が合う“5%”を招くことができるのだ。

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