1. あなたは仕事を素直に愛せていますか? 故・岩田聡社長に学ぶ、“本当に”仕事を愛するということ

あなたは仕事を素直に愛せていますか? 故・岩田聡社長に学ぶ、“本当に”仕事を愛するということ

by Debris2008
 それはあまりにも早すぎる死だった。2015年7月11日、任天堂・代表取締役の岩田聡が57歳の若さで急逝した。世界中の人がその死を悼み、任天堂の最新ゲーム『Splatoon(スプラトゥーン)』のチャット内でも多くの追悼コメントが寄せられた。

 岩田聡と言えば、ニンテンドー3DSやWiiなど、「次世代ゲーム機の礎」を築いてきた存在だ。なぜ岩田聡はこれほどの名作を残すことが出来たのか。もちろん、ゲーム機の基盤となる開発者としてのスキルが並はずれていたことは事実である。しかしそれ以上に、岩田聡には「ゲーム」を愛し、「任天堂」を愛する心があった。今回は、そんな岩田聡の“愛のある”仕事ぶりをみていこう。

岩田聡「肩書きは社長、頭の中は開発者、心の中はゲーマー。」


 この動画内で、岩田聡はこう述べている(動画内1:10~1:25)。

私の名刺には社長と書いてありますが、頭の中はゲーム開発者です。心はゲーマーです。

出典:Satoru Iwata 2005 GDC Keynote - Part 1 - YouTube
 2005年、サンフランシスコで開催されたゲームデベロッパーズカンファレンス内にて行われたこのスピーチは、その後大きな反響を呼んだ。岩田聡の「ゲーム会社の社長たるもの、ゲームを愛さないでどうする」と言わんばかりのスピーチには、ゲーム業界以外の人々もうなずかされる点が多かった。

 これだけではない。高校時代はゲーム好きが高じて、ゲーム開発にいそしむ毎日であった。ヒューレット・パッカード社に自作のゲームを送り付けると、そのレベルの高さに「札幌にとんでもない高校生がいる」と言われたとか。それほどまで、岩田聡はゲームをこよなく愛していた。

 果たして、自分はどうだろうか。自分の会社が売り出している商品に対し、ここまで愛せているだろうか。メーカーなら作っている製品を、小売業なら卸してきた品物を、コンテンツ産業ならそのコンテンツを、愛せているだろうか。おそらく多くの人はかぶりを振るだろう。これほどまでに商品を愛して、初めて仕事に対して夢中になれるのではないだろうか。岩田聡ほどまで愛することはできなくとも、胸を張って「自社の商品が大好きです!」と言えるようにならなければ、仕事を愛することはできない

「ニンテンドーダイレクト」シリーズの意味するところ

 「ニンテンドーダイレクト」という動画コンテンツがある。これは、岩田聡がユーザーに対して商品の新情報や内容などを“直接”伝えるという内容だ。社長直々の動画出演ということもあり、この動画はユーザー内でも評価が高い。2012年10月に行われた第2期決算説明会では、1週間で60~100万人規模の視聴数があるとの報告が挙げられるほどであった。

 「社長が訊く」シリーズというのも同様に好評だった。これは、新商品のプロジェクトが企画された背景、完成までの道のりなどを「岩田聡自ら」が開発者にインタビューするというものだ。任天堂が行う広報活動にはいい意味で、常に岩田聡の影がついて回る。

 岩田聡は、誰よりもゲームが好きだったと同時に、誰よりも任天堂が好きだった。任天堂のゲームを自分が広めたい、そういった想いがあったからこそ、自らがユーザーに対して直接宣伝をしていたのだ。そういった意味で、岩田聡の任天堂“愛”は誰にも劣ることがなかった。


 仕事を楽しくやっていくということは、なかなか難しいかもしれない。しかし、そんな仕事に対して「愛」が無くなってしまっては、この先その仕事を楽しくやっていくことは一生ないだろう。岩田聡のゲームを愛する心、任天堂を愛する心を通じて、仕事を愛するということがどういうことなのか、少しでも理解することができたのではないだろうか。

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