1. ソ連がコピー機に鍵をかけた理由:「政治」は世紀の大発明によって変えられてきた

ソ連がコピー機に鍵をかけた理由:「政治」は世紀の大発明によって変えられてきた

出典:www.flickr.com

「20世紀は教科書がスタンダードになり、21世紀はインターネットがスタンダードになった」

 ハーバード大学の学長は、20世紀と21世紀の違いについて、こう話したそうだ。

 グーテンベルクが印刷機を発明したのは15世紀。それまでの長い筆記の時代からの大転換で、その印刷技術によって数多くの本が世の中に出回るようになった。20世紀に入り、印刷された教科書で学習することが当たり前になり、21世紀、今度はインターネットによって、世界の情報がいつでもどこでも入手できる時代に突入した

 この20世紀と21世紀の違いについて、曽根泰教氏(政策・メディア研究専門、慶應義塾大学大学院教授)は、「紙の教科書から今度はインターネットを使うようになったことで、大量な放送が可能になり、双方向になるという大きな転換点がそこに出てくる」と話す。

ソ連崩壊は、「情報革命」に遅れたから?

 そんなインターネットの特徴の一つとして、社会や権力構造を変える大きな力を挙げる曽根氏。情報というのは一つの権力そのもので、そのことを示す話があるという。

 ソ連時代のロシアに行った人から、コピー機の部屋に鍵がかかっていたり、コピー機にも鍵が付いているという話をよく聞きました。そのようなことは日本では考えられませんが、コピーを大量にされてしまうと大変な情報漏えいになってしまうわけです。その意味で、情報機器というものは、権力を守るための手段であったわけです。

 ロシア革命とソ連崩壊とは大きく違いますが、ソ連が崩壊した一つのきっかけは、おそらく情報革命にうまく対応ができなかったのだろうと思います。

出典:10MTV収録『インターネットのもつ大きな力:われわれは、Good Questionをつくり、Good Answerを引き出したい』

 つまり、情報というのは、政治や権力構造を変えてしまうほどの潜在力を備えているということで、インターネットの誕生・普及は、その可能性を大きく広げたというわけである。

「アラブの春」拡大のヒミツはSNS

 ソ連崩壊の頃、インターネットはまだ広く普及していなかったため、ここ数年の事例から挙げるとすれば、「アラブの春」を真っ先に思い出す人も少なくないだろう。

 「アラブの春」は、チュニジアで起こったジャスミン革命が発端で、革命の動きを広げたのはインターネット(SNS)だった。インターネット(SNS)によって全国規模に拡大した抗議デモはやがて、革命の大きなうねりとなって、エジプトをはじめ周辺諸国に波及していったのである。

 この他、アメリカの大統領選挙などに代表されるネット選挙も、インターネットが政治に影響を与える例として挙げることができるだろう。


 21世紀は始まってまだ10年余り。スタンダードになったインターネットは、今後どんな展開を見せていくのだろうか。潜在力が大きいだけに、取り扱いには十分な配慮が必要となるが、色々な可能性を秘めていることも事実。ひょっとすると、次の世紀を待たずに、また新たなスタンダードが生まれるかもしれない。

(10MTV編集部)

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