1. なぜあなたの「希望」は成功と幸福に繋がらないのか? 『5年後の自分を計画しよう 達成する希望術』

なぜあなたの「希望」は成功と幸福に繋がらないのか? 『5年後の自分を計画しよう 達成する希望術』

by erix!

 「くよくよしてる時間はもったいない」。この言葉は落ち込んでる人を慰める言葉として、よく使われる。言われた人の中には、ほっといてほしいと思う人もいるだろう。そんな人にはぜひ『5年後の自分を計画しよう 達成する希望術』を読んでほしい。本書を読めば、落ち込んだところで幸せになれないことがよくわかるだろう。

 本書の執筆者は「希望の心理学」の世界的権威であるシェーン・J・ロペスだ。本書には、ロペスによる長年にわたる研究と調査、研究者として読みこんだ膨大な資料によって裏づけられた見解が無数に盛り込まれている。その研究から分かったことは、「希望をうまく利用することで人は幸福になれる」ということだ。どうして希望と幸福は結びついていると言えるのか、希望をどのように利用することで人の幸福が実現できるのか、ロペスの研究を参考に見ていこう。

人は生まれながらにして楽観的な生き物

「人生が0から10までの階段でできているとします。最上段があなたにとって最良の人生を表し、最下段は最悪の人生を表しています。今、あなたはどの段にいますか? そして、5年後にはどの段に立っていますか?」

 この質問は、「キャリントルの階梯」という将来の自分を占うテストだ。

 この質問を140ヵ国で行ったところ、断トツに多かった回答がある。それは、「5年後に自分は人生の階段の7段目にいる」である。さらに驚くべきことに、調査対象者の90パーセントが5年後の自分は今と同じか、それ以上の段階にいると予測した。この結果からわかることは、人はそもそも人生を楽観的に捉えているということだ。落ち込んだり、悩んだりする行為は人間らしくない行為と言えるだろう。

希望と人の幸福の関係性

希望に満ちた人たちは、希望度が低い人に比べて、明らかに幸せな人生を歩んでいる。

出典:シェーン・J・ロペス(2015)『5年後の自分を計画しよう 達成する希望術』
 心理学を学んだ著者のロペスは、もともとは心理学を生かしているIQの研究家だった。高いIQこそが、人を素晴らしい人生に導くと考えていたのだ。しかし、IQの研究と並行して研究心理カウンセラーとして患者と接しているうちに、ある疑問を抱くようになった。きっかけは、ロペスの患者であったジョンという農夫との出会いだった。

 腎臓病で自分の農場を続けることができなくなり自殺を考えたジョンだったが、次の収穫という「目標」を持てたことで立ち直り、腎臓の数値まで改善したのだ。この出来事を目の当たりにしたロペスは、どれほどIQが高くても、希望なしには有意義な人生は送れないことに気づいたのである。

 この出来事から、ロペスは「希望の心理学」の研究をはじめた。次に挙げたのは、ロペスの研究の成果のひとつだ。希望と環境や条件が同じであれば、希望に満ちた人のほうが学校での成績向上成功率が12パーセント、仕事での成果率が14パーセント、幸福度が10パーセント高くなる。この成果からわかるのは、希望と幸福は強く結びついているということだ。

希望を上手く使うことで人は幸福になれる

ひとつとして障害がない道はない

出典:シェーン・J・ロペス(2015)『5年後の自分を計画しよう 達成する希望術』
 ロペスは希望を持つことの重要性を示唆すると同時に、希望を持っているだけでは幸福になれないことを指摘している。ロペスの次の研究結果からそのことがわかる。

 大不況のさなかに大学院を卒業した者を集めて、就職活動期間中、実際に働く自分を想像し、「肯定的なイメージ」と「否定的なイメージ」を紙に書かせ、どちらがどのくらいの割合で頭を占めているかをアンケートした。

 2年後、ロペスがそれらの被験者に連絡し質問したところ、1/3が望み通りの職につけていなかった。そして、2/3の無事望み通りの仕事に就けた被験者たちは就けなかった被験者に比べて否定的なイメージが詳しく記してあった。望み通りの仕事に就けた被験者たちは、「望み」と「仕事を得る過程の現実的な考え方」をしっかり結び付けていたのだ。

 この研究結果から言えるのは、人は希望を抱くとき、乗り越えなければいけない障害も見えているのに、なかなか直視することが出来ない。だが、直視することで希望が初めて利用出来る、ということだ。


 上記で抜粋したのはロペスの研究結果のごく一部である。本書においてロペスは、希望の持ち方や希望を利用した幸福を手にする方法など、様々な希望の在り方を示している。起業や転職など第2の人生を考えているあなたには、参考になる啓示が多く書かれているだろう。

 

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