1. 「姫路城」の入場料はなぜ日本一高い? リニューアルした兵庫のシンボル、その強気なビジネス戦略とは

「姫路城」の入場料はなぜ日本一高い? リニューアルした兵庫のシンボル、その強気なビジネス戦略とは

出典:www.city.himeji.lg.jp

平成27年3月27日にグランドオープンを迎え、大天守の公開が3年5か月ぶりに再開されました。

出典:姫路市|姫路城ご利用案内
 2015年3月27日、兵庫県のシンボルともいえる「姫路城」が5年間の改修工事を終え、リニューアルオープンを果たした。工事用の壁に覆われていた大天守が再び姿を現すと、近隣住民たちは歓喜の声を上げた。

 リニューアルオープンに伴い、姫路城は「城」以外にもある改定を行った。それは、「入場料」である。姫路城を管理する姫路市は、姫路城の大人入場料を600円から1000円へと改定した。これにより、大人入場料が820円である沖縄・首里城をおさえ、姫路城の入場料は日本で一番高額なものとなった。

 しかし、なぜここにきて姫路城は値段を日本で一番高く設定したのだろうか。今回は、そんな姫路城の持つ「自信」の裏に隠されたヒミツに迫る。

ドイツの名城「ノイシュヴァンシュタイン城」と友好協定

by Chris Benseler

国内外からの来訪を促進するため、日本を代表する城郭建築である姫路城をはじめとする歴史的、文化的な観光資源など本市が有する多彩な魅力を積極的に情報発信する必要がある。

出典:基本的政策5 観光の振興 - 姫路市
 シンデレラ城のモチーフになっているとも言われている、ドイツの名城「ノイシュヴァンシュタイン城」。姫路城がリニューアルオープンする前日の3月26日に、姫路城とノイシュヴァンシュタイン城は友好協定を結んだ。これにより、お互いの国からの観光客を呼び込み合おうというのが狙いだ。

 姫路城は観光の促進として、国内の顧客のみならず、海外の新規顧客にも目を向けた施策を取り入れているのだ。この協定だけでなく、Wi-Fiの導入強化や外国人と日本人の意思疎通を図る「指さし会話カード」の導入など、姫路市そのものが行っている対外的な施策は非常に強力なものである。

日本の城の入場料は意外と「安価」?

 実は日本の城は、海外の城や教会などの建物に比べ、入場料が安価な傾向にある。協定を結んだノイシュヴァンシュタイン城の大人入場料は12ユーロ(約1600円)である。他にも、タージ・マハルは750ルピー(約1500円)が必要になり、ヴェルサイユ宮殿に至っては、全てを見学するためには18ユーロ(約2500円)も払わなくてはならない。

 なぜこれほど高価なのかというと、世界遺産としてこれらの文化財を修繕し続けるためには、多額のお金が必要になるからだ。姫路城は、この改修をきっかけにして世界遺産として設備の維持管理を行うために、入場料を「国際基準」に合わせにいったのである。

「白さ」を有効に使ったイベント『HAKUA』

 姫路城の特徴と言えば、驚くほどの「白さ」である。改修後の姫路城は、ひときわ白くなって姿を現したため、一部の人からは「しろすぎ城」と表現されることもあるとのこと。

 この白さを有効に使い、姫路城は集客の増加を成功させている。それは、姫路城を「スクリーン」に利用した「プロジェクションマッピング」である。

約5年半の大天守保存修理を終え、月明かりの夜に、白鷺のように白く輝く世界文化遺産・国宝 “姫路城”
伝統と共に歩んできた歴史、輝ける未来をプロジェクションマッピングとともに巡る
姫路光絵巻『HAKUA』-新たなる羽ばたき-
白亜の輝ける翼を広げ 今再び・・・

出典:姫路城3Dプロジェクションマッピング | 姫路お城まつり 公式サイト - 姫路市
 2015年5月3日から3日間、姫路城をスクリーンとしたプロジェクションマッピング『HAKUA』が開催された。真っ白な壁面に映し出される10分間の映像は、姫路城の歩んできた歴史や未来を視聴者の目に焼き付けた。

 開催期間がゴールデンウィーク真っ盛りであることも影響し、HAKUA開催中である5月7日の姫路城の来場者はリニューアルオープン以来最多の17,979人を記録した。白い壁面であることを有効に活用し、姫路城は最も美しい「スクリーン」として人々を魅了した。

 このように、独特の「白さ」を用いたイベントを行い、姫路城は集客へ活用している。他にもアニメ『機動警察パトレイバー』の映画化とタイアップしたイベント開催など、普通の城ではなかなか行わないイベントを姫路城は積極的に行っているのだ。


 姫路城の入場料が高いということは、それだけ姫路市が観光産業に力を入れているという証である。姫路城の値上げ施策がうまくいくかどうか、これからの展開に期待だ。

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