1. 数字に振り回されてる人必見! 「未知」のリスクは直感と経験で勝負する。『賢く決めるリスク思考』

数字に振り回されてる人必見! 「未知」のリスクは直感と経験で勝負する。『賢く決めるリスク思考』

by marfis75
 世の中には、様々な「リスク」が存在している。この記事を読むことで、スマホの電池が消費され、家に帰る前に電池切れ、というのも極端な話「リスク」である。人は選択に迫られた際、この「リスク」を考え、最良の判断を下すように出来ている。

 ではそもそも、「リスク」とはいったい何なのだろうか。リスクと一言で表現しても、中身は様々だ。今回紹介する書籍『賢く決めるリスク思考』では、リスクというのがどういったもので、それを踏まえてどのように行動を起こすことが「賢い」のかが解説されている。

本のハイライト

・リスクがすべて既知で計算可能であるというのは間違った思い込みだ。確率がすべてわかっている「既知のリスク」と、計算で答えを探ることのできない「未知のリスク」の両方を認識することが、「リスク賢者」への第一歩だ。

・投資や結婚というような、「未知のリスク」、つまり不確実性の世界では、直観や経験則にもとづく判断をすることが最良の選択につながる。

・医療検査結果は、「既知のリスク」の世界に属するものだが、計算と確率の意味を正確に知ることが大切だ。

出典:『賢く決めるリスク思考』の書評・要約|熊倉沙希子

リスク情報、正しく使えていますか?

by BobMical
 「降水確率」というリスク情報がある。天気予報を見て、「降水確率が20%以上です」と言われると、折り畳み傘を持ち歩こうと思う人は多いはずだ。では、あなたは「降水確率」の意味を説明できるだろうか。恐らく、ほとんどの人が正しく説明できないだろう。

 降水確率とは、雨の量・降った時間に関係なく、過去の「その日と同じ条件だった日」のうち、何割が雨だったかという確率である。すなわち、降水確率20%は、5日間続いたら1日だけ、それも時間の長さに関係なく雨が降る、という非常に微細なものなのだ。

 このように、リスクを示す情報の中には、少し理解しづらいものがある。「賢く」リスクマネジメントをするためには、まずは情報が持つ「本当の意味」に気づく必要があるのだ。

「未知」のリスクには直感と経験!

 リスクには「既知」と「未知」が存在している。既知のリスクとは、先の降水確率や、サイコロの目など、どういう結果が発生するのかが「数字」として表れているものを指す。一方で未知のリスクとは、この人を信頼していいのか、この人と結婚していいのかなど、数値では測ることのできない「不確実性」のことを指している。

 世の中に存在するリスクの多くが、この「未知」のリスクに分類される。そもそも数字はもともと人間が発明したものであり、自然界の現象の多くが数字だけで測れないというのは、当たり前と言えば当たり前の話である。

 ではその「不確実性」と向き合うとき、何を頼りにすればよいのか。それは「直感」、そして「経験」である。先の降水確率の話にしても、「雨のにおい」という直感や「自分の過去の経験」などをもとに行動を起こすと、数字だけでは見られない「不確実」な部分に目を向けた行動を起こすことが出来る

人はリスクを「どうやって」リスクと判断しているの?

出典:www.flickr.com
 「高所恐怖症」というものがある。生活をしていくうえでは普通の人と何も変わりがない、しかし高いところだけはどうしても無理、という人だ。高所とはいえ、安全柵があったりフェンスがあったりと、まず落ちることはない。しかし高所恐怖症の人は、落ちてしまうのではないかと恐怖を感じてしまうそうだ(諸説あり)。

 彼らにとって、高所に行くというのはそれだけで「リスク」なのだ。そしてそのリスクを極端に嫌い、ひいては高いところそのものが嫌いになってしまうのだ。ではなぜ、高所恐怖症は「高いところ」をリスクと感じてしまうのか。

 人間には「生物学的準備性」というものが備わっている。これは、「これは安全だ」ということや「これは危険だ」という情報が、遺伝を通じて人間に「準備」されているということを表している。多くの人にとって、高い場所は「安全だ」と準備されているが、この情報が備わっていない人にとっては「危険だ」と感知してしまうのである。

 これらの遺伝的情報を「リスク」として捉えてしまうと、本来選ばなければならない選択肢とは少しズレたものを選択してしまうことがある。リスクに対して常に最適な選択をし続けるためには、まず自分が感じているリスクが、本当にリスクなのかどうかを考えるべきなのだ。


 本書には、カジノや医療、さらには結婚など、あらゆる場面での「リスク」の分析がなされている。人生において幾度となく表れる選択肢を前に、自分が何をすればいいかわからない人は、是非本書をチェックしてみてほしい。


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