1. 時間をかけて悩んでしまうアナタへ。史上最強のプロ棋士・羽生善治の説く『決断力』

時間をかけて悩んでしまうアナタへ。史上最強のプロ棋士・羽生善治の説く『決断力』

by aotaro
 重要な決断を迫られるシーン、こんな時に長く悩んでしまう人も多いのではないだろうか。時間が無限にあるのなら、無限に悩んでいたいという人もいるだろう。

 世の中には、決断に時間をかけていられない職業というのがある。「プロ棋士」がその最たる例だ。プロの棋士たちは、一試合に与えられている持ち時間が決まっているため、一手一手に多くの時間をかけられるわけではない。わずかな時間であらゆる手の中から最適な判断を下さなければならない、ということだ。

 すなわち、歴戦のプロ棋士たちが持つ「判断力」は、一般的なビジネスパーソンの比ではない。彼らの判断力をビジネスに応用することが出来れば、それは素晴らしいことである。

 今回は、プロ棋士として史上最強と名高い羽生善治の著した『決断力』を紹介しよう。

直感は「7割」正しい

出典:ja.wikipedia.org

人間の優れているところは、直感である。直感でひらめいた手は 7 割が正しかった。

出典:羽生善治(2005)『決断力』
 「判断する」という行為ができるのは、何も人間だけではない。最近、コンピュータとプロ棋士が将棋をする「電王戦」が話題だ。そう、コンピュータも判断することができるようになったのだ。

 しかし、人間とコンピュータには大きな違いが存在する。それこそが「直感」である。羽生は、直感でひらめいた手を指すことがあるという。それが勝利にしっかりと結び付けられているのだから、やはりプロ棋士はスゴい。

 しかし、直感が7割当たると言えど、それはあくまで「プロ」の直感である。直感が当たるようになるためには、その道で努力をし、情熱を持ち続けることが重要だと語る。正しい決断を下せるようになるためには、真っ当な気持ちで問題に接する必要がある。

データは集め過ぎず、最後は自分で考える

by chidorian
 よく、「過去の事例が○○だったから今回もこれで正しい」というような発言に遭遇する。過去の経験をもとに、現在の判断をするということは、実に素晴らしいことである。

 しかし、それが全てではないということを常に考えておかなければならない。過去の経験、他社の経験、先輩のアドバイス――データを集めれば集めるほど、決断する選択肢の多さに辟易してしまうことだろう。

 結局一番大事なのは、決断に対し「自分で考えられているかどうか」である。他のデータに気を取られすぎて、自分の意見がない決断を下してしまってはいないだろうか。得た情報をあえて捨て、自分の意見と向き合って決断を下してみる。そうすることで、下した決断に自らも納得感が得られ、後悔の少ない決断へと繋がっていくはずだ。

迷ったときは、「キス・アプローチ」

 羽生善治が迷ったときは、キス・アプローチで考えて指すという。キス・アプローチとは一体、何を意味しているのだろうか。

 キス・アプローチの「キス」とは、「Keep it simple, stupid.」の略で、和訳すると「もっと簡単にやれ、ばかもん」という意味だ。要するに、シンプルに捉えろ、ということである。もともとは軍隊用語だったものを、羽生善治は将棋の判断法に取り入れたのだ。

 決断を迫られた際、あれこれと考えすぎることでかえって決断の出しにくい状況へと追い込まれてしまうことがある。そうなったときは、逆に一旦フラットな状態で選択肢を見ることで、その決断の持つ「本質的な部分」に気づくことが出来るのだ。


 プロ棋士が考える決断力は、意外と「単純」なものであるということに気づいていただけたと思う。しかし、その「単純さ」こそが、決断することの本質をとらえているのだ。今、何かに迷っている、もしくは決断できないでいる人は、本書に一度目を通してみてはいかがだろうか。


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