1. 天才的発想はグループゆえに生まれる。『凡才の集団は孤高の天才に勝る』に学ぶアイデアの作り方

天才的発想はグループゆえに生まれる。『凡才の集団は孤高の天才に勝る』に学ぶアイデアの作り方

出典:activephotostyle.biz

 企画や商品開発などビジネスの場では、常に新しいアイデアが求められる。単純なアイデアではなく、そこには「独創性」であったり「斬新さ」といった言葉が付随してくる。どうしたら世に言う「面白いアイデア」というものが生み出せるのか、悩んだことのある人も多いのではないだろうか。

 今回は、人の創造性について研究しているキース・ソーヤー氏の著書『凡才の集団は孤高の天才に勝るー「グループジーニアス」が生み出すものすごいアイデア』という本を紹介する。

アイデアは、1人の力で閃くものじゃない

by Thomas Leuthard

 著者が声を大にして伝えていることは、「ものすごいアイデアはたった1人で生み出せるものではない」ということである。本書では、アイデアや閃きが生まれるプロセスを次のように示している。

 「人が何か閃きを得る際にはそれ生む原因となったものがあり、それは他人とのコミュニケーションから得られる経験や知識である」

 多くの場合、人は自らの経験や知識を基に閃きを生み出すが、ベースが自分であるために自分の持つもの以上のアイデアを閃くことは難しい。しかし、自分とは異なった経験や知識を持つ他者との関わりによって、新たな閃きのピースが得られる。こうすることによって自分の持つもの以上の閃きを出すことが可能になる。

 例として挙げるならば、個人が持つ経験を1としたとき、Aさんに1以上のものは出せない。しかしAさんがBさんと一緒になれば(1+1=)2まで出せるようになるのだ。これが10人になれば、最初は1しか出せなかったものが、10出せるようになるということである。

 著者は、閃くためには多くのピースが必要だが、それは他者との関わりによって増やすことが可能であると述べている。

コラボレーションが、創造性にとって重要

 「閃きに他者との関わりが必要」には、もう一つの理由があると筆者は述べる。

 いくら閃いたからといっても、それが実は既存のアイデアだったということは多々ある。独創性のあるものが生まれるのは本当に稀である。また個人には考える際の基準がそれぞれあって、自分の基準を超える発想を生むのは確かに難しい。

 しかし異なった基準や発想を持つ者同士が一緒にアイデアを出したら、どうなるだろうか。aという発想の人にはaしか出せないが、bという発想の人がいれば、1人では思い浮かばなかったabという発想を生むことができる。

 意見の衝突やコンセンサスの確認など個人でやるより時間はかかるだろうが、自分の枠を超えたアイデアが生まれたり、誰かが出した既存のアイデア同士をくっつけて今までにない発想が生まれる。集団は個人の創造性を超えた、より創造性のあるものを生み出すことができるのであると筆者は述べている。

集団思考の落とし穴

by sisssou

 個人ではなく多くの人と考えることが重要であるが、落とし穴もあると著者は言う。

 常に同じ集団で考えていると、集団思考でありながら、それは次第に大きな個人思考となっていくのである。初めの内は、色々と新規性や創造性のあるものを生み出せるが、集団が固定化し始めると、個人の場合と同様にその集団以上のものが出せなくなってくるのである。これが集団であり個人でもあるということだ。

 今までの例を踏まえて言えば、aが10人集まって考えてもやはりa×10以上のことは出てこなくなってしまうのである。

 著者は、この落とし穴を回避する方法を次のように述べる。「集団外の人とも関わりを作り、流動的なコラボレーションを行うことが、創造性を生み続けるために不可欠である」。これはつまり集団を固定化せず、常に関わる人や環境を変えることで、アイデアの創造性は失われないということである。


 今まさにアイデアが出せなくて困っているのであれば、ぜひ読んでみてはどうだろうか。


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