1. 「のどぬ~る」に「ナイシトール」……小林製薬独特のネーミングセンスに学ぶ、「差別化の技術」

「のどぬ~る」に「ナイシトール」……小林製薬独特のネーミングセンスに学ぶ、「差別化の技術」

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 のどが痛くなったとき、多くの人は「のどぬ~る」を使用する。というか、のどの痛みを抑える薬で、「のどぬ~る」以外の商品名が中々出てこない人が多いだろう。なぜかわからないけど、他の商品の名前を思い出せないのである。

 これは、のどぬ~るが商品名として強く人の記憶に残っていることが大きな要因である。他にも、トイレ用洗剤の「ブルーレットおくだけ」やシミとり薬の「ケシミン」などが強い印象に残っているだろう。

 実はこれらの薬品、全て同じ会社の商品なのだ。その会社こそが、小林製薬である。小林製薬が作っている商品は、何かと「特徴的な」ネーミングが施されている。小林製薬にとってネーミングとは、他社との差別化を図るのに最適な手段なのだ。

 今回は、小林製薬の商品ネーミングを分析し、「名前」で他と差別化を図る方法をご紹介しよう。

のど+塗る=のどぬ~る

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 冒頭でも紹介したのどぬ~るだが、この名前を聞いただけで全ての人が使用方法を一瞬で理解できてしまう。小林製薬のネーミングはしばしば、使用方法をそのまま名前に採用してしまう手法が用いられている。「ブルーレットおくだけ」も同じく、使用方法がそのまま名前になっている。

 このように、使用方法がそのまま名前にくることで、商品に内容がわかりやすいだけでなく、使用方法の単純さもアピールすることができるのだ。裏を返せば、使用方法が複雑な商品というのは、このような差別化は用いない方が賢明である。

内臓脂肪+取り除く=ナイシトール

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 肥満症を改善する薬で、小林製薬はナイシトールという商品を売り出している。これもそのまま、「内臓脂肪を取り除く」からナイシトール、という名前が付いた。もはやドラえもんのひみつ道具だと言われても違和感がない。

 ナイシトールというネーミングが優れている点は、「何をしてくれるか」がわかりやすいということである。ナイシトールを飲むことでどのような利益が得られるのか、非常にわかりやすい。得られる利益が他の製品と変わらなかったとしても、この「わかりやすさ」が他との差別化を促進しているのだ。

優先すべきは「わかりやすさ」

小林製薬のモットーとは何よりも「わかりやすさ」です。常に目新しい製品をつくっているので、どのような製品かがすぐ伝わるCMや効能・効果が想像しやすいネーミングにこだわっています。

出典:小林ダイジェスト | 企業情報 | 小林製薬株式会社
 以上の2つを見て考えさせられるのは、小林製薬のネーミングは「わかりやすい」ということだ。流行に合わせてカッコよく、というスタイルではなく、あくまでも「わかりやすさ」を追求している。他社の商品がカッコよく見せるようなネーミングをしているからこそ、小林製薬のネーミングは差別化を図ることができている。

 このネーミングだが、小林製薬では多大な時間をかけて行われているのだそう。ネーミングのためだけに、あらゆる部署に所属する20~30人の社員が会議に参加しているのだから驚きだ。


 競合優位性の保ち方として、「商品の性能で他社と差別化を図る」というのが理想の姿と思いがちだ。しかし、小林製薬のようにネーミングでの差別化ができれば、商品の持つ魅力をより引き出すことができるだろう。ネーミング含め、「商品設計」だと忘れてはいけない。

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