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「その宴会、残業代出ますか?」なんて言わせない! 京セラを躍進させた究極の飲み会『稲盛流コンパ』

Yasutaka Nagataki

2015/06/09(最終更新日:2015/06/09)


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「その宴会、残業代出ますか?」なんて言わせない! 京セラを躍進させた究極の飲み会『稲盛流コンパ』 1番目の画像
出典:www.flickr.com
 スマホ事業などで安定した地位を築き上げている一大企業、京セラ。そんな京セラの本社には、他社のオフィスにはまず存在しえない設備がある。

 それは「100畳の和室」だ。ここで何をするか、「コンパ」である。京セラでは、本社の12階に存在する宴会場でコンパが行われるのである。このコンパこそ、京セラが急成長を遂げた大きな理由の一つだ。

 今回紹介する著書『稲盛流コンパ』では、そんな京セラが開催しているコンパに込められた意味や、コンパを経て学べる精神論について述べられている。

コンパは「全員参加」が鉄則

 京セラのコンパは、全員参加が当たり前だ。それは、そのくらい会社がコンパを重くとらえているからというだけでなく、一人ひとりのコンパに対する意識の高さの表れともいえる。

 一方で普通の企業では、意識の差を感じることが多々ある。たとえばコンパと聞いた瞬間、「それ残業手当出ますか?」と聞いてくる新入社員がいるとする。もちろん、会社という単位でプライベートを拘束をするため、その考えも一理ある。だが、冷静に考えてコンパで「残業代」が出ないことは明白だ。「残業代が必要だ」というように思わせてしまっているのは、コンパの意味をしっかりと伝えられていないという原因がある。

 コンパの意味をしっかり伝え、意地でも全員で開催する。ある種の「執念」がコンパに向けて働くことで、目標達成に対する執念・全員で一つのことをやろうという団結力が養われるのだ。

「役員」が「新入社員」にお酌をする

 通常コンパにおいて、一番動き回らなければならないのが「新入社員」である。立場が最も低いため、当然コンパでの立場も一番低い、というのが常識だ。

 しかし、京セラのコンパでは、ある大切な考えをコンパで知ってもらうべく、役員も動き回るようになっている。その考えとは「利他的である」ということだ。自分の利益より、相手の利益を常に考えて行動が出来るようにさせる。この精神論をコンパで考えてもらおうというねらいなのだ。

 そのため、手酌のように自分で自分の利益を満たすためだけの行動はご法度とされている。また、役員になればなるほど、鍋の仕切るテクニックがあがっていくのだとか。

コンパは「意見交換」の場所

 仕事中、上司に不満を持ったとしても、中々言い出せないものである。それでも、一度心の中に残ったわだかまりは、簡単に消えるものではない。そうしていつか、何らかの形で爆発してしまうのだ。

 そうならないためにも、意見を言いやすい、お互いがリベラルな関係である場所というものが必要だ。京セラにとって、コンパこそがその場所となるのだ。自分の人生観、将来の夢や、職場の愚痴、不満などが宴会場(職場)で飛び交っている。この意見交換があるからこそ、社員たちは日ごろの業務を気持ちよく行える。そしてコンパに対する考え方も、ただの面倒な行事から意見交換の場所へと、考えが変わっていくのだ。


 コンパを開きたいが、あまり乗り気になってくれない部下を抱えている人も、自分がその乗り気ではない部下に相当する人も、是非一度本書をチェックしてみてはいかがだろうか。



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