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「なりたかった自分」と今の自分が違う人へ。「いい仕事」をするために『自分をいかして生きる』

Yasutaka Nagataki

2015/06/11(最終更新日:2015/06/11)


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by Nicholas_T

人間は基本的に、「いい仕事」をしたい生き物だと思う。給料や条件とかステイタスの話ではなく、他の人々に対して「いい影響を持ちたい」、という欲求があると思う。

出典:西村佳哲(2011)『自分をいかして生きる』
 「いい仕事をするとはいったい何なのだろう」。仕事を続けていると、こういった問いにぶつかることがある。別に今の仕事に不満があるわけではないが、かといって満足しているわけでもない。そんなとき、自分がやりたい仕事についてふと考えてみる。

 本書『自分をいかして生きる』は、そんな問いを抱えている人にオススメの一冊だ。いい仕事とはなにかということや、働くことの本当の意義について、事細かに説明がなされている。

「やりたい仕事」ではなく「なりたい自分」

 やりたい仕事があったとしても、その仕事に就けたという人は中々いないものだ。そして、やりたい仕事についてはいるものの、毎日楽しく仕事をこなしているという人はもっと少なくなってしまうだろう。

 問題なのは、「何がやりたいか」なのではない。「どうなりたいか」である。「○○(職業名)になりたい」という希望を持つのではなく、「○○な人になりたい」という「形容」している部分をしっかり持つことが重要なのである。

「好きな仕事」を見つけるために

今はお客さんの立場でも、ずっとそのままでいられるかというとそんなことはない。というか、そうありたくない。
気持ちがザワザワする。落ち着かない。見たくない。悔しい。時にはその場から走り出したくさえなるような、本人にもわけのわからない持て余す感覚を感じている人は、そのことについて、ただお客さんではいられない人なんじゃないかと思う。

出典:西村佳哲(2011)『自分をいかして生きる』
 「好きを仕事にする」という言葉をよく耳にする。しかし、改めて考えてみるとよくわからないことが多い。趣味を仕事にするわけでもない、「好き」なものがとても仕事にできるものではない――この言葉の実現は、意外と難しいように感じる。

 そもそも、仕事に対して「好き」であるとはどういった状態なのか。本書ではそれを「お客さんではいられない」状態と述べている。お客さんとしてあるサービスを受けたときに、他の誰かがこのサービスをやっていることに対して、歯がゆくなったり落ち着かなくなったり、なんだかわけのわからない感覚に苛まれることがある。この感情が「好きな仕事」に出会った瞬間なのだ。

 自分がやりたいことはいったい何なのか、自分が目指しているものを見失いつつある人は、本書を読んでもう一度「自分のいかし方」を考え直してみてはいかがだろうか。



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