1. 金融のイメージを大きく覆す、鎌倉投信の「非常識な投資ルール」:『投資は「きれいごと」で成功する』

金融のイメージを大きく覆す、鎌倉投信の「非常識な投資ルール」:『投資は「きれいごと」で成功する』


 投資というと、経済学を勉強し、カネの動きに注目すればいいと思っている人は多い。そしてその人たちの多くは、自分が投資をする際、単純に安定感のある会社や、倒産する可能性の低い会社を選ぶなど、堅実にいくのが一番であると考えているだろう。

 投資信託のひとつに「結い 2101」というものがある。これは鎌倉投信が運用・販売しているものだ。鎌倉投信は鎌倉の築85年の古民家から始まった投資信託であるが、現在純資産130億円を超え、「R&Iファンド大賞2013」では投資信託・国内株式部門で1位を取るものにまで伸びている。サービスを開始してわずかに5年であるが、なぜここまで成長できたのだろうか。

 本書『投資は「きれいごと」で成功する』では、そんな鎌倉投信の成功の秘訣が述べられている。いくつかご紹介しよう。

「勝つ」のではなく「応援」する

私たち鎌倉投信は勝ち負けにこだわっていません。有利・不利という概念もありません。いい会社を見つけ、「結い 2101」を通じて応援することで、いい日本をつくる。それが目的です。

出典:新井和宏(2015)/投資は「きれいごと」で成功する

 通常、投資信託が投資をする際には、企業の「資本」や「創業年数」などの数字を目にしたうえで判断を下す。資本が少なく創業年数が浅いと、まだまだ不安定だと思われることが多い。この場において割を食うのが、資本が少なく起業してから日の経っていない「ベンチャー企業」であることが多い。なぜなら、会社が不安定であるため、投資に「負けるリスク」が大企業に比べて圧倒的に大きいからだ。ベンチャー企業は現状の社会で投資をしてもらうということは非常に難しい。

 しかし「結い 2101」では、そういった企業の持っている「ステータス」に対してこだわりを持たない。企業のステータスよりも、これから実行に移そうとしているビジネスや、社内の雰囲気などといった「内面」にこだわっているのだ。なぜなら、「結い 2101」は勝ち負けのために投資をしているのではなく、そういった「アイデアはあるのにお金がない」企業を「応援」するために投資を行っているからだ。

リターンは「お金」だけではない

鎌倉投信では、「リターン(投資の果実)」を3つ、定義しました。まずは「資産の形成」。(中略)加えて、投資先企業が活躍する「社会の形成」、そして受益者の「心の形成」も、リターンに加えました。

出典:新井和宏(2015)/投資は「きれいごと」で成功する

 「投資」と聞いて、多くの人が考えるのが、「お金が返ってこなければ投資の意味がない」ということだ。事実、お金を企業に投じているのに、元本割れを起こして返ってくると、損をしたと感じてしまう。

 しかし、鎌倉投信では、投資によって得られる利益を単純な「お金」にとどまらせていない。投資をすることで活性化した企業が社会に対してインパクトを与えれば、それも「利益」として換算するのである。自分が投資した先の企業が成功し、社会で認められる。それだけで投資家は「幸せ」を感じられるのではないだろうか、そう述べているのだ。


 企業に投資をするということが、単純なお金儲けのための作業と感じている人は少なくないだろう。そんな人には、この本を読んで、今一度「投資」という行為のあり方について考え直してほしい。

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