1. 「ロジカル」に飽きた議論の「突破口」に。『3分でわかるラテラル・シンキングの基本』

「ロジカル」に飽きた議論の「突破口」に。『3分でわかるラテラル・シンキングの基本』


 「ロジカル・シンキング」をご存知だろうか。物事を論理的に考え、一貫して筋を通す考え、説明のことである。昨今の社会人に求められるスキルとして絶対的に外せないものとなっている。

 では、「ラテラル・シンキング」はご存知だろうか。ラテラル・シンキングとは、ラテラル(lateral)、すなわち側面から水平に物事を思考する、いわば水平思考のことである。日本では、高度経済成長期に一度ブームを巻き起こした考え方となっている。

 今回は、そんな「ラテラル・シンキング」の入門書『3分でわかるラテラル・シンキングの基本』に書かれているテクニックついて紹介していこう。

既存の「常識」を疑ってかかれ ~挑戦的発想~

 世の中には、様々な「モノ」が溢れかえっている。その多くは、前述の「ロジカル・シンキング」によって論理的に導き出され、非常に合理的に完成されている。このように、ロジカル・シンキングは使い古され、「枯れている」のだ。

 しかしそれが、必ずしもいいものになるとは限らない。セブンイレブンの例を出してみよう。セブンイレブンでは、小売業界としては「常識」とも言える「先入先出法」ではなく、「後入先出法」を用いている。そのおかげで、常に客の目には日付の新しい商品が並び、商品の回転率があがっているように見せることができているのだ。

 このように、既存の「常識」を疑ってかかることで、思わぬヒットにつながることがある。これが、「ラテラル・シンキング」の利点の一つである。

「押して」ダメなら「引いて」みる ~逆転の発想~

 もし、前も後ろも左右にも逃げ道がない渋滞の登り坂で、前の車が乗っている人の意思と無関係に下がってきていたら、あなたはどうするだろうか。そんな質問を受けた多くの人は、「クラクションを鳴らして知らせる」や「極限まで下がる」といった回答をするだろう。しかし、この行動をとったところで、時間稼ぎにしかならないのは明白である。まして、「極限まで下がる」行動をとった場合、下がった分上の車は坂道を加速して下がることになり、却って大きな事故につながる危険も孕んでいる。

 しかし、ラテラル・シンキングの場合は違う。逆に、「ギリギリまで前に進んで、接触するギリギリで静止する」という回答になるのだ。ギリギリまで前に進む場合、前の車と加速することなくぶつかり、後続車との玉突き事故も回避することが出来る。

 ただ時間を作っても無意味だということをはじめから理解し、そのうえで「逆に」距離を詰めて被害を最小限にとどめる。まさに逆転の発想なのだ。

既存のモノとモノを「組み合わせる」 ~刺激的発想~

 最近発明された文具に、「シュレッダーはさみ」というものがある。文字通り、既存の製品「シュレッダー」と「はさみ」を組み合わせた、いわゆる「アイデア商品」である。

 この商品のように、既存の一商品に対して、別の商品を組み合わせてみたり、あるいは「あえて」機能を一つ減らしてみたりと、商品に「刺激」を与える発想もラテラル・シンキングでは歓迎している。昨今話題の「主婦発明」の多くはこの「刺激的発想」をベースに考えられていると言っても過言ではないだろう。


 以上のように、本書には様々な「ラテラル・シンキング」の考え方が3つの基本・7つの実践に基づいて紹介されている。ロジカル・シンキングで議論が膠着しているとき、この考え方を知っていれば、議論の新たな突破口となるかも知れない。



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