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「新卒思考」はNG。平成生まれの昭和的リーダーシップ――20代、事業責任者やってます。vol.1

Yudai Imamura

2015/03/16(最終更新日:2015/03/16)


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「新卒思考」はNG。平成生まれの昭和的リーダーシップ――20代、事業責任者やってます。vol.1 1番目の画像

 新卒なんだから、ちょっとぐらい仕事でミスしても許される――。「ゆとり世代」と揶揄されることもある近頃の若手ビジネスマンの中には、そんな甘い考えを持ったまま仕事に臨んでしまっている人もいるのではないだろうか。確かに、右も左もわからない社会人1年目は、多少の失敗は避けて通れない。しかし、自ら「新卒」という甘えを断ち切ることで、成長スピードをより高めることができるそうだ。

 株式会社ネオキャリアの山本直生さんも、「新卒」という甘えを捨ててきた一人。彼は入社当初から同社の新たな領域である介護事業の立ち上げに加わり、新人賞を受賞。その成績を買われ、2年目以降から新事業部の支店長を務めている。

 20代前半にして支店長を務め、チームマネジメントもこなす彼は、自分と同世代の部下にも「自らを『新卒』だと思うな」と説いているそうだ。どこか昭和のにおいがする彼のチームマネジメント法とは、どのようなものなのだろう?


――山本さんは入社1年目で新人賞を受賞し、その実績をもとに新事業部の支店長を務めているそうですね。まず、新人賞を受賞された要因は何だと思いますか?

 先輩方からのフォローがあったことはもちろんですが、「社内の評価だけにとらわれない」と常に心がけていました。社内でどれだけの成果を挙げたかよりも、競合他社のビジネスマンと比べた時に、今自分がどのくらいの立ち位置にいるのか。これを常に注視し続けた結果、気づいたら社内の新卒メンバーの中でトップになっていましたね。

 事業立ち上げ当初は介護や医療業界自体の知識が圧倒的に不足していたので、まずはとにかく現場のお客様の声を聞こうと思って、お客様へ「今の一番の悩みは何ですか」と毎日聞いて回っていましたね。これは今でも行うようにしていて、「現場のお客様の声を聞く」ということに関しては誰よりもやってきたと自負しております。


――現在支店長を務めている山本さんですが、チームマネジメントにおいて心がけていることはありますか?

 僕の部下には新卒メンバーが多いんです。だから、自分が一つ、二つ上の兄貴として接するようには心がけていますね。たいして歳の変わらない僕が語る社会人としての基礎知識やこれまでの経験は、彼らにとって非常にリアルなもの。新卒メンバーの心にも響くんじゃないかと思っています。

 ただ、僕は入社した時から、「自分が新卒であること」を忘れるようにしていました。この考えは、今の部下達に対しても徹底させています。「1年目だからしょうがないな」と思う部分は確かにありますが、例えば「仕事が辛い」などといった新卒にありがちな思考は、一切受け付けないようにしています。


――それは、新卒の多くには「新卒だから」という甘えを持ってしまっていると考えてのことでしょうか?

 そうですね。あと、上司である僕が彼らを「新卒だから」という目線で接してしまうと、せっかくの成長の機会を潰してしまう恐れもあるので。ただ新卒でも、礼儀、礼節といったモラルの部分は徹底させています。僕自身は学生時代の部活でかなり鍛えられましたね。挨拶とか時間を守るとか、返事をするとか……。こういう基本的なことができなければ、年齢にかかわらず叱ります。そういう意味で言うと、僕のチームは体育会のような雰囲気があるかもしれません。

 僕も含めて1~3年目のビジネスマンなんて、社会から見ればガキんちょみたいなもの。そんな僕らに何ができるかといったら、こうした基本的なマナーを徹底的にすることだと思うんですよね。「当たり前のことを、当たり前にやっていかなきゃいけない」と、部下には常に言っています。当たり前なことだからこそ、「新卒だから」という言い逃れはさせないようにしています。


――新卒入社2年目から支店長という責任ある役職に就いていますが、仕事をする上で何か参考にしているものはありますか?

 実はあまりないんです。そう言うと生意気に聞こえるかもしれませんが(笑)。ただ、あえて言うなら他の人のテクニックは真似しないようにしています。よくある商談のまとめ方や受注の仕方という営業のテクニックというのは、場数を踏んで自らの経験から学ぶものだと思っています。なので、部下にもいわゆるテクニック的なことはあえて教えないようにしていますね。

 事業部自体が若い組織なので、営業メンバーも入社1~3年目が多いんです。そんな彼らが小手先のテクニックで上手くこなそうとしても、限界がありますよね。それでも「どう営業すればいいですか?」などと聞いてくる部下は多いんですが、そういうメンバーに対しては答えを与え過ぎず、「まず、自分で体験してみて考えなさい」と言うようにしています。


――現在、チームをまとめていく中で、どのようなところに難しさを感じていますか?

 チームで同じベクトルを向いて仕事していくための、「目標設定の仕方」というのは難しいものですね。例えば、僕のように「早く支店長やトップ営業になりたい」と考えているメンバーもいれば、中にはそれが目標ではないメンバーもいる。

 ただ、全員「成長したい」という共通の想いは持っているので、上司として必ず成長させてあげたい、と思うんです。そのためにも、一人ひとりが持っている成長意欲を喚起させ、チームとして目指すべき目標を統一していくことが大切だなと感じています。


――山本さんはどのような考えのもとで、目標をチームに共有させているのでしょう?

 まずは、支店長である僕が最終的にどうなりたいのか、というチームとしてのゴールを明確に提示することを意識しています。そして、「同じチームである以上、チームで掲げた目標に向けては、何が何でも全力を注いでもらう」というスタンスをとっていますね(笑)。

 会社としての目標があり、その一端を担う事業部として僕らの目標があります。特に僕たちが携わっている介護事業に関しては、国を挙げて課題解決に取り組んでいる業界でもある。だからこそ、「僕達がやらなくては!」という強い使命感のもと、全力を注ぐ必要があると思うんですよね。

 世の中にはそういった「やるべきこと」を果たさずに、自分の権利ばかりを主張している人もいると思いますが、個人的にそれはおかしいのではないかなと。会社はもちろんのこと、何か組織に所属する以上、その組織が目指す目標に向かってメンバー全員で取り組んでいくべきだと思うんですよね。だからこそ、より強い力が生まれ、組織力が発揮される。組織が目指す目標の達成に向けて全力を注いだ上で、さらに+αで自分の持つ目標に対して取り組んでいけばいいのではないでしょうか。

山本直生(やまもと・なおき)さんプロフィール

株式会社ネオキャリア ナイス介護事業部 新宿支店 支店長
1989年生まれ。 幼少期よりサッカーをはじめ、ユースチームに所属し、大学はサッカー名門大学に進学。 サッカー選手への夢を追うも怪我で断念。2012年4月株式会社ネオキャリアに入社。 1年目に新規事業として介護領域の事業立ち上げに抜擢され、その年の新卒成績トップメンバーとしてゴールデンルーキー賞を受賞。その後、最年少支店長として2拠点の支店立上げを任される。 現在は、事業部で最大規模の新宿支店における責任者として活躍中。 今後は介護領域で№1を勝ち獲るべく、新しいサービスの展開も視野に入れて猛進している。

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