1. 想いをカタチに変えるひらめきの手法 『問題解決ラボ』

想いをカタチに変えるひらめきの手法 『問題解決ラボ』


 課題解決やイノベーションにおいて、「ひらめき」は必須事項。

 ロッテ、エステー、コカ・コーラなど、300超の案件を同時進行で解決するデザイナー
の佐藤オオキ氏は、デザインをするとき「新しい視点を提供することでいかにして目の前の問題を解決できるか」を考えるそう。

 今回はそんな佐藤氏の著書『問題解決ラボ』の内容を、「アイデアの発想法」と「差別化」という観点からご紹介していきます。

ちょっとした思いつきから。「串刺し発想法」

直線であることが大事なんです。「直線=最短距離」なので、文字通り複数のイメージが「直結」するからです。

出典:佐藤オオキ(2015)『問題解決ラボ』

 著者が実践するアイデアの発想法は、「焼き鳥」のように複数のイメージを連ならせて発見する「串刺し発想法」

 例えば、著者がデンマークの家具メーカーから、家具と雑貨から成るコレクションを依頼されたときのこと。リサーチしていく中で、鳥や猿といった、インテリアをほっこりと和ませる役割のある木製の小さな置物が気になりました。

 また、同時期にカフェで休憩していたとき。老人がテーブルに置いた帽子の下に潜っていた携帯を見つけられず慌てて探す姿を見て、「帽子」「下に何かを隠す収納」「木製の置物」「鳥」というキーワードを頭の中に浮遊させました。

 それらのイメージを串刺しして生まれたのが、鳥と帽子が融合した「hat-bird」。裏にあるわずかな窪みで鍵や小銭を隠しておくことができる置物です。

 「ちょっとした思いつき」から生まれた、愛着のあるデザインなのでした。

完全な独自路線の先に「差別化」がある

マグネシウムの塊から削り出してボディを作ったり、アルミの押し出し成形でiPodminiを作ったり。(中略)それを実現してしまうから、ユーザーはワクワクするのです。

出典: 佐藤オオキ(2015)『問題解決ラボ』

 最近のApple商品は、「どことなくお利口さんになった」「昔あったワクワク感に欠ける」と著者は言います。

 昔は「リンゴ党」などと呼ばれ、世間から白い目で見られる弱小野党でした。G4 Cubeを買えば、その冷却能力の低さから「新しい暖房を買ったのか」と聞かれ、iBookを持ち歩けば、「上腕二頭筋を鍛えるのか」と言われる……。

 しかし、偏ったコンセプトや、効率の悪い製造方法に着手するといった完全な独自路線こそが、今も期待されているAppleの魅力です。

 経営者とデザイナー二人三脚の、ひたすら長所を伸ばす製品開発。コストパフォーマンスだけ比べると他社製品の方が頭一つ抜きんでているのに、思わずAppleを買ってしまう。それだけの「狂気」が込められた芸当となっています。

 日本企業では、差別化を考えても相対評価をしてしまいがち。そうではなく、市場の動向を無視して自分たちのやりたいことをやる「自己チュー」な考え方が必要だと著者は言います。


 ひらめき続けるノウハウを多数紹介している『問題解決ラボ』。問題発見・解決の手法を知りたいと感じた方は、一度お手に取ってみてはいかがでしょう?


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