1. ワークライフバランスも目標も実現できる!? 「限定正社員」という新しい働き方の可能性

ワークライフバランスも目標も実現できる!? 「限定正社員」という新しい働き方の可能性

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 アベノミクス成長戦略の一つとして盛り込まれた「限定正社員」という働き方。導入によって、非正規雇用のキャリアアップの機会創出、仕事と家庭の両立などが期待されている制度です。

 今後も増加していくであろうこの働き方ですが、一体どのような働き方なのでしょうか?

限定正社員とは?

 別名、「多様な正社員」「ジョブ型正社員」とも呼ばれる限定正社員。従来の正社員と非正規労働者の間の中間的な雇用形態として位置づけられています。

 一般的に正社員の場合は、残業や転勤、職種転換なども起こりえますが、限定正社員の場合、勤務時間・勤務地・職種が契約で限定されます。例えば、「地域限定正社員」として契約されれば、転勤はありません。このように、勤務時間・勤務地・職種のうちいずれか、もしくは複数の雇用条件が限定されている働き方を「限定正社員」と呼びます。

 また、契約社員と異なり、明確な契約期間が定められていないことも限定正社員の特徴の一つと言えるでしょう。

なぜ限定正社員が注目を集めているのか?

 総務省による2014年の「労働力調査」によると、雇用者におけるパートタイム労働者・アルバイトなどの非正社員の割合は37.9%で約三人に一人の割合を占めています。非正社員の割合は年々増加しており、8期連続の上昇となっています。

 もちろん、非正社員という雇用形態を自らの希望で選択した人もいますが、育児や介護などの事情で正社員になれず、しかたなく非正社員という選択をした人も少なくありません。

 さらに、非正社員の増加と共に、年々進んでいるのが少子高齢化。2010年以降、労働力人口の減少が進む中で、持続的な経済成長を図るためには雇用面からの下支えが必要不可欠です。そのためには、正社員のみならず多くの人材が労働市場に参加できる仕組み作りが求められています。

 このような背景から、個人各々の事情への配慮がなされ、勤務地・勤務時間・職種など人材活用面で柔軟性を持ち、雇用期間に定めがない安定的な働き方として、限定正社員が注目を集めています。

限定正社員の可能性とは?

 限定正社員が持つ可能性については、大きく分けて三つの点から述べることが出来ます。

勤務地の限定:家庭の事情があっても正社員として働ける

 育児や介護など家庭の事情から、勤務地を変えられない人でも安心して正社員として働けます。

 例えば、契約雇用を5年更新した有期雇用労働者の場合。「正社員になりたい」と申し出た時には、多くの場合、転勤の可能性を受け入れるか退職するかが事実上の選択肢となってしまいかねません。

 限定正社員であれば、初めから転勤しないことを労働条件とすることが出来るので仕事を諦めずに家庭との両立を図ることが出来るでしょう。

職種の限定:一つの仕事を極められる

 二つ目に、一直線に目標に向かう人が一つの仕事を極められるというメリットが挙げられます。

 一般的な正社員の場合、たとえ転勤がなかったとしても会社内での職種の変更は大いに考えられます。税理士や会計士など何か一つの職種を極めたい人にとって、正社員としての安定と引き換えに職務の限定を失ってしまうのは、本当に本人が望む働き方とは言いがたいでしょう。

 このように考えると、職種が限定される限定正社員は、何らかの目標に向かって一直線に頑張る人を後押しする働き方と捉えることも出来ます。

勤務時間の限定:ワークライフバランスの実現

 勤務時間の限定がなされているがゆえに、正社員としての安定を確保しつつ、育児や自己啓発などのワークライフバランスを実現することも可能となります。

 出産や育児、介護といった家庭の事情はもちろん、定時後に「夜間の大学院に通いたい」「資格試験のための学校に通いたい」という人もいるはずです。しかし、現在のところ、このような理由に対して時間外労働を免除する法的制度は存在していません。

 従来の正社員に比べると、賃金や昇進といった面では不利にはなりますが、生涯を通じてワークライフバランスを重視する働き方を望む人や、資格や学校など、仕事外での自己実現のために時間を費やしたい人にとって、限定正社員は非常にありがたい働き方だと言えるでしょう。


 個人のニーズは時代とともに多様化し続けています。様々なニーズに対応できる限定正社員という雇用形態が、今まで以上に個人の働き方を広げる大きな可能性を秘めているかもしれません。

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