1. 一票の格差是正に向け新制度導入を検討 新制度、「アダムズ方式」とはどのような制度なのか

一票の格差是正に向け新制度導入を検討 新制度、「アダムズ方式」とはどのような制度なのか

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 日本の選挙実施後に必ず浮上する問題として「一票の格差」の問題がある。昨年12月に行なわれた衆議院選挙でも、一票の格差を是正しないまま選挙が行なわれたことに対し「憲法違反」であるとして選挙無効を求める訴訟が起きた。

 未だ解決が見えない一票の格差問題だが、現在の政界では選挙制度改革に向けた動きが見え始めている。

一票の格差是正を目指し「アダムズ方式」の採用を検討

 現在、衆院選挙制度に関する調査会が格差是正に向け、衆院選への「アダムズ方式」の採用を検討している。この調査会による検討は以前から行なわれてきたものであり、昨年の衆議院解散や総選挙で中断していた。今回の開催で5回目となる。

アダムズ方式で一票の格差は「1.568倍」に

 現在の衆院選では、各都道府県に1議席を配分した後(一人別枠方式)、残った議席数を人口比例で割り振る方式を採用している。検討中のアダムズ方式が採用された場合には、現行の方式は廃止される見通しだ。

 そもそもアダムズ方式とは、各都道府県の人口を一定の数値で割った後、小数点を切り上げた数値を定数として採用、その合計議席数が現在の295議席となるように調整する計算方法のことを指す。様々ある選挙方式の中で増減が少ない方式で、各都道府県の人口比を反映しやすい。

 最高裁の判例によると衆院選に認められる格差は「2倍未満」であり、調査会はこの範囲内を目指して制度変更を行ないたい考えだ。

 この方式を採用した場合、東北や九州などの各県で1議席ずつ減少、首都圏などで9議席増加する「9増9減」となり、一票の格差は「1.568倍」に。さらに、将来の人口減少に備えた対応も可能となり、2030年の推計人口でも「1.732」倍となり、基準をクリアできる見通しだ。

新制度採用に意見が割れる与野党

 新選挙制度採用に関しての意見が与野党で分かれていることから、決定が先延ばしされることが予想できる。安倍首相は検討が行なわれている調査会の決定に従う考えを見せているが、与党内では「地方の選挙区が減ってしまう」ことなどを理由に反対意見が目立つ。一方で民主や維新をはじめとする野党は、アダムズ方式の採用に賛成する姿勢を見せている。

 安倍首相が従うとしている調査会の決定に拘束力はないため、最終判断は国会での議論となるだろう。そこで、与野党の意見がまとまらないまま議論が始まってしまえば、選挙制度改革は長引くことを避けられない。


 アダムズ方式の採用に関しては、元々は民主党が3年前に提唱しており、2013年の通常国会で結論が出されることになっていた。今回もまた結論が先延ばしされ、一票の格差が是正されないまま新たな選挙を行なうようなことは避けられなくてはならない。

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