1. 悪質なサイバー犯罪に懲役8年 「サイバー犯罪捜査基盤の脆弱性」打破に向けた改革とは

悪質なサイバー犯罪に懲役8年 「サイバー犯罪捜査基盤の脆弱性」打破に向けた改革とは

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 近年、サイバー犯罪は増加傾向にあり、昨年の相談件数は過去最多の約1140件。技術の進化と共に新たな犯罪に対する捜査の見直しの必要性が伺える。

 その中でも類を見ない悪質な犯罪であるとして今年2月に判決が下された事件がある。それは2012年に起きた、無差別殺人や爆破の予告が自治体や幼稚園にメールで送られたもので、容疑者が特定されず四人もの一般市民が誤認逮捕された。この事件の反省を生かし、警察はサイバー犯罪捜査の強化見直しを図る考えだ。

「悪質なサイバー犯罪」に懲役8年

 今回の判決は、日本のサイバー犯罪の中では比較的重いものだった。というのも、この事件は様々な機関に脅迫メールを行なうだけでなく、その送信時に第三者のパソコンを遠隔操作。さらに容疑がかけられた後に、自分が公判の時間にメール送信を可能にするなどの隠蔽工作を行なった。この事件の悪質性を加味した上で、懲役8年という判決が下されたようだ。

「サイバー犯罪捜査基盤の脆弱性」と「取り調べの可視化」が問題に

 犯罪の悪質性は言うまでもないが、今回の事件では、「サイバー犯罪捜査基盤の脆弱性」や「取り調べの可視化」が問題視された。

 捜査員らは遠隔操作可能ウイルスの存在を知らず、IPアドレス(それぞれのパソコンを識別する番号)を頼りにパソコンの所有者四人を誤認逮捕。さらに容疑者ではない者にむりやり自白させた。時代や技術の飛躍的な進展に対して、捜査が出遅れていることが明らかである。

サイバー犯罪捜査の基盤強化に

 この事件を受け、警察は早急に「不正プログラム解析センター」を設置。これは、都道府県警ごとに行なわれてきた不正プログラムの解析情報を集約するもので、サイバー犯罪に全国規模で対応する狙いがある。設置から2年後、名前を「高度情報技術解析センター」に改め格上げを行ない、人材などの体制を強化した。

 さらに警察は、今年度から新たにサイバー犯罪に携わる人材の強化を行なう。そのために、以前から知識不足解消のために導入されているサイバー犯罪捜査検定の内容を変更する見通しだ。全ての警察官に検定の受験資格を与え、専門家などの第三者を取り入れて検定内容の最適化を行なう。


 時代と共に変化していく犯罪内容に苦心する各機関。犯罪内容が発展していく今、それぞれの機関は犯罪に追いつくだけではなく、犯罪を未然に防ぐことが求められる。

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