1. 「自称・イクメン」になっていませんか?ーー「週3日勤務」経験のパパが世の旦那さん達に伝えたいこと

「自称・イクメン」になっていませんか?ーー「週3日勤務」経験のパパが世の旦那さん達に伝えたいこと

 
 家族を養っていくためにも、仕事に100%力を注がなければ――。自身のライフプランをイメージする上で、このように仕事一筋で生きようと考えている人も多いだろう。もちろん、それも生き方の一つ。だが、中には仕事の量を減らしてでも、子ども の成長を見届けたいと考えるビジネスマンだっているのだ。

 「人生の優先順位をどこに置くかで、働き方を変えればいい」と語っているのは、株式会社ネオキャリアの篠原広高さん。篠原さんは子どもが生まれたばかりの頃、「子どもや家族とより多くの時間を共有したい」という思いから、仕事中心の生活を一変させ「週3日勤務」という働き方を実践してきた。

 近年「イクメン」という話をよく聞くが、それは世の男性が育児をすること自体が、まだまだ珍しいと認識されている証拠だろう。今回は篠原さんに、仕事もしつつ家族の幸せを築いていくための、旦那さんの在り方について語ってもらった。


――子どもが生まれたことをきっかけに仕事を「週3日勤務」に切り替えたそうですね。その経緯について教えてください。

 娘が生まれた直後から働き方を変えたわけではなかったんです。その頃はちょうど会社で新規サービスを立ち上げたタイミング。また僕自身、働くことが楽しくてしょうがない性格なので、家に居る時間はとても短かった。娘と唯一触れ合うのは、休日や会社に行くまでの時間に抱っこするぐらい。次に会うのはまた一週間後、といった生活でした。

 でもある日、抱っこしていると娘が「あー」って喃語(なんご)を発したんです。それを聞いた時に、「一週間でこんなにも成長しているのか!」と衝撃を受けたんですよね。そして、「今のような働き方を続けていたら、この子が成長する過程のどこにも自分が関わらないのでは? もしかしたら、すごくもったいないことをしているのかも……」と感じたんです。

 子どもが1歳、2歳……という時期はこの瞬間にしかない。だからせめて、 保育園に通うまでの間は子どもと一緒の時間を大切にしていきたいなと思いました。それで、その年の5月に一度雇用形態を見直し、これからは家族との時間を最優先していくために、週3日勤務での業務委託、という働き方を会社にお願いし、承諾してもらいました。


――一家の働き手である篠原さんが勤務時間を減らすことに対して、不安はありませんでしたか?

 不安はありませんでした。要は自分の人生の優先順位の問題で、お金の優先度が高ければ、おそらくこういう選択はしないはず。実際、収入の面で結構厳しい時期はありましたが、この働き方を自分で選んだのだからと、そこはもう受け入れていました。

 奥さんには、この働き方を決める前に“提案書”のようなものを作って、「収入が最初はこれぐらい減るけど、2年目以降はこんな感じになるので、実際の生活にはそんなに不便がないですよ」とプレゼンして納得してもらえていました。会社には、最初は驚かれましたね。当時は社員の平均年齢が若く、子供のいる人も多くはなかったので、育児を理由に働き方を変えたいと要望する人がまだいませんでしたから。でも最終的には、「そういう働き方もアリだよね」と応援してくれたので、会社にはとても感謝しています。


――近年日本では「ワーキングマザー」「イクメン」といった方がフォーカスされていますが、それは未だ海外と比べると、育児にしっかりと向き合えているビジネスマン自体が少ないからなのではないかと思います。

 その家庭や会社によって異なるとは思いますが、旦那さん本人が育児に関わりたいと思っているのであれば、もっと時間を割いた方が良いのでしょうね。もったいないのは、奥さんが旦那さんにもっとやってもらいたいと思っているのに、旦那さんがそれに気づかない、あるいは気づかないふりをして仕事に没頭してしまうこと。それでは家族としての「幸せの量」が減ってしまいますから。

 家族に大事なのは、家族としての幸せの「総和」なんじゃないかなと思うんです。男性が「俺は育児にたくさん関わっている」と思っているだけでは、それは結局旦那さんのエゴ。旦那さんはやっているつもりでも、それが奥さんの求めているレベルに全然達していなかったら、残念ながら意味がなくなってしまうんですよね。

 家族にとっての幸せの基準はそれぞれ違うと思いますが、「どれだけ幸せでいられるか」を家族としてもっと追求できるといいなと思います。旦那さんがもう一歩踏み込んで、奥さんのことを想って行動する。子どもの将来について、夫婦でたくさん意見交換をする。そんな関わりの連続の中で見えてきた、家族にとって理想的なイメージを目指して、旦那さんも奥さんも一緒に頑張ればいいのだと思います。


――「旦那さんは奥さんをもっと想うこと」とのことですが、具体的には奥さんの何を想えばいいのでしょう?

 「想う」というのは「興味を持つ」ことですね。奥さんが普段やっていることや好きなこと、そして奥さんの想い描く子どもの成長や将来について興味を持つ、ということじゃないでしょうか。

 多くの家族では一番影響力が強いのは、奥さんだと思うんです。子どもたちは間違いなく母親の表情を見ているから、例えばお母さんがニコニコしていないと当然、子どもの心や行動にも影響が及んでくるでしょうね。

 だからこそ、旦那さんがまず視点を向けるべきは奥さん。奥さんの表情が曇っていたり、日常の会話とは違う間で返事が返ってきたりなど、「あれ?」と思ったら、それをすばやくキャッチして行動を起こすことが大事なんだと思います。

篠原広高(しのはら・ひろたか) プロフィール

 株式会社ネオキャリア セカンドキャンパス・就トモCafe 事業マネージャー 
早稲田大学卒業後、2006年4月にネオキャリアへ入社、新卒採用コンサルティング事業部に配属。第一子誕生を機に働き方を見直し、2010年5月、個人事業主に転向。2012年5月、学生のためのフリースペース「就トモCafe」を開設、店長就任。2013年4月、日本大学藝術学部の非常勤講師に就任するなど、学生と社会を結びつける仕事を続けている。

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