デジタル技術の発展により、様々な職業が淘汰されつつある現代。このような社会では、ビジネスパーソンの将来への不安は尽きません。では、10年後20年後も必要とされ続ける人材となるためには、どのようなキャリアを築いたら良いのでしょうか?
いつどこでも必要とされる人材になるためには「希少性」が必要
前述したように、グローバル規模で競争が激化する世の中では、様々な職業が淘汰されつつあります。今後もこの傾向が進み、今ある職業が10年後20年後には淘汰されているという可能性は十分に考えられます。
このような社会の中で、いつどこでも必要とされ続けるために必要なのは「希少性」を高め続けることです。ここで間違えてはいけないのが、やみくもな資格取得や安易な転職。不安に思う人ほど、他人との差別化を図って形ある実績を作ることに励んでしまいがちですが、目的のない資格取得や安易な転職は希少性を高めることには繋がりません。そこは決して勘違いしないように注意が必要です。
では、本質的な希少性を高めるためにはどうしたら良いのでしょうか?
希少性を生み出す「掛け算のキャリア」
希少性を高めるキャリアの考え方としておすすめしたいのが、「掛け算のキャリア」です。これは「自分の得意なスキルをいくつか掛け合わせることによって希少性を高める」というもの。
一つのスキルで希少性を出すには、その分野のトップレベルが求められるため、並大抵の努力では到達出来ません。しかし、他人より得意ないくつかのスキルで相互作用を生めば、一つ一つのスキルがたとえトップレベルでなかったとしても、唯一無二の価値となって希少性を高めることが出来ます。
では、具体的にはどのようにして掛け算のキャリアを築いていけば良いのでしょうか?
「掛け算のキャリア」の築き方
まずは一つのスキルを100人に1人のレベルに
まずは、今の仕事のスキルの中で得意なもの一つを100人に1人のレベルまで引き上げること。ここで重要なのは「誰でも努力すれば100人に1人の人材になれる」ということです。
ジャーナリストのマルコム・グラッドウェル氏は著書『天才! 成功する人々の法則』の中で、どんな人でもある分野について1万時間やれば、その道のマスターとなれることを示しています。1万時間とは、1日8時間、年間200日働いたとして約6年です。誰でも真面目に仕事をしていれば、約6年で一つの分野を極めることが出来るということになります。
100人に1人のスキルを掛け合わせる
100人に1人のスキルが一つあっても競合が多く、希少性が高いとは言えません。しかし、100人に1人のスキルが2つ掛け合わされば、1万人に1人の人材になることが出来るのです。ある分野で100人に1人の人材になったら異なる分野にシフトして、そこでも100人に1人のレベルを目指して掛け合わせます。例えば、医療とファイナンス、営業とマーケティングを掛け合わせるといったような感じです。
最終的には三つのスキルを掛け合わせることで100万人に1人の人材を目指す。一つの分野で100万人に1人の人材になることは非常に難しいですが、三つのスキルの掛け算で100万人に1人の人材を目指すことは決して不可能なことではありません。
株式会社スプリー代表取締役の安藤美冬氏も、自身のキャリアについて以下のように述べています。
何の努力もせずに、必要とされ続けている人など存在しません。いかに客観的に自分のスキルを把握し、早い段階から戦略的に伸ばしていくか。これこそが、業界や会社に関係なく必要とされ続ける人材の共通項なのかもしれません。
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