1. 【会計士Xの裏帳簿】税理士事務所はなぜ「ブラック」と言われがちなのか?

【会計士Xの裏帳簿】税理士事務所はなぜ「ブラック」と言われがちなのか?


 「ブラック企業」という言葉が一般化し、特定業種について「○○業はブラック」といった表現がよく聞かれるようになった。会計業界も時折、他業種と同様「ブラック」という汚名を着せられることがある。では、なぜこういったことが起こるのだろうか?

人の入れ替わりが激しく、募集も多い

 最近「ブラック企業の見分け方」といった記事で、その特徴として「短期間で社員が辞めている」、そしてその帰結として「一年中人材募集をしている」という例が挙げられた。

 税理士事務所は、もともと人の入れ替わりが激しい業種。勤務者の業務に汎用性が高いこと、専門職として独立を含めたキャリア形成の道があることから、一つの事務所に新卒から定年まで勤める形態はそれほど多くない。

 また、一般企業と募集時期が異なるため、ほかの会社を基準にすると、年中募集をし続けているように見えるのだ。よって、一般企業とは異なる業務の性質があることを考慮しておく必要があるだろう。

繁忙期の残業は当たり前問題は支払い

 ブラック企業の象徴とも言えるのが、「長時間労働」と「残業代の問題」だ。税理士事務所には繁忙期があり、決算申告期には残業が多くなることがほとんど。

 もちろん、法定労働時間、「36協定」など残業に関する体制の整備も大切だが、「手当が支払われているか」ということはそれ以上に重要だ。繁忙期の残業・休日手当が支払われない事務所は、やはり「ブラック」と言われても仕方ないだろう。

 残業代の扱いが、税理士事務所の「ブラックさ」を判断する最も大きな分かれ目となることは間違いない。

税理士事務所「ブラック認定」の前にコミュニケーションを

 勤務税理士、科目合格者の転職では、業界の実情を理解した上で、求人を行う事務所がどのような状況のもと人材を募集しているのかをできる限り把握したいところ。

 まずは求人の目的について、人員補充なのか、ポテンシャル採用を含む育成枠なのか、新規事業、規模拡大による増員なのかといった情報をはっきりと提示している事務所を選ぶのがポイントだ。勤務税理士は会計のプロとして、自分のキャリアのためにプラスとなるか否か、という観点を忘れるべきではない。

 また、税理士の繁忙期は業界の常識であるため、業務量が多くなることを前提に、勤務体制について胸襟を開いて質問することをおすすめする。採用する側も、求職者と意思の疎通ができたと感じられる方が、採用しやすいもの。聞きにくい質問は、エージェントを利用するなど、情報収集の方法を確保することが実りある転職に最も重要となるだろう。


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