1. 【テレビから動画コンテンツへ】録画の視聴率が1月から公開。その数字は私たちに何を伝えるのか

【テレビから動画コンテンツへ】録画の視聴率が1月から公開。その数字は私たちに何を伝えるのか

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by zoonabar

 ビデオリサーチが、2015年1月から録画再生率が公開することになった。録画再生率とは、リアルタイムではなく、放送時間から七日以内にレコーダーを利用して番組を再生した視聴率を測定した数字である。

 しかし、録画再生率において調査対象としている家庭は一般的な視聴率を測定している家庭とは異なるため、単純に比較したり、視聴率と録画再生率を足し算することはできない。では、録画再生率はどのように利用されるべき数字であり、どのようなことに注意しなければならないのだろうか。

録画再生率の問題点

 録画再生率を考える上で、「調査対象の母体が違う」ということと共に、把握して置かなければならないことが二点ある。

集計されているのは、どんな層なのか

 TVを見る際、「何度も見たいから、リアルタイムでも見るけど録画もする」ということを一度はしたことがあるのではないだろうか。その場合も録画再生率にカウントされてしまう。その場合、集計されるのは「リアルタイムで見ている層」であり、「録画で後から見た層」とは異なる。そう考えると、視聴率と、録画再生率の線引きが非常に曖昧になってしまう。

 そのような場合も含めて、録画再生率という数字が「非常に曖昧な数字ではないか?」とコメントする人もいるのである。

録画再生率は何のための数字なのか

 録画再生率に関してもうひとつ把握しておくべきことは、「録画試聴を調べることが何につながるのか」についての議論だ。本来の視聴率調査は、スポンサーに向けての数字であり、スポンサーは視聴率が高い番組であればあるほど、世の中への影響力の期待してCMを入れたくなるものであった。

 しかし、録画視聴の際、CMを飛ばして試聴する人が約六割。そう考えると、録画再生率は視聴率に比べてスポンサーにとっての指標にはなりにくい。では、一体録画再生率は何の指標になるのだろうか、必要のない数字ではないかと議論されているのである。

録画再生率の示すもの

 では、録画再生率は何を示すのか。そこには大きくわけて2つの意味がある。

「実は見られている番組」の発掘

 録画再生率が公開されるようになり、これまで「低視聴率」と認識されている番組も、ランキングに入っていることがわかった。「見られていない」と認識されていることと、「リアルタイムではなく録画で見られている」と認識されていることでは大きく異る。

 番組を編成する上で、「リアルタイムで見られる番組」と「録画で見られている番組」が認知されれば、これまでよりもより広い可能性の持った編成を行うことが出来る。

「リアルタイムで見ない層」の分析

 様々な見方で録画された番組を見ている人がいると言っても、録画再生率でカウントされる視聴率の大部分は、「リアルタイムでは見られない層の視聴率」であると考えられる。視聴率と単純に比較はできないものの、そのデータ単体で分析することが出来る。録画で見られている番組がどのようなものなのかを知ることは、テレビ業界にとって新たな視点を生み出すことがあるだろう。

テレビの変革には「録画再生率」のデータが必要だ

 録画再生率が表す「リアルタイムではテレビを見ない層」のデータ。海外では、録画再生率の中でも、CMだけの視聴率を出すこともできるという。さらに様々な切り口での分析を進めることも可能だろう。

 そしてこの、「リアルタイムではテレビを見ない層」こそ、次世代のテレビの波である、「マルチディスプレイ」や「見逃し配信」をはじめとする動画配信サービスを好む層ではないだろうか。今後これらのサービスを充実させるのであれば、この層の分析データは大いに有用性のあるものとなっていくだろう。

 録画再生率のデータは、単に「リアルタイムから遅れて番組を見た人の数」以上の価値を持つ可能性がある。これらのデータがどのように利用されるかが楽しみだ。


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