1. スイスフランによる混乱はなぜ起きたのか? 日本企業への影響は?

スイスフランによる混乱はなぜ起きたのか? 日本企業への影響は?

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出典:commons.wikimedia.org

 スイスの中央銀行に当たるスイス国立銀行が下した決定によって世界中で大きな混乱が起きている。突如として為替上限を撤廃したのである。

 市場を大混乱に巻き込んだ今回の決定。一体どういった経緯を経てのことなのだろうか。

スイス国立銀行(中央銀行)が15日に決めた無制限介入の停止は外国為替証拠金(FX)取引を手掛ける個人投資家やFX会社に深い爪あとを残した。スイスフラン売りの為替介入を当てにしてフランの売り持ちに傾いた投資家は急激なフラン高で巨額損失をこうむった。その損失のうち、差し入れられていた証拠金でまかなえなかった分はまずFX会社が肩代わりし、あとで投資家に請求するが、投資家から回収できなければFX会社の損失になる。

出典:スイスショック、FX業界に爪痕 「取引できないリスク」再認識 - 日本経済新聞


スイスフランショックはなぜ起きた?

 よく知られているように、スイスは高級時計を始めとする製造業や金融サービス業を基幹産業としており、経済面では明るい見通しをされる国家の一つであった。また今回の件でも分かるようにユーロ圏には加盟しておらず、独自の通貨(=フラン)を採用していた。

 ユーロ圏の国々が経済面で不安を抱えていることが露呈していくとともに、世界中の投資家がフランを買い、長らくのフラン高、ユーロ安が続いていた。しかし上述のようにスイスは製造業を基幹産業としているため、フラン高は輸出産業にとって不利に働いてしまう。スイス中立銀行は、こうした状況から国内の製造業を守るために為替上限を「1ユーロ=1.2スイスフラン」に設定し、それ以上のフラン高が起こり得ないようにする方針を明らかにしていた。

 しかし、この政策にも綻びが見え始める。欧州の金融不安などからスイスフラン買いが増加。上記の為替上限を維持するためにはフランを大量に発行しなくてはならなくなってしまう。また、それは大量のユーロを購入しなくてはならないことを意味する。

 今後が不安視されるユーロという通貨で資産を保持することに対して限界を迎えたのだろう、ついにスイスは為替上限の撤廃を発表するに至った。これによって市場では、スイスフラン買いが殺到、市場に大きな混乱をもたらした。

日本企業への影響は?

 スイスフランショックとも呼ばれる今回の騒動、日本には一体どういった影響を与えるのだろうか。

 金融市場では、ユーロ安に伴い円高傾向に。一時は1ドル=115円台と一気に4円もの上昇を見せるなど円相場に対しても大きな影響を与えるに至った。

 またスイスと言えば時計だが日本の時計メーカー、セイコーやシチズンにとっては商機だと考えられている。スイスの高級時計メーカーにとって、今回のフラン高は輸出価格の高騰を招き不振に直面すると見られているからだ。
 
 スイスフランショックにより英国のFX業者アルパリが破綻に追い込まれるなど混乱が生じている。麻生太郎金融相は「日本国内への影響は極めて限定的」と述べるが、予断を許さない状況が続きそうだ。

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