1. イスラム国による邦人男性拘束問題:日本もすでに攻撃対象になっているという事実

イスラム国による邦人男性拘束問題:日本もすでに攻撃対象になっているという事実

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出典:www.flickr.com


 先日起きたフランスでの新聞社襲撃事件など、イスラム過激派によるテロ行為が世界を震撼させている。しかし日本に住む多くの人にとっては、どこか対岸の火事のような部外者意識もあったのではないだろうか。

 そんななか、イスラム過激派の筆頭ともいえるイスラム国に拘束された日本人男性の殺害脅迫動画が2億ドルの身代金要求とともに公開された。イスラム過激派の矛先はついに日本にも向けられたのである。

日本人男性拘束の経緯

 今回、公開された映像に映る二人の男性は2014年8月に拘束された湯川遥菜さん、同11月に拘束された後藤健二さんと見られている。湯川遥菜さんは、民間軍事会社とする会社を自ら設立したCEOである。シリアにてイスラム国の対抗勢力とともに取材していた際に、イスラム国に拘束され連れ去られたものとみられている。また後藤健二さんはフリーのジャーナリストであり、湯川さん同様にシリアを取材中にイスラム国によって拘束された。

 動画の公開をうけて安倍首相は緊急記者会見を開き「2人の日本人に危害を加えないよう、そして直ちに解放するよう強く要求する」と述べた。しかし2億ドルという巨額の身代金、そして米政府を筆頭とするイスラム国への身代金支払いを行うべきではないとする国際社会の風潮の中で、日本政府が身代金を支払うというのは、そもそも考えにくいことであった。

今回なぜ日本が標的になったのか

 公開された動画の中でイスラム国の戦闘員とみられる男は「日本はイスラム国の女性や子どもを殺害するために1億ドル、イスラム国と対抗する部隊にも1億ドルの支援をした」と述べており、身代金2億ドルという請求額はこれが根拠になっていた。

 今回の動画は安倍首相の中東訪問の間に公開されており、イスラム国はこのタイミングを狙っていたのではないか、という見方もある。首相は中東訪問の際にイスラム国と対立する国家への経済支援を約束。インフラ整備や難民救済のための支援と強調したものの、イスラム国はこれを軍事支援であると指摘し、上述の発言がイスラム国側からなされているのである。

 一連の事実で重要なのは、イスラム国にとって日本も攻撃の対象であることがはっきりと明示されたことである。これまでイスラム国が表立って対抗してきたのはフランス・アメリカなどイスラム国の支配地域に対して軍事攻撃を行っている国々であった。しかし日本は、現段階ではイスラム国に対して直接的な軍事攻撃は行っていない。

 しかし今回、ついに日本人男性が拘束され、声明でも日本に対する敵意ははっきりと見て取られた。今後、日本も欧米同様にイスラム過激派によるテロの影に怯えながら暮らさなくてはならなくなるのかもしれない。

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