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日本を離れて海外で働いてみませんか? 会計・税務の専門家としてアメリカで活躍するための方法

カイケイ・ネット

2015/01/27(最終更新日:2015/01/27)


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 皆さんの中には一生に一度は海外で働いてみたい、暮らしてみたいと思っている方も多いのではないだろうか。外務省の統計を見ると、海外に住む日本人の人口は年々増えており、現在は100万人を超えている。そして国別にみると圧倒的に多いのがアメリカだ。現在、40万人を超える日本人がアメリカで生活している。

 ただ、「海外で生活してみたい」と思ってもそう簡単にはいかないのが現実である。今回は、会計や税務の専門家としてアメリカで活躍するにはどんな方法があるのか、そのいくつかの方法を見ていきたいと思う。

 アメリカで会計・税務をやるには「USCPA」が必須

 日本でも試験を受ける人がかなり多いUSCPA試験。これは、アメリカの公認会計士試験である。アメリカでは税理士の資格もあるがあまり一般的ではなく、税務に携わる人も会計に携わる人もUSCPAの試験を受ける人が圧倒的に多い。

 また、日本の会計士試験を受ける感覚とは違い、アメリカでは士業を行いたい人だけでなく、一般の会社の経理部門の人も多くが受験している試験だ。どちらかというと広く、そして深すぎない程度に会計・税務・監査・ファイナンスなどの知識を習得することを目的としている人が受験することが多いよう。

 日本人としてアメリカで会計または税務に携わるなら、武器としてUSCPAの試験に合格しておくことは必須だと言えるだろう。

ビザの取得 ~留学編~

 次は学位の話だ。留学を足がかりに卒業後アメリカで就職する、というのは最も可能性の高い方法かもしれない。外国人が大学や大学院に留学すると、卒業後にOPT(Optional Practical Training)という1年間の就労の許可がもらえる。これはその取得した学位と関係のある分野での仕事で適用される。アメリカで働くにはビザが必須だが、就労ビザは毎年4月にその年の募集を始め、申請が通るとその年の10月から有効になる。卒業後、就労ビザが有効になるまでの数カ月、内定をもらった会社で働くためにOPTはその空白期間を埋めてくれる。

 さて、会計や税務と関係のある学位と言えばまずは会計学。これは大学にも大学院にもある課程で、広くたくさんの大学にある。税務に関しては大学院にしか課程はない。Master of Taxationは1~2年で取得できる修士課程で、連邦税法を幅広くカバーしている。

 連邦税法を学ぼうとするのはアメリカ人がほとんどで、他の課程に比べて留学生の比率がとても低い。そのため留学生は大変だが、日本人としてアメリカで働こうとする時に他の人と差別化出来る良い武器となる。

 また、もう一つの税務の課程はLL.M.と呼ばれるもので、ロースクールの中にある。ロースクールは法科大学院で、J.D.とLL.M.という課程がある。LL.M.はJ.D.を修了した人や既に自国の法学部を卒業した留学生が入るさらに上の課程で、様々な法律のなかで専門的に学びたい分野を専攻する。例えば、会社法・国際法・刑事民事訴訟法といったものだ。税務の学位としてはMaster of TaxationとLL.M.の税法が最高峰と言える。

 日本人として日本語と英語ができ、専門の学位を持ち、日本の会計・税務の知識を持ちながらUSCPAまたはアメリカ司法試験合格者である、という武器が揃っていれば、現地での就職に非常に有利である。その全てを一気に取得できるのが留学と言えるだろう。

ビザの取得 ~その他~

 最後にその他の方法を紹介する。大手会計事務所などでは交換プログラムがあり、日本の大手会計事務所で働いている人は、選ばれれば期間限定で同じ事務所の海外の拠点で働くことができる。また、アメリカには外国人に永住権を与えてくれる抽選システムがあり、毎年今くらいの時期に抽選が行われる。これに運良く当たれば永住権を取得できるが、宝くじを当てるような確率だ。

 アメリカをはじめ外国で働くにはビザが必要だ。永住ビザ・駐在員ビザ・就労ビザ・インターンシップビザ等、色々な選択肢があるが、ビザの取得も外国での就職活動も簡単なことではない。しかし、学位の取得など比較的入りやすい入り口が必ずあるものだ。長いようで短い一生、思い切って挑戦してみるのも面白いかもしれない。


<この記事はカイケイ・ネットが提供しています>

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