1. 時短のコツは、歯ブラシを家中に置くこと?――渋谷で働くママが語った、「育休後」のリアル

時短のコツは、歯ブラシを家中に置くこと?――渋谷で働くママが語った、「育休後」のリアル


 「働き方の未来をつくる7日間」というコンセプトのもと、2014年11月19日(水)〜25日(火)の間で開催されたイベント「TOKYO WORK DESIGN WEEK 2014」。

 「働き方」に関する数多くのセッションが行われた中、ここでは「渋谷ではたらくママ社員トーク 育休後のリアル」というセッションで語られた内容をお伝えしていく。

前回までの記事はこちら


登壇者

株式会社STRIDE 代表取締役社長 石田裕子氏
株式会社サイバーエージェント 人事本部 労務グループ所属 田村有樹子氏
東京急行電鉄株式会社 渋谷開発事業部 課長補佐 樺幸世氏
株式会社マードゥレクス 経営企画部 経営統括室所属 野村陽子氏

モデレーター

主婦と生活社 CHANTO編集部 CHANTO編集長 山岡朝子氏

見出し一覧

・復職する際に感じたのは「罪悪感」や「ストレス」
・2人目の子どもを産んでからの復職は予想以上に楽だった
・家のあちこちに仕組みを作っておくのが時短のポイント
・働くママは自分のキャパを知ることが大切になる
・イライラしないように「鈍感力」を身につける
・「仕事」が好きだから、子育てしながらフルタイムで働ける

復職する際に感じたのは「罪悪感」や「ストレス」

山岡:では、この後は視点を変えて「復職」について伺いたいのですが、特に1人目のお子さんの時なのですが、復職前に不安に思っていたことは何か、実際に復職してみてどうだったかを順番に聞いていきたいと思います。石田さんはどうでしたでしょうか?

石田:復職する前後、一番大きかったのは罪悪感ですね。私の場合、まだ2〜3ヶ月になっていない子を保育園や母に預けて、自分がやりたい仕事をするということに対して、子どもにも申し訳ないなと思いました。また、主人や子どもを見てもらっている母にも申し訳ないなとか……。

 復職する時もフルタイムでいきなり職場に戻ったんですけど、18時になったら帰らなければいけなくて、上司や部下など色んな人に申し訳ないなって思いながら「なんで働いているんだろう?」みたいなのはすごく大きかったですね。

 その気持ちは、まだ克服できていないのかもしれないですけど、罪悪感を持つのではなく、感謝に変えるというように自分の中でマインドチェンジしたのが一番大きかったかもしれません。

山岡:ありがとうございます。田村さん、どうでしょうか?

田村:私が復職前に不安だったことですよね。幸いにも自分が人事だったということもあり、チームの上司にはこまめに連絡がとれたんですね。今どういう状況にあって、保育園はいつ決まりそうですとか。また、同じ部署に戻ることができたので、業務のことに対して、新しいことをいきなり始める、新しいところに入ることによるストレスが無かったのは良かったと思います。

 ただ、実際に2人の子どもを抱えて復帰するというのは初めてのことだったので、時間的な部分できちんと回していけるのかっていうところは不安でしたね。実際に戻ってみると、どんどん仕事が後ろ倒しになっていく。育休の時は、毎日20時には子どもを寝かせられていたんです。

 やることがないというのもあり、ちゃんと余裕をもってできていたんですけど、復職した後は20時なんてやらなければいけない仕事がたくさん残ってるといった生活になり、最初の頃は自分出来なさを感じていました。

 でも、ある時からちょっと視点を変えて割り切るようにしました。寝る時間を20時のままにして子どもたちにガミガミ言うのではなく、21時でもいいから余裕を持つようにする。実際、21時半に寝れればいいって思うようになってからは、少し楽になったというのはあります。

自分なりのルーティンを作ったら、上手くいくように

山岡:ありがとうございます。樺さんはいかがですか?

:私は、1人目の出産が8年前だったので、まだ復職する人は少なく、お母さんになって復帰する人って実は初めてだったんですね。なので、復帰した後の生活ってどうなるんだろう、仕事はやっていけるのか、子供たちは大丈夫なんだろうかなど、復職する前はとにかく不安でいっぱいでしたね。

 実際に復職してからは、基本的に走り続けている感じ。さっきスケジュールやこんなグッズが役立つみたいな話をしたのですが、まだそんなに電化製品、それこそ洗濯機も無かったので、わりとつらかったですね。

 ただ、そのつらさもペースが出来るまでです。最初のペースが出来るまでは、本当に手探り状態で、毎日「疲れた顔してるね」って保育園のママ友に言われていたんですけど、ある程度ペースが出来てルーティーンとして回ってくるようになると、余裕が出て来て「なんかいけるかもしれない」と思うようになりましたね。

山岡:野村さんはいかがですか?

野村:1人目の時は、産前の休暇に入るまでは営業だったので、終電まで仕事するといったような生活でした。なので、復帰した後のイメージが全くできず、どうやったら早く帰ることができるのか、またどこのポジションになるんだろうっていう不安はすごくありましたね。

 ただ、「仕事はしたい」という気持ちだけは明確にあって、1人目の子どもは8か月の時に保育園に入園させているんですけど、最初はやっぱり病気が多くて、一週間仕事に行けたら、「今週は行けたぞ」みたいな。

 そうした積み重ねが少しずつ増えていき、仕事にも慣れ始めたのが復職してから半年ぐらいのことですね。復職後は営業からPRになり、全く初めての業務かつ1人でやっていたので、プレッシャーというか精神的な大変さは感じました。

2人目の子どもを産んでからの復職は予想以上に楽だった


山岡:罪悪感や仕事の不安、ストレスを感じていたということですね。なんでこの質問をしたかというと、事前にインタビューをしたら、2人目の時はそこまで不安を感じなかったという答えが多かったからなんです。要は慣れ、ということだと思うのですが、田村さんは双子なので違うかもしれないので、他の3人は2人目の時はどうでしたか?

:1人目の時は保育園に預けるときに、「頼みますね」「ごめんなさいね」みたいな気持ちだったんですけど、2人目の時は慣れてて「はい」っていう感じでしたね。何が違うんですかね。「相手はプロだし」みたいな信頼感があったのもそうですし、泣いてても結果は変わらないので、こっちがニコニコしながら切り替えていった方が子どもパッと切り替えられるかなという思いもありましたね。

 子供は母親ひとりで育てる訳ではなく、それこそ保育園やおばあちゃんに見てもらうなど、色んな人の力を借りながら育てていくもの。「子供が3歳になるまでは、母親が絶対見ていなければダメ」みたいなことを言う人もいますけど、そうではない考え方もあるのではないかと割り切れるようになりました。

山岡:石田さんはどうでしたか、2人目の時?

石田:2人目の時は予想以上に楽でしたね。やっぱり精神的なものが大きかったんだと思います。勝手に育つなというか、それこそ1人目の時にで培った経験や自分なりの自信みたいなものもあったので、1人目の時よりも不安はかなり小さかったです。

野村:私も、2人目の子どもを生んで復職した時も部署が違ったんですが、「一からお願いします」みたいな気持ちで会社に復帰したので、色んな人が結構サポートしてくれましたね。

 そのおかげで仕事と育児のバランスを自分でも取れやすくなり、どういう時間が子どもにとって大切か、仕事に関してはお迎えが遅くなっても頑張るところだなといったような見極めが出来るようになりました。

 1人目よりも2人目の方が、時間の有効活用とか、アイテムも含め、旦那さんにお願いすることも明確になっていて、子どもの成長を温かく見守ることが出来ています。例えば、「今はまだこの時期だからいつかこれもしなくなる」みたいなことや、いたずらとかもそうですね。床にサインペンで思いっきり書かれても、しょうがない、しょうがないと。「もう」って怒るよりかは、一呼吸ついて「しょうがないか」って思えるようになったのが2人目ですね。

山岡:1人目で復職される方は、最初はストレスや罪悪感があって精神的に追い込まれるかもしれませんが、きっと時間が解決してくれると思いますし、そこまで深刻にならなくとも、こういった先輩の体験談を思い出して乗り切っていただければいいのかなと思いました。ありがとうございます。

家のあちこちに仕組みを作っておくのが時短のポイント


山岡:ここで、色んな質問が来ていますので、時間の許す限り順番に質問をお伺いしていきたいと思います。まず、先ほど申し上げたママロック。朝の6〜9時と夕方の6〜9時の時間の短縮、家事の時短とかそういうことだと思うのですが、どういうふうにやっているのか。改めて質問が来ていますが、今までに出ていない話で、こういう工夫をしているよっていうのがあったら教えていただけますか。

石田:私の場合は、仕事と似てるんですけど頭の中でやらなければいけないことを10〜15個くらいバーッと並べて、優先順位を組み立てるんですね。例えば、この時間からこの時間までに何をしていなければいけないのかが分かっていると、1本の動線で無駄なく行動することができます。

山岡:あれもやらなきゃ、これもやらなきゃって頭の中がぐちゃぐちゃになってしまうと、やるべきことが全然終わらないって思うので、やるべきことを組み立ててルーティーン化すると。

石田:そうです。ゲーミフィケーションみたいに、これをやったらクリアみたいな感じですね。

山岡:そういう段取りによって、時短するということですね。

石田:もともとせっかちなんですけど、誰にも見られたくない顔をしながら色んなこと処理している感じですね。

山岡:ありがとうございます。

歯ブラシを色んなところに置いて、いつでも歯を磨けるように

野村:今、動線っていうキーワードで「アッ」て思ったんですけど、朝の忙しいときに、ご飯を食べたあとの着替えや歯磨きといった子どもの身支度があるじゃないですか。男の子の場合は特になんですけど、勝手に別な階とか色んなとこに行ったりするんですね。

 そこで、私が色んなところに歯ブラシを置けばいいんじゃないかと思ったんです。なので、歯ブラシを家の中の色んな場所に置いてますね。というのは、歯磨きや顔を洗うところは、お行儀のことを考えたら洗面所じゃないといけないかもしれません。

 でも、そこの考え方をシフトするというか、臨機応変に出来るように食事をしている2階にも歯ブラシセットを置いて、「ここでやっちゃうよ」「あそこでやっちゃうよ」みたいな感じでどこでも出来るようにしています。

山岡:色んなところに歯ブラシを置くっていうのと近い話を私も取材で聞いたことがあって、お掃除セットを家のあちこちに置いておくことで、気づいたときにパッと掃除ができるという。

 掃除をかける時、掃除機を出しに行くのが一番のハードルになるので、あちこちに置いておく。そうすることで、もしかしたら気づいた夫がやってくれるかもしれません。パッと家事に取り掛かれる仕組み、子どもの世話ができる仕組みっいうのを家のあちこちに作っておくのは、すごくいい時短のポイントかもしれないですね。ありがとうございます。

働くママは自分のキャパを知ることが大切になる

山岡:次の質問にいってみたいと思うのですが、育休復帰後の働き方はどのように変わりましたか? 復帰前というか、産休前の仕事のやり方と比べてどうでしたか? 樺さんお願いします。

:子どもを産むまでは、自分の時間や体力はもっとありましたし、自分の満足できるところまで好きなように使ってやっていました。ただ、育休復帰後は限られた時間の中でやっていかなければいかないので、どうポイントを押さえて、どう優先順位をつけてやるか。

 今までだったら、やりたいところまで追及していったところも、もしかしたらそれを追及することによって、逆に周りに迷惑をかけてしまうかもしれないと考えるようになりました。1人目の時は、その枠の大きさがわからなかったので、すごく苦しかったんですけど、2人目の時は枠の中で優先順位づけが出来るようになっていたので、働き方としては変わったなと思いましたね。

山岡:キャパシティっていう感じですか?

:自分のキャパを知る。

山岡:ありがとうございます。この質問なんですけど、「男性のような長時間労働でもなくマミートラックのような飼い殺しでもない、育休世代ならではの働き方はどうすれば可能でしょうか」とも書いてあるのでお答えいただけないでしょうか?

:これだけ女性の活用って言われてますけど、商品やサービスなどにもっと女性の目線が入っていくべきだと思いますね。私が8年前に、1人で子ども産んだ時と今って全然世の中変わってきていて、育メンの数も増えてきていますし、子育てしやすいグッズが揃ってきている。

 これって復職した人や育児を体験した人の目線から、世の中に出てきているので、フルタイムで働かなくとも、自分のポイントで社会や会社だったりに貢献できるところは何かを考え、優先順位をつけて働くことが大切かなと思います。

イライラしないように「鈍感力」を身につける

山岡:ありがとうございます。もう一つ質問で、イライラした時に気を付けていることはありますか? これは仕事に対して言えるかもしれませんが、主に家庭や子どもに対して、何か気を付けてることがある方はお答えください。

:私ばっかりでいいですか。すみません。私、ものすごく努力をして鈍感力を身に着けようとしてるんですよ。スルー力というか。本当に意識的にやっているんですけど、例えば「うわ、散らかってる」「うわ、これやってないと仕事できないやつって思われるんだろうな」とか、色んなことがあるんですけど、そういうことに対して自分で勝手にハードルを上げるのはやめて、鈍感でいようと。

 そうすると、割とハードルが下がるので、ストレスがたまらなくなる。ストレスがたまってイライラすると、子どもも察して気まずい雰囲気になるといったように悪循環にハマっていく。そうなる前に自分の方で鈍感力を持って、色んなことを右から左に流していくようにしています。

山岡:ありがとうございます。実は、樺さんに指名で質問がもう一つ来ているので合わせて。お友達に頼ったときのお礼というのを、どう考えたらよいのかっていう質問がきています。樺さん宛なんですけど、もし他の方もあったら教えてください。

:お友達って、特にママ友は戦友ですよね。一番理解し合うことができる仲なのではないかと思います。同じような逆境というか苦しい立場におかれて、同じような悩みを抱えている。前提条件として全部言わなくても分かる、分かり合える人たちっていうことなのでお互いさまっていうところがありますが、多くを語らない方がいいかなと思います。

 会う時に「ちょっと持ってきたよ」みたいな感じや、こっちも出来る時には「預かってようか」みたいなことも。無理なく本音ベースでやっているんですけど、田村さんはどうですか?

両親にちょっとしたプレゼントを普段から贈っている

田村:私は、あまりお友達のママに何かするということはないのですが、日々の中で両親に頼るところがすごく多い。四六時中一緒に住んでいると、段々慣れも出てくると思うんですが、やっぱり見てもらっている時間がすごく長いので、誕生日以外などのちょっとした時にプレゼントを贈る。

 例えば、買い物先でかわいいなって思ったものを見つけたら、一緒に買って、ふとした時に贈るようにしています。あと、挨拶はすごく意識してますね。おはよう、おやすみはもちろんそうですけど、ありがとうを言う数も意識的に増やすようにしてますね。多分、毎日のコミュニケーションの中で慣れがきて、当たり前みたいになってしまうと、どっちかがイラッとする回数が増えるのかなと。

野村:LINEのグループトークって、良い点もあれば悪い点もあると思うんですね。良い点を述べると、育休中にクラス委員をやっていた時は、クラス委員のママ友同士で連絡を取り合い、集まらなくてもその中で議題が解決したり、用事があっていけないときは、他のメンバーで会議に出席をしてフォローしあったりできる。

 本当に、ママ友は戦友じゃないですけど、みんな前提条件に「働いている」っていう条件があるので、お願いもしやすいですし、お願いされても快く受けられます。

山岡:私も取材で、そういった話をよく聞きます。「お礼」というと、すぐにモノでお返しするというイメージを持つかもしれませんが、そうじゃないんですね。

 例えば、子どものお迎えがどうしても間に合わない時に、近所のママ友に自分の子どもを迎えに行ってもらったときはお互いさまで、次に自分が迎えに行ける時は迎えに行ってあげようとか。他には、自分が子どもとプールに行くとき、お友達のお子さんも誘ってあげる。そうするとお友達もしばらく1人の時間が作れるので、モノでお返しするというより、お互いさまという気持ちのもと、サポートし合うっていう話はよく聞きますね。

「仕事」が好きだから、子育てしながらフルタイムで働ける


 では、もうあと1問ぐらい。フルタイムで働くわけとは何だろうという、根本的な質問です。短時間で働くという選択肢もある中、大変な思いをしながら、フルタイムでお仕事をしている理由。あるいは、短時間からフルタイムに切り替えたという経験がある場合、そのきっかけは何だったのかを教えていただきたいです。

石田:フルタイムで働く、もともと私は時短を経験していないので切り替えたことはないのですが、質問の意図は「働くってどういうこと?」みたいな、何のために働いているかですよね。重いテーマですね。

 すごくシンプルな言葉でいうと、大好きとまではいきませんが仕事が好きなんですよね。仕事が生きがいや働き甲斐、自分のやりがいや人生の充実度を高められるものだと思っているので、働かないという選択肢が私の場合は単純になかったという。

 その中で、時短なのかフルタイムなのかは、もちろん家庭環境や自分自身の周りの状況に応じて判断しなければいけないことだと思います。働かないという考えがもともとなかったので、自然な形で復帰したのが率直なところですね。

:私も結構同じで、復職してから慣れるまでの2ヶ月間は時短を取ってたんですけど、フルタイムの方が仕事にコミットできると思い、時短からフルタイムに戻したんですね。根本的に、働くのが嫌いじゃないというか好きなんですね。

 もしかしたら退職しなきゃいけないかもしれない時期があって、その時、「このまま退職したら四国で専業主婦もいいな」なんてことも考えたんですけど、個人ではできないことが会社ではできる。私の場合は会社に所属していた方が、自分にとって楽しい仕事ができるなと思ったので、子育てをしながら働いています。また、時短よりもフルの方がより仕事にコミットできると思ったので、フルタイムで仕事をしてますね。

山岡:ありがとうございます。他の皆さん、どうですか?

育休を受け入れてくれる会社の環境はすごくありがたい

野村:そうですね。私も根本的に仕事が好きというか、仕事をしている自分が好きっていうのがあります。私は、仕事をしている時はあえて旧姓のまま働いていて、自分が生まれてから野村陽子として生きて来て、その生き方をずっと持っていたいんですね。

 母、妻としてではなく、生まれてずっと育ってきた野村陽子としての人生を豊かにするための選択肢の一つとして仕事をしている自分を持っていたい。今回復帰したときに思ったのが、子どもって会社に頼まれて生むわけではなく、自分の選択の中で生んでいるわけじゃないですか。

 1人目の子どもの時は、どこかで会社に甘えているというか、「子どもがいるんだし……」っていう言い訳を自分にしていた部分がありました。その時は気づかなかったんですけど、2人目を生んだ時に気づきました。

 会社側からすると、「生んでくれ」って頼んでないし、辞めるっていう選択肢ももちろんあったわけで。そういった中で、自分が子ども生み、休んで復帰をするっていう選択をして、さらに会社がそれを受け入れている環境を作ってくれた。

 この環境って、すごくありがたいことなんだなと、2人目でやっと素直に思えるようになりましたね。育休中って、働いている時の半分のお給料を貰えるんですね。休んでいるにもかかわらず、半分のお給料をもらいながら子育てに集中できる。その時間って、会社にいたからこそ貰えたものであって、さらには自分が知っている環境に戻れる。子育てしながら就職活動して新しい会社で働くのって、すごくハードルが高いと思うんですけど、復職だと子どもを保育園に入れることができるまで、待っててくれる環境があるんですね。その環境ってすごくありがたいことだと思いましたし、無駄にしたくないと思った。

 なので戻った以上、休んでいた分も返したいっていう気持ちが2人目の時は、より強くなりました。人が嫌がるような仕事も、なるべく「やります」というように、前向きな気持ちで仕事に取り組んでいます。

山岡:ありがとうございます。きっとこれが最後の質問だと思うので、まとめをお願いします。

田村:私は何のために働くか。一言で言うと、軽く聞こえるかもしれませんが、私は仕事をしていて楽しいという思いがあります。正直に言うと、昔は結婚したら専業主婦になりたいって思っていたタイプなんです。

 子どもの時は、専業主婦でいいと思ってたんですけど、実際に働いてみて、そこから生まれる人とのかかわりや任せてもらえて仕事が成功した時の喜びって仕事じゃないと得られないんですね。

 特に、今の会社に転職してからすごくたくさん味わって、仕事に対しての考え方が結構変わりました。なので、そういう意味で復帰しないっていう選択肢が育休に入った時から無かったです。

 子どもと2人でいるのも楽しいのですが、朝昼晩、離乳食を裏ごししながら作って冷凍して、午前も午後も公園連れて行ってということをやっていたら、すごいしんどくなってきて、いい加減もう働きたいって思ったんですね。

 そういう意味でも、自分は働いている方が自分としてのバランスもとれるし、仕事が自分のやりたいことなんだなっていうのを実感できました。総合的に見て、自分のバランスをとるために、育児も仕事もあったほうがいいなっていうふうに感じているからやってるって感じですね。

 復帰したら仕事ができなくなるんじゃないか、ちゃんと復帰できるだろうかなどたくさん不安はあると思うんですけど、一旦は欲張りになってやりたいこと全部やってみていいんじゃないかなってすごく思います。

 「母は強し」ってよく言いますけど、自分しかいなかったら色んなところを妥協して何とかするんですよ。なので、ぜひ欲張ってやってみてほしいなと思います。

山岡:ありがとうございます。皆さんから、とてもいいお話を聞けて私も感動しました。(終了)

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