1. 当たり前に使っているのに油断ならない日本語。『その一言が余計です。』

当たり前に使っているのに油断ならない日本語。『その一言が余計です。』

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 「見た目はいいですよね」「まあ、頑張って下さい」、話し相手にこのようなことを言われたらどう思いますか? いらない一言があるせいで、相手にその気はなくてもイラッとしてしまう場面は多いもの。

 日本語文法や方言研究をしている山田敏弘氏は、敬意の示し方と受け取り方のズレという観点からその構造を解説していました。今回はその著書である『その一言が余計です。』から、常識であるが故に必ず避けたい「余計な一言」の一部をお伝えします。

「コーヒーでいいです」の「で」

 人は複数の表現がある場合、その間にある差を知りたくなってしまいます。「コーヒーがいいです」と言えば直接的なのに「コーヒーでいいです」と言われた。それを考えたとき、「ああ、『コーヒーでいい』というのは、不満足の表明なのだ」と捉えてしまいがち。

 言葉を何種類かの中から選べるということは、優劣をつけるということでもあります。無意識に相手を不快感を与えてしまいそうな表現を選んでいないか、プライベートでの出来事を振り返ってみては?

否定が際立つ「でも」「しかし」

「今度の中期計画は、この方針で行く。」
「しかし、まだ予算の問題が残っていますが。」

出典:山田敏弘(2013)『その一言が余計です。: 日本語の「正しさ」を問う (ちくま新書)』

 「でも」や「しかし」を付け加えて答えると、その意図がなくても反対しているように受け取られてしまいます。これは、まさに「余計な一言」。これらの逆接は、前に述べられたことを否定する力の強い接続詞です。

 このような逆接の接続詞が口癖になっている人は、「何でも否定してくる人」と聞き手から疎まれやすいため、注意しなければなりません。

全体像をすっ飛ばした「例えば」

 「学生時代に打ち込んできたことを、教えてください。」
 「例えば……」

出典:山田敏弘(2013)『その一言が余計です: 日本語の「正しさ」を問う (ちくま新書)』

 「例えば」と言う言葉は、全体像の話の後で具体例を出すときに使います。それを、全体像を示す前に発したとしたらどうでしょう? 相手は「ああ、この人は部分的にしか物事が見られない人だ」と思ってしまいます。これを面接試験でやってしまったら致命的。
 
 例えばを多用しがちな人はグッとこらえて、一度全体像の話から意識して始めることをオススメします。その後に具体的な話に降ろせば、きっと話が伝わりやすくなるはずです。


 基本的なものばかりですが、口癖として無意識のうちに発してしまっていることがあるかも。穏やかなコミュニケーションは誰しも望むもの。気を付けたい1つのポイントとして、頭の片隅に入れておくとよいかもしれません。



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