1. 外食産業の総居酒屋化:ちょい飲みブームの先駆者「日高屋」 好調な業績の裏には他店5倍の酒類売上

外食産業の総居酒屋化:ちょい飲みブームの先駆者「日高屋」 好調な業績の裏には他店5倍の酒類売上

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by KAZUTO KITAKADO

 昨年4月の消費税増税後、多くの大手外食チェーン店が業績不振に苦しむ中、「日高屋」でお馴染みのハイデイ日高の業績が好調だ。その業績を陰で支えているのは驚くべきことに、アルコール飲料の売り上げであった。

外食チェーン不振が続く中、日高屋の業績は好調

 外食チェーンの多くが消費税増税の影響や、人件費や材料費の高騰といった店舗運営コスト上昇による料理メニューの値上げにより、客足が伸びず、業績不振に苦しんでいる。復活したとも言われていたサイゼリヤやジョイフルといったファミリーレストランチェーン店でも、売上高の前年割れが続いている。

 そんな中、日高屋の2014年3~8月期の売上高は、既存店ベースで前年同期比1.4%増となっている。さらに、全店ベースでは8.1%増をおさめている。客数に関しても、3月と6月を除く毎月、前年実績を上回る0.2%増とプラスを維持している。

 このような連続増収増益の大きな要因としては、近年ブームになっている勤め帰りに軽く酒を飲む「ちょい飲み」需要を上手に吸収していることが挙げられるだろう。

ちょい飲みブームのパイオニア「日高屋」

 早くからアルコール飲料の売上増に取り組んできた日高屋は、「ちょい飲み」ブームの、いわば先駆者的存在と言える。一般的に、原価率が低く、購買点数が多くなりやすいアルコール飲料は、居酒屋などでは儲けの源泉とも言われ、店舗の収益性にそのまま結びつく。

 一般的な中華料理店の売り上げに占めるアルコール飲料の割合は約3%ほど。しかし、驚くべきことに日高屋は売り上げの約15%をアルコール飲料が占めていると言う。これは、他店の5倍のアルコール飲料売上を誇っているということだ。

独特の業態も売り上げを後押し

 居酒屋とファーストフードの中間的な業態も日高屋の売り上げを後押ししていると言える。そもそも居酒屋は「ちょい飲み」したい客層に向けた業態とは言えない。居酒屋であればアルコール類やつまみを豊富に取り揃える必要があり、その分人件費がかさむため、一品一品の値段は下げられない。

 一方、値段の安さが売りのファストフード店では食べ物が主体であり、アルコールを置いても売り上げには繋がらない。

 日高屋のこの中間的な業態が、結果的に露店規制で消えていった屋台の代わりになっていると言える。

今後は成長ストップの危機も.....?!

 アルコール飲料の売上を頼りに増収増益を果たしてきた日高屋だが、アルコール飲料の値下げが限界に達していることが、今後の成長をストップさせてしまう可能性も。

 これまでの日高屋の成長の最大要因はちょい飲みのビール類とハイボール。2011年夏に生ビールの値段を1杯390円から350円へ、2012年夏には350円から300円へと、客数が伸び悩む度に値下げを繰り返してきた。

 しかし、300円以下に値下げしてしまうと採算割れになる上に、飲酒目的の客が増えることで滞在時間が延び、回転率が落ちるためこれ以上の値下げは出来ない。日高屋にとって、アルコール飲料依存は、売上の大きな柱でもあり、大きな課題にもなっていると言える。


 値下げしか打つ手がなく、このまま採算割れになってしまうのか、アルコール飲料に代わる新たな策を打ち出して成長を続けていくのか、日高屋の今後に注目したい。


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