1. 「ネット業界は当たり前ができれば必ず成功する」――最年少上場リブセンス村上氏の絶対勝てる働き方

「ネット業界は当たり前ができれば必ず成功する」――最年少上場リブセンス村上氏の絶対勝てる働き方


 ゼロからひたすら突っ走ってきたベンチャー社長達が働くことの価値を語ったイベント、「ベンチャーという働き方、起業という働き方」が先日開催された。ここでは見事上場を成し遂げたリブセンス代表の村上太一氏と、株式会社ドリコム代表の内藤裕紀氏が、創業当初の苦労や成功体験を語り尽くした対談を紹介する。

 後編のテーマは、創業時のメンバー間の連携について。仕事をしていれば、口にはしにくい不満を抱えるメンバーも出てくる。組織の空気を潤滑にするためにすべきこととは、一体何なのだろうか?

前編はこちら!

登壇者

株式会社リブセンス 代表取締役社長 村上太一氏
株式会社ドリコム 代表取締役社長 内藤裕紀氏

見出し一覧

・当たり前のことが出来れば絶対上手くいく
・「ドコモにビジネスモデルを提案したこともあった」
・「ベンチャーに向いてない性格なんて、ない」

当たり前のことが出来れば、絶対上手くいく

内藤:今のプロダクトを作るときに、何か特化したスキルはあった?

村上:たいしてありませんでした。

内藤:何で1発目がうまく行ったかを掘り下げたくて。

村上:基本的には、ネットに書いている情報で網羅できないことはほとんどなくて、それをどこまで突き詰めるか、っていう話だと思っていて。インターネット業界って出来てからまだまだそんな年数が経ってないので、半年間から1年間でも死ぬ気でやったら結構なレベルまで行くじゃないですか。

内藤:おっしゃる通りで、経営もプロダクトも基本的に本に書いてあることをそのままやったら上手くいくことがほとんど。でも、それが出来ないからほとんどの会社は上手くいかないわけじゃないですか。

 特に、自分がやる分にはいいけど、他のメンバーとなると、すごくハードルが高くなりますよね。ギリギリまでこだわる姿勢を、チームとしてどうやって保ってたんですか?

メンバーでぶっちゃけ話をする「破壊の夜」

村上:一緒にやるからにはやっぱり伝えるしかなくて。学生で年も近くて地位なんて関係ない状況だと、とにかくストレートに言うのが基本だったんですね。ストレートに言えないメンバーも出てきた時には、「破壊の夜」というイベントをやった。

内藤:何ですか、それ。

村上:メンバーの一部が、「村上さん、なんかAさんが最近帰るの早かったり、あんまり来なかったりで、何ですかあれ。役員なのに」なんて愚痴を言うんです。「お前、それ直接言えよ」て言ってもなかなかできないらしくて。そこで、オフィスを真っ暗闇にして、ろうそくに火をつける。

 「みんな。俺らは若く、かつ、スキルもあまりない。だから、お互いに悪いところを言い合って、改善していかないと駄目だ。心が痛い、嫌われるかもと思うかもしれない。でも、みんな愛だよ。成長にとって必要なのは愛なんだ。だから1回言い合って、それを愛だと受け止めて改善していこう」ということで、みんなで言い合ったんですよ。

 「話しかけても聞いてないような雰囲気をするのが気に食わない」とかみんなで言い合った。時には泣く人もいたんだけど、次の日にはまた円滑になって働いた。

内藤:それ、いくつの時にやりました?

村上:21~22歳。

内藤:すごい。そのメソッドを21歳でやろうと思ったのは、なぜですか? 破壊の夜を思いついたきっかけは?

村上:心理学の本で、「ろうそくいいらしいぞ」「暗い方が人は話しやすいぞ」と書いてあったので。あと、コミュニケーションはお互いストレートに伝えるのが基本だと思っていたので。「きついかもしれないけど愛だよね」みたいな。

内藤:それを21歳でやろうと思ったのはすごいよね。

村上:やめてくださいよ。

内藤:最初のチーム作りでそういうのが出来てないと、うわべでチームが進んでしまう。そういうのが、一番良くないですよね。

村上:何かありましたか。

内藤:いっぱいありますよ。

村上:その辺もぜひ。

内藤:作業を分担するじゃないですか。「君は○○の部分作ってね」と言ったのに、出来上がってこない。「いつになったら出来てくるんだ」と言ったら、会社に来なくなる。家に電話しても、電話に出ない。それで、家に行ってみて、「メーター回ってるな」なんて言って。

 でも、これって結局、「完成しなかった」と言える関係が作れなかったのがいけないんですよね。

内藤:あとは、プライドが邪魔をする。「出来る」って言ってるのに出来ない場合、大体は自分の認識が甘いじゃないですか。これぐらい出来ると思ったのに実際出来ない。それをちゃんと言わない関係だと、いろいろ綻びますよね。

村上:ストレートに言い合うきっかけを意図的に作るのは大事な気がします。

「ドコモにビジネスモデルを提案したこともあった」

内藤:大事ですね。あとは、起業しようとしている人からよく聞く言い訳で、「いや、まだいいアイデアが見つかってないんです」というものがある。起業するする詐欺みたいなことがあるんですけど、最初のサービスのアイデアは、元からそれをやるために起業したのか、いろいろと調べていて「これだ」となったのか。

村上:調べて「これだ」って思いました。会社をやりたいって思いはずっとあって、それにあたってビジネスモデルを考えなきゃと。「ビジネスモデルの基本は何だ」といった本をひたすら読むと、不便なことや問題の解決が基本だとあった。

 だから日常的に不便や問題をひたすら書き続け、街でもきょろきょろしていて挙動不審呼ばわりされたんですけど、不便なことや問題をひたすら探しながら歩いていた。そういう感じで探し続けて、自分のアルバイト探そうと思ったときの不便を解決するビジネスモデルにした。

内藤:それは、たくさん案を出した中から選んだのか、それとも、どうしようどうしようって考えて出てきた1案目だったんですか?

村上:案は、恐ろしいほど考えてました。当時、携帯がパケットし放題じゃなかったので、これをパケットし放題にどうにかできないかとか。携帯電話上に広告を常に出して、その代わりにパケットし放題、みたいな企画を出してドコモに電話をしたら、断られました。そういうのをいろいろ出してみましたね。

内藤:マーケットの規模という視点と、競合が少なさそうという視点、他にも自分達が出来そうなど、いろんな物差しがあるじゃないですか。最終的にはどの物差しを重視したんですか?

村上:そこがうまく交わりあうところ。ベンチャー企業は、市場がないところでいくら頑張っててもどうにもならないじゃないですか。なので、まずしっかり市場があるというところ。そして、できそうだということの2点。

「ベンチャーに向いてない性格なんて、ない」

内藤:学生で起業するにあたって、向いてない性格はどんなものだと思いますか? 向いている人の話をすると、ポジティブに受け取られちゃうので、向いてない人の話をしましょう。

村上:あやたん(株式会社ペロリ・中川綾太郎氏)や言行さん(株式会社trippiece・石田言行氏)もそうですけど、社長ってみんな違うじゃないですか。それぞれ芸風がある。それぞれの良さがあるのに、向いてる向いてないなんて。

内藤:ないってことですか?

村上:それぞれだと思います。

内藤:例えば「こだわりが弱いやつが向いてない」「あきらめが早いやつが向いてない」というようにいろいろあるかなと思ったんだけど、特にないですか?

村上:それぞれなので、各自の芸風をいかに生かすかだと思いますけどね。それこそ、某有名企業の社長にも「本当にこの人、頭はよくないな」って感じる人もいます。

内藤:例えば、それは誰ですか?

村上:それはちょっと。それでも、それを支えるメンバーが優秀な場合もある。それぞれだと思います。

内藤:トップが超優秀な会社と、トップはそうでもないけど支えるチームが出来てる会社、どっちに投資します?

村上:「支える人がいるんだな」って分かるほどのタイプだったら、そっちかもしれないです。

内藤:トップ1人が優秀じゃなくて。

村上:優秀じゃなくても、「この人だったら確かについていきたいな」って人がいるじゃないですか。それぞれ強みもありますよね。(終了)

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